困難とは、チャンスが変装して出てきた姿

07 9月, 2020
アルベルト・アインシュタインはかつて、苦境とはチャンスが見た目を変えて出てきた姿だというような発言をしていました。しかし、落ち込んでいる時や不安になっている時にそのようなまやかしの姿を見破るにはどうすれば良いのでしょうか?この記事を読み進めてその答えを見つけ出しましょう。

オープンマインドを保てている人にとっての苦境とは、チャンスが化けた姿でしかないと主張する人々がいます。広い視野と偏見のない頭脳がないと、そのようなチャンスを見抜くことはできません。とは言えこれは、ただ戦略を立てたり微調整の利く計画を立てたり、あるいは技術的な知識を持てば良いという問題ではないのです。どんな状況下においても好ましい変化への可能性を見つけられるようにするためには、十分な度合いの自信や熱意、優れた感情制御力、忍耐、そして不満への耐性なども求められます。

今を生きて楽しむ方法を適切なタイミングで知る術は、個人的成長という側面と直接的に結びついています。誰もがこの、閉ざされたたくさんの扉の中からなんとか開いている扉を見つけ出せるようになりたいという願いを抱いているのは紛れも無い事実です。これを実現するためには、ただトレーニングを積んだりたくさんの学位をとったり幸運を手にすれば良いというわけではありません。それらに加えて、苦難の割れ目からかすかに覗く希望の光に気づけるような精神的な集中力も必要なのです。

滅多に起こり得ないような異常な状況の中でさえ、成功をつかむことができた人々はたくさんいます。この典型的な例がスティーブ・ジョブスでしょう。自身が創設したアップル社から解雇されても夢を諦めるどころか、彼はアップル社に負けないくらい輝かしくてアイコニックなピクサーという新たなプロジェクトを立ち上げました。そして瞬く間に彼はディズニー社の筆頭株主となったのです。

ここで、チャンスや機会という言葉の意味について心理学的な観点から見直してみましょう。この言葉を職業的な側面や仕事での成功だけに結びつけてはなりません。結局のところ、チャンスというのは自身のウェルビーイングに繋がるような変化を生み出す力なのです。また、心の状態を改善し、一人の人間としての成長も果たすという意味合いも含まれています。

“チャンスという名の窓が現れた時には、シェードを下ろしてはならない”

-トム・ピーターズ-

困難とは、チャンスが変装して出てきた姿

危機的状況にこそチャンスが潜んでいる

心理学の世界ではそれほど注目されていない概念の一つに、「機会費用」というものがあります。この考え方では基本的に、目指していた目標に向けて準備をする上で、それを成し遂げるためにかかるコスト(費用)のことを説明しています。

いくつか例を見ていただければ、すぐにこの概念を理解してもらえるはずです。例えば、多くの人々が良いキャリアを得ようと時間やエネルギー、お金などを勉強につぎ込んでいますよね。しかし、それにもかかわらず労働市場におけるチャンスというのは限られています。

もう一つの例として、幼い子どもにピアノレッスンを受けさせている親について考えてみましょう。親はこのような習い事が子どもたちを幸せにし、知能レベルも向上させてくれるかもしれない、そしてそのおかげで将来のチャンスが増えるだろうと考えています。しかしながら、子どもたちが主に感じているのがストレスだとしたら、それがコストになっているということです。

ある種のチャンスを掴み取るためのコストは非常に高くつく場合が多く、そうなるとそのチャンスがもたらす利益よりもコストを払うことで経験する不幸や困難の方が大きくなってしまいます。このように、チャンスというのが掴み所のない複雑な概念であることに疑いの余地はありません。

だからこそ、常にチャンスを予測するというのは不可能なのです。もっと言うと、予想できていないのですから実際にチャンスが来た時に認識することすら難しいでしょう。それどころか、懸念や不安、落胆などにより、変化への糧となるものを見つけづらくなっている場合もあります。そのため、人生をより良いものにし得るような変化を有効活用するためには、精神衛生をケアしてあげることが絶対的に重要なのです。

困難とは、チャンスの別の姿

日頃、チャンスとは自分の手で作るものだ、と言う主張を耳にすることは多いのではないでしょうか?現代社会はいつも、人の運命はその人自身が握っており、自らチャンスを生み出さねばならず、そのためには努力が必要だと言って私たちを説き伏せようとします。しかし、おそらくご存知の通り、それが常に正しいわけではありません。また、どれだけ備えを万全にして努力を重ねたとしても、チャンスが非常に希少であることに違いはありませんし、危機的状況にいる場合にはなおさらです。

これこそがおそらく、私たちが新たな競争に参戦してチャンスを発見する方法を学ばねばならない理由なのでしょう。軍事思想家の孫武が語ったように、何らかの問題の真っ只中にあってもそこでチャンスを見出すことができれば、勝利を掴み取ることが可能なのです。しかし時にはその問題ばかりが目について視界がぼやけてしまうこともあり得ます。

  • したがって、教養を深めたり学位や資格、技術的知識を得ることにばかり夢中になるのではなく、特定の心理的スキルを高めることにも取り組まねばなりません。
  • 感情や日々のストレスを適切にコントロールすることこそ、なくてはならないサバイバル手段です。
  • 不満への耐性や困難な状況にあっても希望を養うことのできる力もまた、考慮すべきスキルだと言えます。
困難 チャンス

苦しみの向こう側を見通せる勇気

好機を狙う視点を持たない人には、チャンスを見つけることなどできません。また、痛みを感じることに魅了され、不安障害という鎖に囚われた状態に甘んじている人にもこれは不可能です。チャンスを探し続けて心配になっている時には、変化への可能性を見つけ出すことは難しいのです。

それでも、自立と前進を可能にする唯一のメカニズムが、姿を変えて隠れているチャンスを見つけ出す力なのです。なぜなら、私たちが人生に期待していることは成功や名声へ繋がる開かれたドアではないのですから。そうではなく、私たちが真に望んでいるのは健康な心身を持つことや、ありのままの自分と周囲の人々に居心地の良さを覚えることなのです。

このような理想を実現するためには努力が求められます。そして周囲の環境と調和するために客観的な視点を持ち、柔軟で創造的で直感的な考え方のできる頭脳を用いて物事を見極めなければなりません。苦しい日々は訪れては過ぎ去っていきます。しかし、どんな状況であっても航海の仕方を把握し、成長のチャンスを見つけたら前進するという能力を有しているのは他ならぬ自分自身だけなのです。このことについてぜひ皆さんも考えてみてください。