マイクロアグレッション:日々の卑劣な拷問

18 1月, 2019

「些細なこと」「受動攻撃」と呼ばれることもあります。しかしこれは、本当はマイクロアグレッション、自覚なき差別です。攻撃的で、暴力的な言葉や行動ですが、それは明白なものではありません。例えば、時間の無駄だからと言って、用務員に挨拶をしない人がその例です。

西洋のほとんどの国では、性別、人種、経済事情、信仰に基づいて人を差別することは、法に反します。しかし、この法の存在の意義を理解せず、差別を続けたり、偏見に基づいて人を拒む人は少なくありません。そういった態度がもたらす結果を避けるために、マイクロアグレッションを利用します。

「4人の子どもが、いつか、肌の色ではなく、個性によって判断される国に住むことが私の夢だ。」

-マーティン・ルーサー・キング・ジュニア-

人は時々、無意識にマイクロアグレッションを使います。特定の人やグループに対して、攻撃的な意味が込められた行動や言葉です。例えば、人の話を遮って、その人に最後まで話させないことがあります。これを、力のある人に対してではなく、自分より弱いと思う人にするのです。

自覚なき差別SNS

 

マイクロアグレッションか、すぐに気分を害してしまうのか

マイクロアグレッションは、無害な表現以外の何ものでもないと思う人もいるでしょう。人の何気ないコメント、軽々しいコメントを真面目に受け取りすぎる過敏な人が悪いと考えます。結局のところ、社会的な関係、特に冗談には、ある程度の無礼さが含まれているものです。

そうである場合もあります。すべてのコメントが性的差別、人種差別の意味を含むわけではありません。それが、その話題に関する緊張を解消するためであるときや、ある信条をからかっている場合もあります。

マイクロアグレッションの問題は、その裏にある意図です。このようなコメントや冗談が頻繁であれば、そのコメントを受け取る人への影響を避けることは難しいでしょう。

一回のつねりは人を傷つけなくても、多数のつねりは明らかに人を傷つけます。この意味で、マイクロアグレッションは人の自尊心や尊厳に大きく影響します。

 

人によって異なる扱い

自覚なき差別は言葉だけではありません。非言語的コミュニケーションを通して、人に対する差別や偏見を示すことがあります。1970年代初め、プリンストン大学がある調査を行いました。研究のリーダーは社会学者カール・ワードです。

就職面接のために、白人と黒人のグループを集めた実験がありました。二つのグループに対する面接官の態度をよく観察し、実験者はそれぞれのグループに、特に非言語の分野で差があることを認めました。

面接官は、仕事への適任者を選んでいるにもかかわらず、白人と黒人に対する扱いが異なりました。黒人からは離れて座り、アイコンタクトが少なかったのです。あまり親切でなく、また、費やした時間も短いことが分かりました。これは、マイクロアグレッションの明らかな例です。

 

自覚なき差別の感情的影響

同じプリンストン大学の実験には、次の段階がありました。まず、面接官による拒絶や差別の非言語サインのリストを作りました。そして、新たな求職者のグループを集めました。

いじめられる人

ここでは、面接官が、白人と黒人の両グループに対し、拒絶の言語サインを使うよう訓練されています。結果はどうでしょう?マイクロアグレッションが求職者の行動に影響を与えたのです。口ごもることが多くなり、文章を最後まで言わず、話を始めることに躊躇し、怯えているように見えました。

この実験から、マイクロアグレッションの被害者は、パフォーマンスが下がり、大きな機会を失うことになりがちだと言えるでしょう。不利益を被り、皆に偏見をもたれていると思い込んでしまいます。

先にも述べたように、マイクロアグレッションは無意識のものです。弱い立場にいる人、少数派がよく狙われます。マイクロアグレッションから身を守ることは簡単ではありません。それは、気づかれにくく、あまりに些細なことがあるためです。

マイクロアグレッションに対抗しようとするのではなく、その根源である偏見に焦点を当てるべきでしょう。