リレーションシップアナーキーとは?

リレーションシップアナーキーの支持者たちは、恋愛関係とその他の人間関係を区別しません。それらにラベルを貼る代わりに、彼らは関わる人々全員の「合意」という枠組みを用いることを優先します。
リレーションシップアナーキーとは?
Sara Clemente

によって書かれ、確認されています。 心理学者とジャーナリスト Sara Clemente.

最後の更新: 21 12月, 2022

リレーションシップアナーキーとは、ラベリングをしたり階層を設定したりしない恋愛を支持する思想です。これを支持する人々は、恋愛を従来の考え方や献身、そして伝統などから切り離すことを目指します。リレーションシップアナーキーの目標は、社会が要求するものや設定するあらゆるものから自由になることです。

ここでのアイディアは、既存のカテゴリーを打ち破るような恋愛をする、という考え方です。その恋愛関係において、唯一の基盤となるのは双方の同意です。リレーションシップアナーキストたちは、いかなる押し付けられた教義や規範からもかけ離れたライフスタイルを送っています。しかしこれは本当に実現可能なのでしょうか?こういったアナーキストはどのように愛や恋愛関係を理解しているのでしょう?

アナーキストの恋愛

リレーションシップアナーキーの支持者たちは、恋愛関係とその他の人間関係を区別しません。それらにラベルを貼る代わりに、彼らは関わる人々全員の「合意」という枠組みを用いることを優先します。

こういった人々は、全ての人間関係の土台には信用がなければならないと信じています。許されるのは自由で婚約を伴わない関係性のみです。そしてこれは関わる人々に相手を傷つける意図が一切ない確証がある場合に限ります。

この関係性が良好な状態になるためには、親密さと自由さが心地良い状態に達することが必要です。そのため、疑念や疑い、不信感が関係を毒すると、全てが破壊されてしまうことになります。

そして、この種の関係性を機能させるカギとなるのがコミュニケーションです。最近、人々は何か問題に直面した時にはきちんと自らの感情について話そうとする傾向があります。しかしリレーションシップアナーキーを実践する人々が推奨するのは、継続的なコミュニケーションです。これが、信頼の度合いを高めるのに役立ちます。

リレーションシップアナーキー

ラベルなしの、制約のない愛

リレーションシップアナーキストたちは、愛に制限はないと信じています。そのため、彼らが相手をたった一人に絞り込んだり、決まった愛の形にとらわれたりすることはありません。誰もが、誰か一人を贔屓せず好きなだけたくさんの相手と関係を持つことに対して開放的なのです。

リレーションシップアナーキストは、それぞれの関係性を個別に大切にすることが重要だ、と考えています。彼らは相手を比較したりランク付けしたりしないのです。さらに、「セックスフレンド」、「ただの友達」、「私たちはオープンな関係だから」などといったフレーズを使うことすら考えません。

“愛とはとても豊かなものであり、全ての恋愛がユニークなのだ”

-アンディ・ノルドグレン-

相互の合意を基にした関わり合い

リレーションシップアナーキーとは、本気の付き合いをしないというわけではなく、その正反対の恋愛の形を指します。関わる人々全員の相互合意がある場合に限り、この考え方が支持されるのです。その取り決めの中で、自分たちが望む付き合い方や関わり合いの度合いを設定できるよう、両者が努力して取り組みます。そしてその決断は彼ら自身の感情に基づいて下されます。

関わる人々は、この取り決めを自分たちの価値観に基づいて行わなければなりません。彼らの念頭に置かれるべきなのは、自然さ、同意、コミュニケーション、そして相手の人物を愛したいという心からの願望です。だからこそ、そこに結婚や階層分け、また社会的な規範などが入る余地はないのです。外部からの影響や社会的な条件の介入を許さず、そのつながりや関係性は自然で自発的なものでなければなりません。

リレーションシップアナーキー

体制との決別

リレーションシップアナーキストたちは、今日の社会は恋愛の仕方や誰を愛すべきかについて人々に強要している、と考えています。法律やガイドラインなどを通して、社会は市民に何をすべきか、そしてどう振る舞うべきかを常に指示しているというのです。リレーションシップアナーキーでは、人は愛する相手に対して権利を振るうことができるという考え方を否定しています。

例えば、もし一方の人物が友人たちと出かけて帰宅が遅くなったとしても、リレーションシップアナーキストはこれに対して説明を求めるのは不適切である、と考えます。彼らには、「私にはあなたがどこで一晩を過ごしたのか知る権利がある」とは言えないということです。敬意と自立は不可侵の領域なのです。

さらに、リレーションシップアナーキーでは「普通」なのはヘテロセクシュアリティだ、という考えをいかに社会が押し付けているかを批判しています。そのため、この思想の支持者たちは性別やジェンダー、文化、あるいは信条などに囚われない自由な愛を信奉しています。

リレーションシップアナーキー?ポリアモリー?どっち?

恋愛の理解と実践に関するこれら二つの方法は、よく混同されてしまいます。なぜなら、両方とも複数の相手との情緒的・性的関係性を支持する考え方だからです。そうはいっても、リレーションシップアナーキーとポリアモリーはほんの少しですが異なっています。

リレーションシップアナーキーでは、各関係のカテゴリー分けや区画分け、あるいは分類などを行いません。それぞれの付き合いが独自のものであり、その他の相手との付き合いとは独立していて唯一無二のものなのです。ここでは、愛を表現したり感じたりするためのラベルは必要ありません。

その点がポリアモリーとは異なっています。実は最も一般的なポリアモリーの形態は、それぞれの相手との関係がはっきりしている付き合い方なのです。一つが主要なもの(大抵の場合、結婚相手)、そして残りがサブ的なものとして扱われます。

リレーションシップアナーキー

リレーションシップアナーキー vs 一夫一婦主義

リレーションシップアナーキーを実践する人々は、これを自身のライフスタイルだとみなしています。そして自分自身を自由恋愛を実践する者だと認識しており、社会や文化が強要するような構造や条件からは解放されていると考えているです。彼らは想像力を駆使して自らの理想とする恋愛の仕方を作り出しています。つまり、自分にとって居心地が良いと感じられる恋愛の方法を編み出しているいうことです。


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