気功(チー・クン):特徴と実践について
気功(チー・クン)は、「気」の利用と活用に関する意識を向上させるための健康法です。約2000年前の古代中国の時代から、伝統的な医療行為として行われてきました。
同じく中国の伝統的医療手段である鍼治療と同様に、気功を実践するためには呼吸法や身体の動作、視覚化などが求められます。気功の世界では、豊富な生命エネルギー、すなわち「気」が存在することで人は健康になれる、という考え方をします。このエネルギーは停滞したり分散したりすることなく、バランスを保ちながら自由に循環していなければなりません。「気」の量が超過することも不足することもあってはならないのです。その結果、優れた心身の健康状態が手に入ります。
“気功とは、内なるエネルギーを精製して育む芸術行為であり、科学である”
-ケン・コーエン-
気功の実践
年齢や体調に関係なく、どんな人でも気功を実践することができます。なぜなら、気功の基本は静的姿勢と動的運動、座った体勢、行進、そして音だからです。ヨガなどとは異なり、こういった姿勢を作るのに特別なスキルが求められるわけではありません。
気功を行うのにインストラクターは必要ありません。自分一人で学び、実践することが可能です。また、気功は「少量を日常的に」行うよう推奨されています。つまり、実践時間は短く、しかしそれを継続的に行うべきだということです。普通、一日に15〜20分行うことが求められます。
最も一般的な気功の実践法はセルフマッサージで始まり、次にジョイント・リリース(筋膜療法)が続くものです。そのあとは静的姿勢に移り、動的運動を行い、最後に瞑想で終わります。その動きのほとんどが道教の伝統に由来しますが、他にも仏教由来のものや現代的なものも存在します。
気功による効果
気功の目的は、気のバランスを整えることです。そのため、気を養い、強化することを目指します。統計により、気功による効果が実感できるようになるのは毎日の実践を三ヶ月間続けた後からだ、と指摘されています。中国伝統医学の観点から見ると、気功により以下のような効果が期待できるそうです。
- ストレスを減少させる効果。太極拳と同じように、気功によりストレスや不安感を減らすことができます。中国医学の世界ではこれらの感情は消化不良と結びついているとされており、気功の実践により消化が良くなることも期待できるそうです。
- 免疫システムを強化する効果。エネルギーのバランスを整え、感染症あるいはガンなどのその他の深刻な病気に対する身体の抵抗力を上げることができます。また、化学療法や放射線治療による副作用を減らすのにも役立ちます。
- 関節やリューマチなどの病気によってもたらされる慢性的な痛みを軽減させる効果。また、あらゆる種類の筋肉の痛みを和らげたり、頭痛を予防する効果もあります。
- 筋肉量を強化する効果。気功により筋力の低下を抑えることができます。これは、70歳以上の高齢者の転倒防止に非常に重要なポイントです。
気功と伝統的な中国医学
中国伝統医学の中心となっているこの国の伝統哲学では、宇宙に存在する全ての事物・現象を「陰」と「陽」に分類することが可能です。「陰」は女性的なものに対応しており、冷たいもの、安らかなもの、内側にあるもの、柔らかいもの、受容的なもの、脆いものなどといった概念に関連しています。
「陽」は男性性と対応しており、熱や動き、強さ、活動、耐久力などと結びつく性質です。また、中国伝統医療では「気」と呼ばれる非常に重要なエネルギー形態の存在が想定されています。気は経絡のネットワークによって構成されるエネルギーシステムを通して流動していなくてはなりません。
病気は気が正常に流れなくなった時に発生します。つまり、気の循環が停滞した時や中断された時、あるいは分散された時ということです。そのため、中医学ではこのエネルギーの流れを適切なものに修正し、陰陽のバランスを取り戻すことを目指します。そしてその理想的なバランスは、鍼治療やマッサージ、食生活、漢方薬、そして気功を通して獲得されるのです。
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Prouzet, A. (2001). La Autocuracin Con El Qi Gong. Editorial Paidotribo.