口唇ヘルペスとストレスとの関係性とは?

時折、継続的な心配やストレスが腹立たしい口唇ヘルペスをはじめとする、身体のトラブルを引き起こすことがあります。あの痛みを伴う醜い水ぶくれは、感情が免疫系の調子を狂わせるパターンの一例に過ぎません。
口唇ヘルペスとストレスとの関係性とは?

最後の更新: 01 4月, 2021

何らかのタイミングでこれを経験したことがあるという人は多いでしょう。過度のプレッシャーや懸念、あるいは不安に襲われている時、私たちは唇にヘルペスでき、それが激しく痛むのを感じることがあります。口唇ヘルペスはストレスによって生じるありふれた病態ですが、一番重要なのは、身体的健康や器官のバランスが感情によって変容してしまう場合があるという事実を、この疱疹が証明しているという点です。

最も多く見られる口唇ヘルペスのタイプは単純ヘルペス(HSV-1)というウイルス感染によるもので、一度発生するとその後もずっと潜伏し続けます。そうなれば、微熱や数日間続いたストレスだけで、あの小さいけれど腹立たしい口唇ヘルペスが現れるには十分なきっかけとなります。ただし、他にもストレスや不安、憂鬱に伴って発生するタイプのヘルペスも存在します。

帯状ヘルペス(水ぼうそうに似た、焼け付くような痛みのある皮膚の発疹)や性器ヘルペスが、気分障害を抱える人々に与え得る影響についての研究がなされていますが、こういった結びつきの全てが、免疫系と気分障害との関係性をさらに掘り下げることの重要さを示していると言えるでしょう。

口唇ヘルペス ストレス 関係性

ストレスとヘルペス:症状、原因、治療

ヘルペスウイルスは、私たちが考えているよりもずっと複雑な存在です。これらのウイルスには自身のゲノムを隠すという特性があるため、一生休眠状態でい続けるウイルスも少なくありません。これこそが、ヘルペスによる発疹が予期せぬタイミングで現れることが多い理由なのです。そのタイミングとは例えば、風邪をひいている時や月経前、日焼けをし過ぎた時、あるいはストレスや不安に苦しんでいる時期などが挙げられます。

例えばヘルシンキ大学で行われた研究などにより、一部のケースでこの種のヘルペスが危険なものとなり得る可能性が指摘されています。ヘルペスには様々なタイプがあり、中には発ガン性のものもあるのです。陰部に表出することの多い単純ヘルペスウイルス2型は、場合によっては子宮のガンを引き起こすことがありますしたがって、気分障害がこういった潜伏性ウイルスの再発に関わっているという事実を理解し、考慮しておかねばなりません。

それでは、両者の関係性についてもう少し掘り下げていきましょう。

単純ヘルペス(HS1)とストレス – なぜ口唇ヘルペスが出現するのか?

単純ヘルペス(HS1)は軽度の病気であり、より重度の合併症を引き起こすことは滅多にありません。通常、疱疹は発熱時に現れ、口や鼻の周辺のあの典型的なブツブツや水ぶくれがそのサインです。オハイオ州立大学による研究などでは、頻度は低いながらも強烈なストレスが免疫系に支障をきたし得るという事実が示されています。

ストレスによって経験する可能性のあるあらゆる身体症状(筋肉の痛み、頭痛、消化器疾患など)の中でも、単純ヘルペスの出現は非常に多く見られます。

帯状ヘルペスと気分障害

ここまでで、ヘルペスとストレスの関連性についてはお分りいただけました。しかし、もう一つ心に留めておくべき重要な事実があります。それは、経験するストレスの種類によって、現れるヘルペスの形態も変わる場合があるということです。例えば、慢性ストレス(数ヶ月間あるいは数年間長引いているストレス)が帯状ヘルペスの発生を左右する要因であることが、専門家により指摘されています。

2018年、『American Journal of Epidemiology』誌がこのテーマについての興味深い研究を発表しました。英国およびデンマークの居住者を対象に調査を行ったところ、以下の事柄が明らかになったのです。

  • 気分障害のある人は、帯状ヘルペスに罹患するリスクが高くなります。
  • 帯状ヘルペスは、水痘帯状疱疹ウイルスの再活性によって生じる感染症です。その一番分りやすいサインは、顔や胸元、あるいは背中に発生する皮膚発疹で、典型的な水ぶくれに加えて患部の神経の炎症による神経因性疼痛も現れます。
  • このタイプのヘルペスは、ストレスによるものであれうつ病であれ、何らかの気分障害が数週間あるいは数ヶ月間続いた場合にのみ再発します。
  • また、50歳以上の人に生じることも多いです。
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単純ヘルペス2型とストレス

単純ヘルペス2型(HS2)は陰部に生じるもので、皮膚や粘膜のトラブルがその分りやすいサインです。こういったケースでは、ストレスが繰り返されることでヘルペスの再発リスクも増大します。性的接触により伝染するこの病気が、発生の仕方によって現れたり消えたりするのは事実ですが、気分がその引き金になる場合が多いのです。

したがって、冒頭で指摘した通り、性器ヘルペスは大きなリスクを内包しています。このヘルペスの罹患者は、子宮頸ガンを発症する確率が高くなるのです。そのため、性器ヘルペスを抱えている人にとっては、定期的に検診を受け、専門医の処方した抗ウイルス薬での治療に従うことが必要不可欠です。

ストレスが引き起こすヘルペス:その治療法は?

ストレス由来のヘルペスを治療する上では、常にある重要な側面を理解しておかねばなりません。それは、この種のウイルスがどんなメカニズムで機能しているかについては現時点でも完全には解明されていない、という事実です。ただし、主な特徴として、休眠状態でいることが多く、突然発生するということがわかっています。

ウイルスを消失させるのはほぼ不可能であり、結局は体調を崩した時や防御力が落ちている時、あるいは心に問題を抱えている時に発疹が現れることに慣れっこにならざるを得ません。だからこそ、自分の身体的・精神的健康状態をケアしてあげることが最も重要なのです。

良質な栄養摂取、性感染症の予防、そしてかかりつけの医療機関での定期的な検診が最良の選択肢ですが、日常的なストレスへの対処するための基本的な戦略を取ることも重要です。以下に、いくつかシンプルなアドバイスを紹介します。

  • 「良好な精神衛生」を実践しなければなりません。言い換えると、自分が自分自身に投げかける思考や言葉に注意せねばならないということです。ネガティブな心の声や不合理な思考は、精神衛生にとっての二大強敵です。
  • 生じた問題を、いくつも積み上がってしまう前に解決できるようにならねばなりません。日々の試練に対し、冷静さと安心感、決断力、そして独創性を持ちつつ対処することが役立つはずです。
  • リラクゼーションテクニックや瞑想、呼吸法の実践は毎日の習慣としてとても健康的です。
  • おしゃべりの相手を見つけること、余暇を楽しむこと、そして自分自身のための時間を持つことが、ウェルビーイングの感覚を得る上で重要です。

最後に、もしかしたら試験や面接、あるいはパートナーとの喧嘩の後に唇にヘルペスができることにすでに慣れてしまっている方がいるかもしれません。しかし、一つ覚えておいていただきたいのは、そういった発疹の発生の背後には、大抵の場合、ケアしてあげねばならない感情の問題が隠れているということです。その点に対処することがカギとなります。

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  • Padgett, D. A., Sheridan, J. F., Dorne, J., Berntson, G. G., Candelora, J., & Glaser, R. (1998). Social stress and the reactivation of latent herpes simplex virus type 1. Proceedings of the National Academy of Sciences of the United States of America95(12), 7231–7235. https://doi.org/10.1073/pnas.95.12.7231
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