音楽は子どもの頭を良くする?

· 2019年4月14日

「モーツァルト効果」について聞いたことがありますか? 音楽は子どもの頭を良くするのでしょうか? 音楽と知性の関係についての主張はどこから来ているかご存知ですか? そこには科学的な根拠があるのだろうかと立ち止まって考えてみたことはありますか?

子どもの知性をおそらく伸ばすであろう状況や活動やたくさんあります。音楽もその一つですが、音楽だけがそうなのではありません。たくさんの研究が楽器を弾けるようになることと知性の間の関係を結び付けようとしてきました。しかしそれは楽器を弾けない子は「馬鹿なまま」ということなのでしょうか?

「ベビー・モーツァルト」プロジェクトや、「リトル・アインシュタイン」というアニメシリーズなど、たくさんの幼児向けに刺激を与える番組が、音楽は子どもを賢くすると私たちに信じさせてきました。クラシック音楽は特に効果があるとされ、モーツァルトの作品はいい例として出されています。

そしてこれまで、そして現在も、まるで知性の秘密を発見したかのように、親や先生、そして妊婦さんまでもがクラシック音楽を赤ちゃんに聴かせ、できるだけ早いうちから音楽のレッスンを子どもに受けさせています。そこでの大きな疑問は、音楽に本当にそれだけの効果があるのかということです。現実に、音楽は子どもを賢くするのでしょうか?

その答えはノー、あるいは少なくとも素晴らしい効果があるといえるほどではありません。クラシック音楽を演奏することが子どもを賢くするという考えは、矛盾する結果を出している研究がある中で、今だに議論が分かれていることなのです。

1993年に行われた、音楽は子どもを賢くするという研究は再現されておらず、その実験を延長することもされていません。ということは、科学的研究として出されたものは、本当は科学的ではなかったということです。しかし、その考えがマーケティングには最適だということは疑う余地もないでしょう。

音楽は子どもの脳にたくさんの良い影響がある

しかし、音楽は子どもに全く役に立たないと言っているのではありません。実際、音楽には子どもの脳にも大人の脳にもたくさんの良い影響があります。音楽の脳への影響に特に焦点を当てた研究はたくさんあります。

音楽は、脳に特定の思考の準備をさせるようです。例えば、クラシック音楽を聴いた後、大人は特定の空間課題をより速く行うことができるということが、さまざまな研究により明らかになってきました。

しかしどうしてこんなことが起こるのでしょうか? 実は、私たちの「クラシック音楽回路」が空間論理で使う回路と似ているのです。ですので、クラシック音楽を聴くと、空間論理の回路が「オン」になり、使う準備ができるという訳です。

事前にクラシック音楽を聴くことは、特定の課題を行いやすくしてくれます。しかし、その効果は短時間しか続きません。向上した空間能力はクラシック音楽を聴くのをやめて約1時間後に消えていきます。

クラシック音楽を聴く効果

しかし、楽器を演奏できるようになることには、空間論理においてさらに長続きする効果があるかもしれません。いくつかの研究で、6カ月間ピアノのレッスンを受けた子どもは、なぞなぞを解く能力と空間課題を行う能力が30%まで向上しました。研究者は音楽のトレーニングが脳の中に新しい回路を作ったと考えています。

音楽を勉強している子どもは、脳のスキャンで見られるように、聴覚処理が向上するということもわかっています。これが重要なのは、聴覚処理能力は言語発達や第二言語の習得、騒々しい場所で集中できることに欠かせないからです。

他にも、音楽が認知機能に良い影響をもたらす可能性や、攻撃性を少なくしたり、穏やかさを与え、ストレスを減らし、気分をよくしてくれることなどが研究でわかっています。しかし、このことイコール音楽が子どもを賢くするということではありません。

子どもを本当に賢くするものは…

音楽は子どもにも大人にも様々な意味でいい影響がありますが、「賢い」ことや学校での成績がよくなることは、その最も素晴らしいメリットの一つではおそらくないと言えるでしょう。音楽は役に立ちますが、それほどではない、あるいは少なくとも私たちが信じさせられているほどではないということです。

いくつかの研究で、音楽クラスをとっている、または学校で音楽の教育を受けているという子どもは知的活動においてもより秀でているということを表している研究もあります。しかし、そもそも子どもの音楽教育やその他の芸術に投資している家族や学校は、そうでない家族や学校とは様々な意味で異なっているでしょう。おそらくそれが観察された違いの本当の原因です。

知性、知的能力、学業成績などにおいて多少効果があったという研究を再現しようとした研究もいくつかあります。しかし、子どもへの音楽教育の無作為な試験の結果は、音楽は子どもを賢くしないというものでした。研究の中には、賢さが下がったというものまでありました。

音楽と知性の関係

本当に大事なことは、子どもと遊んだり話したりすることです。子どもをハグし、子どもにキスし、歌を歌ってあげましょう。一緒に踊り、本を読んであげ、探検しましょう。子どもの創造性を刺激し、好奇心をそそってあげるのです。

子どもを本当に賢くするのは愛情です。子どもを最高の状態にするのは愛情なのです。

音楽は子どもを賢くするのでしょうか?それがどうしたというのでしょう!お子さんに本当に賢くなってほしいと思うなら、お子さんと充実した時間を、たくさん一緒に過ごしましょう。これは音楽よりもずっと決定的な要因になることは間違いありません。だまされてはいけませんよ。