人の心理を理解するための7つの理論

2020年1月7日
人間の振る舞いの解釈の仕方の数だけ、人の心理の理解の仕方があります。この記事では、心理を理解するのを助けてくれる7つの視点をご紹介します。

人間の振る舞いに関しては、それを認知して分析する方法は山のようにあると言って間違いないでしょう。同じことが人の心理の理解に関しても言えます。心理学とは、人間の心理プロセスと行動表現を説明しようとする学問である、ということを忘れてはいけません。そうは言いつつも、人間の振る舞いを理解するのにこれだけたくさんの視点があるのに、どうすればある程度の合意に達することができるのか、と疑問に思わずにはいられないでしょう。

人々がどのように考え、感じ、行動するかを研究するにあたって、心理学者たちは様々なアプローチを利用します。しかし、どのアプローチであれ研究の目的は同じで、普通は結論も大きく相違するものではありません。この記事では、心理を理解するのを少し簡単にしてくれるカギをいくつかご紹介します。

研究者の中には、特定の学派に集中する人々がいます。その一方で、複数の視点を取り入れた、より折衷的アプローチをとる人もいます。基本的に、一つの学派が他方より優れているということはありません。それぞれが人間の行動の異なる側面に注目しているというだけです。心理を理解しようとする上で、どのアプローチをとるかはあなた次第です。

心理学的観点から言うアプローチとは、人間の行動について推測を可能にするそれぞれの学派特有の視点です。同じ学派の中で異なる理論が存在している場合、それぞれ異なっていても、みな基礎の部分で共通するものがあります。

人の心理 理解 理論

現在、人間の行動を理解するために最も重要な心理学的アプローチとして、以下の視点が挙げられます。

  • 行動主義的
  • 認知的
  • 生物学的
  • 心理力動的
  • 人間性的
  • 進化的
  • 社会文化的

以下で、一つずつ見ていきましょう。

行動主義的アプローチ

行動主義心理学は、人(もしくは動物)は周囲の環境によって条件づけられているとする点で他とは異なっています。実際、行動主義心理学では、人間とはこれまで学んできた「刺激」、「強化」、「連合」の産物であるとされます。行動主義心理学で、どのように環境要因(刺激)が人の観察可能な行動(反応)に影響するのかを研究するのも、この理由からです。

行動主義的アプローチでは、人々が環境から学ぶ際の二つの過程を提唱しています。それは、古典的条件付けとオペラント条件付けです。古典的条件付けはイワン・パブロフによる実験、オペラント条件付けはバラス・スキナーの実験で提唱されました。

行動主義的アプローチでは、目に見える行動だけが測定可能であるため、それだけを研究対象にするべきだと言われます。実際に行動主義心理学では、人には自由意思があるという考えを否定しています。上で述べた通り、人の全ての行動は周りの環境によって決まると信じられているのです。

認知的アプローチ

認知的アプローチは、もし人々の特定の行動を理解したいなら、その裏にある思考を理解しなければならない、という考えに基づいています。そのため、この心理学の考え方は思考プロセスを分析することに焦点を置きます。別の言葉で言えば、人々が知識を得る際に起きる精神活動もしくはプロセスを意味する「認知」を研究するということです。

さらに、認知的アプローチは記憶、知覚、注意などといった認知機能も取り扱います。認知論では、情報処理と言う点では人間はコンピューターに似ていると考えます。

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生物学的アプローチ

生物学的アプローチは、人の行動を個人のゲノムに基づいて説明します。何より、遺伝子がどのように人の行動に影響するかを研究する考え方です。ほとんどの行動は遺伝的で適応機能を持っているものだと考える点で、これは非常に特異な理解の仕方です。

生物学的アプローチは、行動とそれを支持する脳の機能の関係に基づいています。つまり、遺伝子、脳、神経系、内分泌系の活動の中に人の行動の起源を見つけようとします。別の言い方をすれば、私たちの体の全てのシステムが、どう相互作用するかを研究するということです。

そのため、研究者は人の体がどのように行動、感情、思考と関係しているかを研究します。こうすることで、心と体がどのように感情、記憶、知覚経験を生み出すのかを理解しようとします。

精神力動的アプローチ:人の心理の興味深い理解の仕方

精神力動的アプローチについて語ることは、ジークムント・フロイトについて語ることです。彼は、いかに無意識が彼の患者の心理をコントロールしているかを観察することで、精神力動の理論を生み出しました。そしてこれこそが精神力動心理療法士や精神分析医が日頃行っていることです。内面的な衝動や葛藤が人の振る舞いに対して持つ役割を強調します。

この分野では、人間の行動は内的直感、生物学的衝動、そして自らの必要性と社会からの要求の間にある葛藤を解決しようとする試みから生まれるとされています。

精神力動的アプローチでは、子供の頃の出来事が大人になってからの行動に多大に影響するとされています。つまり、私たちの無意識と子ども頃の経験が、私たちの振る舞い方を決めるということです。もう一つ大切なのは、精神力動論では人々は決断する意志をあまり持っていないとされていることです。

精神力動派にとって一つ重要な理論が、フロイトの心理性的発達理論です。この理論は、人生初期の経験がいかに大人になってからの人格に影響するかを示します。それに加えて、子供が様々な発達段階を通過するにあたって、体の異なる部分への刺激が大切であると提唱します。

人間性アプローチ

人間性アプローチは、個人を完全で全体だと捉えて研究します。人間性心理学者は、観察者としての視点だけでなく、対象者本人の視点を通しても行動を観察します。これは、個人の重要な側面一つ一つが合わさることを考慮するべきだという考えを強調するものです。

人間性心理学では、人々の行動は内面の感情と、自らが持つ自分のイメージに繋がっていると考えられています。人間性的視点は、私たち一人一人は唯一の存在であり、人生のいかなる時点においても変わる自由があるという考えに注目します。

この視点は、私たちはみな自分の幸福に対して責任があるという考えを提唱するものです。したがって、私たちには自己実現の能力が生まれつきあり、それが自分の可能性を磨きたいという願望を駆り立てるのです。

進化的アプローチ

進化的アプローチは、人の脳および精神は、1万年以上前の更新世に狩猟採集社会にあった人類が直面していた課題を解決するために進化したと考えます。つまり、進化心理学による人の行動説明は、進化の過程で人の行動形態を形作っていく選択的な要因と関係づけられています。

この学派は、観察可能な行動は適応によって発達したとします。この意味では、生物学的アプローチと似ていることに気が付くかもしれません。この理論によれば、私たちの行動は自然選択の過程を経た結果です。簡単に言えば、最も適応力がある個体が生き残って子孫を残すということです。

行動が性的選択を経る可能性すらあります。ここで言われるのが、性的魅力がより多い方が子孫を残すことに成功しやすいということです。このために、時間の経過とともにこのような特徴が一般化していき、人間の思考は、先祖が生き延びて子孫を残すことを可能にした直感でいっぱいになっていくのです。

簡潔に言うと、進化心理学は遺伝子的要因と、経験が私たちの行動の特定の側面に対してどれほどの重要性を持っているかを見極めることに焦点を置きます。

社会文化的アプローチ

最後に、社会文化的アプローチは、社会と文化が人の行動と思考にどのように影響するのかを研究します。人々を取り巻く文化的・社会的影響と、それらが個人の振る舞いや考え方に対してどのような影響やインパクトを与えるかにその基盤を置きます。

この視点においては、文化が人の行動の決定要因です。異なる社会間の違いを研究するのもそのためです。この際、社会文化的アプローチでは、異なる国々の人の行動の原因と結果を吟味します。個人の文化環境に応じて行動を解釈します。

社会文化的アプローチでは、文化と精神はお互いを構築し合うものであり、切り離すことは出来ないと考えられています。人々と環境の相互作用に目を向けるのもそのためです。

「人間の行動は三つの根源から生まれる。それは欲望、感情、知識である。」
-プラトン-

Ryle, G. (2005). El concepto de lo mental. Barcelona: Ed. Paidós.