物事の二元性:陰と陽の概念

陰と陽の概念は、人間の存在や自然界の二元性を示しています。夜がない日はなく、死のない命はありません。ぜひ続きを読んでみてください!
物事の二元性:陰と陽の概念

最後の更新: 24 10月, 2019

陰と陽の概念は、道教と呼ばれる中国の教えから来ています。実在したか分からない人物、老子が創始した哲学的枠組みが道教です。分かっているのは、道教の概念は6世紀から現在まで存在しているということです。

老子は、老子道徳経と呼ばれる書の著者として知られています。この本には、「美徳への道」という意味が込められています。ここで、陰と陽の概念が初めて登場しました。陰と陽は「影と光」とも言い換えられます。

「エネルギーを与えることと受けることのバランスを忘れてはいけない。陰と陽のシンボルは単に男性と女性の統合を表すものではない。光と影、柔と硬、能動と受動、外と内、与え手と受け手でもある。どちらかだけを手にすることはできない」

-ブラウネル・ランドラム-

老子は、陰と陽は、すべてに存在する二元性だと言います。昼と夜、男性と女性、生と死などです。相反する2つであり、矛盾することなくお互いを補い合い、依存し合います。一方が他方に押し付けることはありません。お互いにバランスを保ち、共存しているのです

陰と陽

 

陰と陽の二元性の概念

絶え間ない変化は、すべての性質だと道教では言われます。何もしなくても秋の後に冬がきて、冬の後に春が来ます。私達の人生のすべてにおいて、同じことが言えます。美徳への道を進みたいのであれば、自然や自分の人生の変化を受けいれましょう

個人的な願いや目標が物事の自然な順序を変えようとします。一方で、無活動でいると、物事を変えようとする外の圧力はなく、あたりまえのように物事が流れ、ねじ曲げられることがありません。

陰と陽は、この絶え間ない変化を表しています。このような2つの概念の二元性のバランスが保たれていれば、調和が生じます。一方で、二元性のどちらかが優勢であると、不協和が生じます

影は女性的なものと似ています。柔らかく、温かく、素朴で、受動的、吸収しやすく、暗いものです。陽は、物事の男性的な面です。粗く、ドライで、大気のようで、活動的、浸透しやすく、明るいものです。存在するすべての物事に両方の要素や性質があります

 

陰と陽の原則

道教によると、陰と陽には独自の一連の原則があると言います。この原則が、2つ力の間にある動力を示し、細かい状況にも適用できます。

こちらがその原則です。

  • 陰と陽は反対であるが、排他的ではない。陽の世界に陰があったり、またその反対もあります。例えば、真っ暗な夜に月の光が輝きます。
  • 相互依存的。陰は陽なしでは存在せず、その反対も同じです。例えば、命のない死はなく、死のない命はありません。
  • 動的均衡を保つ。陰が増加すると、陽は減少し、その反対も同じです。2つの内のひとつが大きくなると、もうひとつが小さくなり、変形します。例えば、熱は氷や雪を溶かし、洪水を引き起こします。
  • 片方がなくなると、もう一方へと変化する。別々のものではありません。二つは互いに共存します。ひとつがなくなると、もうひとつへと道をゆずります。昼と夜がこれを完璧に示しています。
  • 陰には陽の跡があり、陽には陰の跡がある
陰と陽

 

実践的適用

陰と陽の概念は、科学的理論ではなく、特定の哲学のひとつであることを忘れてはいけません。そうはいっても、量子物理学には、陰と陽に似た理論があります。さらに、物事に存在する二元性の考え方には、実践的適用法があります。

武術には、陰と陽の概念が直接的に使われます。守りと攻め、緊張と弛緩などの考え方は陰と陽から生じたものです。中国医学でも、病気の診断や治療に二元性と補完性が使われます。漢方に携わる人は、「過剰なものを抑え、不足しているものを整えよ」という原則を適用します。

二元性の概念は、内なる平穏のために日々の生活にも活かすことができます。分離と受容と呼ばれるものです。流れを大切にしましょう。夜は昼へ、悲しみは喜びへ、光は闇へと通じる道であるということを受け入れましょう。すべてをポジティブにしようとしてはいけません。二元性の存在を認めましょう。これが、道教の教える平穏な人生への道なのです。


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  • Larocca, F. (2009). Nature vs Nurture: El Yin y Yang de la teleología aplicado a las ciencias del comportamiento humano… en pikis. cl y en monografías.com.

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