空想上の恐怖:尽きることのない恐怖の根源

2019年6月25日
もし飛行機が墜落したらどうしよう?年末に仕事をクビになったらどうしよう?道で誰かに尾けられていないだろうか?自分の子供が一人で家に帰れるだろうか?恋人に振られてしまうのだろうか?など、これらが空想上の危険です。

問題は実際よりも危険ではないかもしれませんし、その状況自体よりも多くの恐怖心を自分自身で作り上げてしまっているかもしれません。時に想像力というのはとてもリアリティのある空想上の危険を作り出すため、自分自分の敵となることがあります。

体から恐怖心があふれ出たとき、体は逃走準備ための保護回路を作動させます。例えば、走らなくてはいけない状況では心拍数が早くなります。さらに、汗をかき、呼吸が乱れ、戦いや闘争に備えて消化器系や免疫系がエネルギーの消費を止めます。そして、走って逃げなくてはいけない状況に備えて大量の血液を足に巡らせます。

このような反応は生存本能によって引き起こされるもので、危険に対して迅速に対応するためのシステムだと言えるでしょう。この本能により、恐怖心が警戒心に繋がり人を活発にするのです。

しかし、人間がライオンに追われることはもうありません。これが現代社会における恐怖の問題点なのです。対照的に現在最も用いられている反応の多くは知的なものであり、そのようなものは身体的労力を要しません。にも関わらず、人の体は数百年前と同じように反応するのです。

そのように考えると、エネルギーを無駄にしてはいけない危険というのが1つあります。それが空想上の危険です。もし飛行機が墜落したらどうしよう?年末に仕事をクビになったらどうしよう?道で誰かに尾けられていないだろうか?自分の子供が一人で家に帰れるだろうか?恋人に振られてしまうのだろうか?など、これらが空想上の危険です

これらの恐怖心は、上で述べたような保護回路を誘発し、体を警戒モードに変化させます。そして生存本能が血圧を上昇させるものの、これらのことは走って逃げなくてはいけない状況に置かれていない限り不必要なことなのです。

空想上の恐怖:尽きることのない恐怖の根源

空想上の危険による不必要な疲労感

科学者のロバート・M. サポルスキーは、空想上の危険が生理的および精神的な疲労感を生み出すと説明しています。それらの危険が頻繁に起こることによって、無意識的な連想が強まることがその原因だと言います。そして興味深いことに、動物の恐怖メカニズムはその危険性が現実のものであるときにのみ作動されるのです。

人間の想像力がこれらの回路を作動させることができるように、それらを止めることも可能です。自分に起こりうるネガティブなことをすべて想像できるのであれば、その反対のこともできるということです。自分に起こりうるポジティブなことを想像し、自分の意思で体を落ち着かせることができるのです。

自分の考えをコントロールすることで、鼓動が速くなることを防ぐことも出来るようになります。そして、筋肉の緊張や汗をかくことも抑制できます。恐怖によって生じるこれらの現象は不快なものであり、問題が理性的であるのであれば役に立つことはありません。

恐怖は高いハードルになりうる

恐怖を感じることで、人は自分の身を守っています。しかし、それによりなかなか自分自身のコンフォートゾーンを抜け出せなくなってしまいます。人が潜在的に危険な状況に直面した時、脳は生存本能によって恐怖回路を作動させ、予想される害から自分自身を守ろうとします。

一方で、自分自身の恐怖心を理解しているのであれば、そのような保護回路に自覚的になることができます。そうすることで生存本能に自分の体を支配されないようにすることができます。そのためには、感情に耳を傾け、理解する必要があります。ただ盲目的に従うだけではいけません。新しく未知な状況にあるリスクとそこから得るものを評価するのです。多くの場合、リスクには価値があるのです。

恐怖回路が作動するたびに諦めてしまってはダメです。恐怖を感じる状況をコントロールするためのツールを見つけましょう。そうすることで、良い結果を得ることができるはずです。

恐怖とは、人生から完璧に取り除くことができない感情であり、取り除くべきものでもありません。その危険が本物なのか、それとも空想上の産物であるかを判断するのは自分自身の力です。確かに時に恐怖は自分を守ってくれます。しかし一方で、それを無視してチャンスを掴むことで、イキイキと生きることができるのです。