リラックスするのが難しい:3つの理由とは?

自分は適切にリラックスすることができない、と感じていませんか?リラックスしようとしていて、そのやり方も心得ているのに、それでもなお望ましい結果が得られない人がいます。なぜそのようなことが起こるのでしょうか?
リラックスするのが難しい:3つの理由とは?

最後の更新: 11 1月, 2021

なぜ自分はリラックスするのが難しいのか、その理由をご存知ですか?信じ難いかもしれませんが、これはあなたの努力だけでどうにかなる問題ではありません。もしかしたら努力以外の、本来注意を向けるべき重要な要因のいくつかをあまり考慮してこなかったのではないでしょうか。リラクゼーションに関しては、生活にまつわるほとんど全ての側面で快適さを感じられているかどうかがカギとなります。この意味では、意識の最下層のところで小さな壁が機能していて、そのせいで不安な気持ちを脇にどけるプロセスが妨げられているのかもしれません。

おそらく、リラックスするのが難しい主な理由の一つには、社会から発せられる指令に上手く対応しようとする奮闘があるのでしょう。直接的に命令を受けているわけではないにしても、多数の外的プレッシャーが私たちのリラクゼーションプロセスを制限しているのです。

リラックスするのが困難なもう一つの理由には、過剰すぎる自意識が関わっているのかもしれません。自分の個性をあまりにも重視し過ぎていると極度の緊張状態に陥り、それがもとでエゴが厳重な殻の中に閉じ込められて保護され、自己と世界とが切り離されることに繋がるのです。そのようなあらゆるストレスの背後にはどんな原因が隠されているのでしょう?一体何がリラクゼーションを妨げているのでしょうか?

1. 生産性を礼賛する社会

適切にリラックスするためには、平穏と静寂が必要になります。しかし、私たちが暮らしているのはそれとは正反対のことを要求する世界です。つまり、四六時中動き回り、ノンストップで情報を交換し合うことが求められています。率直に言って、最近ではほとんどの人がてんてこ舞いなライフスタイルを送っているのです。そして企業は常に生産性の高い機敏で頭の回転が素早い人材を求めます。

このことが大いに人々のあり方を条件付けていて、おっとりと穏やかでいることが罪や怠惰の意識、あるいは無責任だという感覚を抱かせるようになってしまいました。社会は、生産的なことを行わないイコール時間の無駄遣いである、と考えます。一方では、時間を有効活用することイコールアクションを起こすことであり、二つ以上の活動を同時に行えているとなお良い、とされているのです。これが、「生産性礼賛」と呼ばれるものを支えている思想です。

先ほどは経済的観点から生産性を取り上げましたが、人間としての立場から考えると、これは完全な非生産性につながります。しかし、時間があまりにも重要視されているがために、少し休憩するために立ち止まるという考え方すら否定的に見られているほどです。リラクゼーションがこれらの制約に阻まれユートピア状態になっていることは間違いないと言えるでしょう。

リラックスするのが難しい 理由

2. 何よりもまず外見を重視する

リラクゼーションを妨げるもう一つの大きな障害が、外見への比重の大きさです。ここ数十年の間、「身体礼賛」というもう一つのカルト(礼賛)が私たちに押し付けられています。身体のケアが、個人が自由時間に行う活動のナンバーワンになっているのです。

この意味では、身体は最大限にケアすべき対象になったと言えるでしょう。エクササイズ、食べ物、日光、そして水などが、他人よりも光り輝く存在になるために必須とされています。もちろん、これら全ての要素が健康にプラスであることは事実です。しかし、それを必ずしも健康維持の目的で行なっているわけではない人が多くいます。スリムで美しくなりたいだけなのです。そうすることで、美や知性のスタンダードに合った人物になろうとしています。

しかしながら、それは本当にセルフケアと言えるのでしょうか?それほど多大な努力を要する目標を達成しなければならない状況で、リラックスすることなど可能なのでしょうか?

リラックスするのが難しい 3つの理由

3. 愛着:リラックスが難しくなる理由の一つ

愛着とは条件付けの中でも複雑な一形態です。事実、人は思想や習慣、感情、過ち、そしてその他多様な物事への愛着を育んでいくことがあります。ある意味で、全ての事象をありのまま、何の変化も加えずに視覚化し、所有し、そして保存させようとする力のようなものが存在してるのです。さらには、不確実性に直面するのを避けるために同じままでいようとするニーズもあるのです。

もっと言うと、愛着はしばしば心が自由に漂い、本当に行きたい方向へ向かうのを妨げる要因にもなっています。自身の心を完全に支配するというのは非常に困難ですが、実は習慣や愛情、そして所有を維持することと絶えず変化する現実世界との間にある対立には愛着が関わっているのです。物事の変化が人を緊張状態にさせてしまうことは多く、特に変化が常に起こり続けている場合はなおさらそうなりがちです。もちろんこれは、無意味な抵抗を続けることにつながります。

現実の自然な流れに抗うのが無意味なのは、こちらに勝ち目がないからです。また、この抵抗により心の柔軟性が失われてしまいます。そして、変化に抵抗し、一生変わらずにいて欲しいと願う理想の現実のあり方に執着していることが、リラックスするのが難しいもう一つの理由なのです。

簡潔に言うと、緊張状態でい続け、ストレスに囚われ続けるのは最悪な行為だということです。そうすることで自身の感情を処理するのがさらに困難になるだけでなく、身体的にも調子が悪くなってしまう恐れがあります。 リラックスする方法を模索し、リラクゼーションに向けて取り組むことは精神衛生のために必須なのです。少し時間を取ってこのトピックについてじっくり考え、自分自身のための働きかけを行いましょう!


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  • Walker, C. E. (2002). Aprenda a relajarse: las técnicas y ejercicios más eficaces para la relajación física y mental. Editorial AMAT.


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