曇り空も美しい風景の一部

気分が沈んだり、曇り空を見上げたときに自分の心までモヤモヤするのは、誰にでもあることです。この気持ちは一体何なのか、一緒に探ってみましょう。
曇り空も美しい風景の一部
Gema Sánchez Cuevas

によって書かれ、確認されています。 心理学者 Gema Sánchez Cuevas.

最後の更新: 08 11月, 2023

様々な変化を見せる空は、人生の顔を反射する海のようです。少なくとも、それに似通った現象を見ることができるキャンバスのようです。どちらの次元(地上と空、こころと感情)、つまり雲と私たちの日々の生活でも、嵐の瞬間や日が存在します。これは自分がいる場所や環境に左右されます。ここでお話ししてる太陽や灰色の雲は、嵐が起こると予想外の動きを見せます。

灰色の雲でいっぱいの雨の降る日は、ちょっと外が寒くても、本を集中して読めるような場所があれば美しいものになります…他人の話は自分のこころを落ち着かせてくれることがあるからです。書かれた言葉はあなたに語り掛け、あなたはそれに言葉を返します。無言の会話がそこにあって、自由になれます。本の登場人物は、あなたを非難したりアドバイスの押し売りをしたりしないからです。それぞれの方法で話を聞いてくれます。

反射

灰色の日々

ベッドで一日過ごしたほうがよかったかも。こうなるって知ってたら起き上がったりしなかった。」なんて考えた日もあるかもしれません。おかしなことに、良い日をありがたく思えるための唯一の方法は、良くない日を経験することだというのを、私たちはあまり考えません。悪い日というものも存在すべきで、どこかで直面しなくてはいけないのです。何だか矛盾しているように感じるかもしれませんが、多くの場合小さな悲劇のおかげで、より大きな成功に感謝することができるのです。

寒くて嵐の日のような赤信号の時は、自分を見つける機会です。目を閉じて呼吸をして、そばにいてくれる人のストーリーに思いをはせる機会です。こういった意味で、待っている時間を取り戻すことが出来ないなら、その時間を有効に使って楽しんでみてはどうでしょう?

「多くの場合、小さな悲劇によってより大きな成功に感謝することができるのです。」

えさを見つける感情

何かが感情で起こる時(曇り空の時)は、特にネガティブで望んでいないようなことが起きる時です。悲しみ、怒り、恐怖などです。あるいは、嫉妬、憎悪、嫌悪、苦痛などもあるかもしれません。自分や愛する人には感じてほしくない感情です。しかし、ここでまた大きな矛盾が見られます。望まない感情でありながら、多くの場合私たちはその感情をあおります。こうして、私たちはそういった感情が生き残るようにしたり、あるいは着飾らせて主演に仕立て上げます。

曇り空を望まないなら、どうしてこんなことをしてしまうのでしょうか?多くの場合、これらの感情には「副次的利益」があるためです。つまり、悲しい時にはもっと注目を浴びたり、怒った時にはみんながより気を付けて自分を扱ってくれる、ということに気づくのです。注目、慎重な扱い、優先。これらの特典に惑わされない人などいません。

女性


気持ちが沈んでいる

それに、学校に行くのを避けるために病気のふりをしたことがない子どもなんていません。このような副次的な利益を得るために、特定の感情を感じているふりをしたことがない人もいないはずです。そうするつもりはなかったり、意識的に行ったわけではないかもしれません(大抵は無意識です)。もちろん、わざとやっている人はいません。悲しみや学校へ行くことから逃げ出そうとしているときに起こるのは、意識的な振る舞いとは全く反対のことです。しかし、感じているふりをしたときから、その感情は巣くい始めます。

感情が現れはじめ、そこに留まります。多くのケースでは、元々の感情が消えてからその「ふり」が始まります。夫を亡くしたおばあちゃんを想像してみてください。家族は彼女の痛みを軽減させようとします。この愛されたおばちゃんは、悲しそうに見えなくなったら、自分のことを気にかけて世話をしてくれなくなると思います。そういった意味で、ある程度はおばあちゃんがその感情を感じているふりをしているというのは理解できます。気づかないうちにおばあちゃんはその感情を生き永らえさせているのです。すでにお話ししたように、この罠にはまらずに感情を感じているふりをすることはあまりありません。

曇り空の素晴らしい力:エネルギーと情報

自分の内面を見つめるという健全な努力によって、この愛されたおばあちゃんに起こったようなことが自分にも起こっていないかが確認できます。しかし、感じているかもしれないネガティブな感情をすぐさま押しやるべきであるということではありません。つまり、悲しみを感じていて他人からのケアを必要としているというのは本当なのです。それを受けることは間違っていません。それは助けになり、受け取ったからと言って自分が弱い人間になるわけではありません。

これは、ネガティブな感情の適応的な機能のひとつです。もう一つは、情報とエネルギーに関連しています。どんな感情も、2つの要素を持っています。例えば、怒りは誰かがあなたを傷つけたと教えてくれ、それに対して何かするべきかどうか、そのエネルギーが行動を支えてくれます。

何かすべきではないと思う場合(良い変化をもたらすには、適切な感情プロセスが必要)、自分の周りにあるそのエネルギーに対処しなくてはいけません。周りの人、特に自分を傷つけることない方法が必要です。


このテキストは情報提供のみを目的としており、専門家との相談を代替するものではありません。疑問がある場合は、専門家に相談してください。