プレマックの原理でロックダウンを過ごしやすく
プレマックの原理は、いくつかの理由から外出制限をもっと過ごしやすいものに変えてくれる可能性があります。一つ目の理由は、これが生産性を上げたり、今より優れた行動パターンを確立するための理想的な心理学的ツールであるためです。二つ目が、生活の中のあらゆる領域に取り入れることのできる原理であるためです。
この異常な状況下で、日々多くの人々が様々なことに挑戦しようと努力しています。ソーシャルメディアでは、友人や知人、そしてインフルエンサーたちが運動や料理、勉強といったアクティビティを行なっている様子を見ることができるでしょう。
一人一人が、それぞれ異なる形で自粛下の生活に対処しているのは明白です。全員が、自分に適していると思われる方法で時間を過ごしています。一週間のうち五日間を昼寝して過ごしても、自宅の改造に費やしても構わないのです。
この外出制限期間中は、プレマックの原理が楽しくもあり、利点も多い有効なツールとなります。読み進めてその理由を見ていきましょう!
プレマックの原理で外出制限期間を過ごしやすくできる
なぜプレマックの原理で外出制限をより過ごしやすくできるのか、その理由について深く掘り下げて行く前に、まずはこの理論がどんなものであり、どこから生まれたものなのかを明らかにしていきましょう。このアプローチは、心理学者B・F・スキナーのオペラント条件づけに着想を得たものです。
その考え方は、「人や動物は行動を動機付ける、あるいはその行動を消失させる心理学的次元に基づいて物事を行なったり止めたりする」というシンプルな前提を基盤としています。
では、次の例を見てみましょう。「私はドイツ語の勉強を止めた。なぜならつまらないと感じるからだ。今では私はかなりの時間ストリーミングサイトで動画を観て過ごしている。なぜならテレビドラマが大好きだからだ」
さて、プレマックの原理が追求するものの一つは、やる気を持って行える行動を、あまり面白くない物事を起こさせずに済むように、ある刺激として機能させよう、というものです。つまり、この例で言えば「私はドラマへの熱意を毎日ドイツ語を勉強するための報酬メカニズムとして活用することができるだろう」という考え方になります。このテクニックはよく、行動を修正するために使用されたり、依存症や恐怖症の治療にも活用されています。
ここから先は、外出自粛生活をもっと乗り越えやすいものにするためのプレマックの原理活用法を見ていきましょう。
時間を管理し、ルーティーンを確立するためのプレマックの原理
外出自粛期間をうまく乗り切るために推奨されるのが、ルーティーンの確立です。義務的作業と娯楽の両方を確実に行えるよう、自分の時間を整理してみるべきでしょう。
- やる気を出せるようなポジティブなタスクと、あまり好きではないその他のタスクとが点在するようにスケジュールを組めば、プレマックの原理による効果で外出制限がこれまでほど耐え難いものではなくなります。
- 例えば、無気力な状態で朝目が覚めてしまう日があるとします。そのような時は、家事をしたくないと感じるかもしれません。
- この場合、プレマックの原理に則ると、理想的なのはまずはそれほど苦でないようなタスクから始め、「それを一時間半行なった後そのご褒美として今ハマっているドラマの次のシーズンを観ることができる」と決めて作業を行うことです。
在宅ワークをしている場合も同じことができます。その日をまずは仕事から始めなければいけないとしても、2、3時間後に短い休憩をとって何かもっと楽しいことをやろう、と自分自身に約束してあげれば良いのです。
プレマックの原理と食事
外出制限中は、不健康な食べ物をつまみ食いしてしまい、自分の食べているものにあまり気を配らなくなってしまう可能性が高くなります。不安を和らげるために、健康的でないスナック菓子などを食べるようになってしまうのです。
プレマックの原理はこの間の生活を過ごしやすいものに変えてくれる上、食習慣に関しても大きな効能をもたらしてくれます。
- お腹が空いたりスナック菓子を食べたくなってしまった時は、以下のことを行なってください。リンゴを一つと今本当に食べたいスナック菓子(例えばブラウニー)を手に取ります。
- まずは、食欲をそそらない方のもの(この場合はリンゴ)を食べ、その後でもう一方を食べるようにしてください。この例では、リンゴの腹持ちの良さを考えると、もう片方のスナックまで食べたいと思う確率は非常に少なくなります。
プレマックの原理を使えば、外出自粛中の子どもたちの負担も減る
プレマックの原理を使えば、子どものいる家庭でも外出自粛期間を過ごしやすいものに変えることができます。それは、子どもたちに学校の課題にもっと取り組ませやすくするのにこの原理が役立つためです。その方法がこちらです。
- 子どもの集中力が続くのは約40〜45分間です。
- 理想的なのは、子どもが最も嫌う、あるいは最も難しいと感じるタスク(例えば算数など)で一日をスタートさせることです。しかしその際、45分後には休憩を取ることができ、何か楽しいことを数分間行なって良い、と伝えます。学問に関わるアクティビティは午前中に行い、娯楽系のアクティビティは午後に行うのが望ましいです。
ただ、午前中の勉強の時間中にも子どもの好む短時間のアクティビティをさせてあげても構いません。
ご覧の通り、この戦略は正の行動強化の使用を基にしたものです。外出自粛期間中は、これこそ私たちに必要なものなのです。今日から是非試してみてください!