項目応答理論(IRT)について

2019年9月6日
項目応答理論では、いかなる計測器もあるアイディアに基づくべきだとされています。

心理的介入の最も重要なタスクの1つが、心理評価を行うことです。この評価は主にテストの結果によってなされます。この意味では、項目応答理論(IRT)は古典的テスト理論の捕捉となるような計測理論だと言えるでしょう。

古典的テスト理論(CTT)とIRTは同じテストを評価することが可能です。それぞれが各項目の関連性やスコアを確立することができます。ですので、テストを受ける人各自が異なる結果を得ることとなります。しかし、IRTの方がもっと校正装置的役割を果たします。ですが、IRTの方がコストがかかりますし、専門家の参加も必要になります。

この2つのテスト理論には同じ目標があります:それは、できる限りエラーが出ないように計測したいものを計測できる機器の創造です。これは、心理測定にはある特定のレベルの信憑性と正当性が必要だからです。

テストが、同じ専門レベルの2人の受験者を上手く再現できれば、あるいは異なる機会に同じ受検者を再現できれば、より信ぴょう性の高いものとなります。一方で、正当性は、経験的証拠や理論がどの程度テストスコアの解釈を支持しているかにかかってきます。

項目応答理論 IRT

IRT登場のきっかけとなった、CTTの持つ制約

古典的テスト理論はとても役に立ってきましたが、いくつか制約もあります。CTTでは、測定装置が一定ではないのです。例えば、心理学者が3人の人物の知能をそれぞれの人に別のテストを使って測定するとします。この場合、その結果を比較することはできません。なぜでしょうか?

これは、それぞれのテストにはそれぞれの尺度があるからです。ですので、何人かの人々の知能を比較する際には、例えば、異なる尺度からそのスコアを変換しなければならないのです。

一方で、IRTなら、同じ尺度を持つ異なる測定装置を使ったテスト結果を比較することができます。さらに、古典的テスト理論のまた別の制約が、測定対象の人々に応じてテストの特性を変えることができない、という点です。IRTならばこの点も改善することができます。

項目応答理論(IRT)の基本前提

こういった制約を解消するために、IRTはCTTよりも強力で限定的な基本前提を確立しなくてはなりません。

1つ目の前提

項目応答理論の最も重要な前提は、どんな計測装置もある1つの考え方を基にしたものにすべきだ、というものです。言い換えると、項目の変数値とそれらが一致する可能性との間に機能的な関係性を持たせるべきだ、ということです。この機能は項目特性曲線(ICC)と呼ばれます。

ですので、IRTはこの考え方によってCTTを改良した、と言えるでしょう。例えば、知能テストをすると、最も知能の高い人々だけが難易度の高い質問に答えることができますが、一方でもしテストを受ける全員がある項目に対して同じ回答をしたとしても、その項目では受検者のレベルを決定することはできません。

2つ目の前提

2つ目の前提は、ほとんどのモデルが項目をある1つの次元のうちの一部であると考える、というものです。言い換えると、項目は一次元であるべきだ、ということです。ですので、このタイプのモデルを使用する前に、そのデータがこの一次元性を守れているか確認しなくてはなりません。残念なことに、心理学者たちがよく使用する測定器は、多次元的なデータを集めてしまいます。

項目応答理論(IRT)について

3つ目の前提

項目応答理論の3つ目の前提は、局所独立性です。言い換えると、これらのモデルを使用するには、項目は互いに独立したものでなければならないということです。これにより、ある項目への回答が他の項目の回答に対して影響を及ぼすことがなくなります。ですので、一次元性が保たれれば、この局所独立性も成立します。これは、項目間あるいは寸法に関連する寄与率の間に相互依存が存在しない時にだけ実現できます。つまり、2つの前提は関わり合っているのです。

ムニス(2010年)は精神測定およびテスト解釈の分野での前進を計ることが重要であると指摘しました。従って、論理的なのはこの方向性を目指してさらに一歩踏み出し始めることでしょう。これは、IRTに基づいて分析されたテストが、最近の測定方法に関して心配な結果を示しているためです。

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