離別の痛み:一体感は基本的権利

· 2018年12月21日

子どもは親と引き離された経験を忘れることはありません。子どもにとって、離別の痛みはとても大きく、修復不能な傷が一生残ります。アメリカとメキシコの国境で突然、暴力的に引き離された子どもはそんな状態なのです。

6月中旬テキサス州南部、リオ・グランデ・バレーで撮影された動画や画像が世界中のニュースになりました。アメリカ政府は親と離れた子どものための施設を建設しました。この施設では、金属のフェンスを通し、多くの子どもが泣き、家族を求めました。人の残酷な面、非人道的な面が画像に表れています。

中央アメリカの移民で、国に違法入国した子ども達です。子ども達に罪はないにもかかわらず、非常に荒々しい処分を与えました。昨年5月以降、アメリカ政府により、2000人以上の子ども達が母親や父親から引き離されました。ドナルド・トランプ大統領による不法移民「ゼロ・トレランス」政策の一部として、親子を引き離しているのです。

社会の圧力により、大統領はこの引き離し政策をやめましたが、いまだに家族と再会できていない子ども達もいます。児童心理学の専門家は、子ども達はもう傷を負っていると言います。このようなトラウマになるような経験は、多くの場合、一生の傷を残すのです

移民政策

 

離別の痛み:一生の傷

最初に掲載した写真は、世界中を渡りました。離別の痛みがどのようなものであるか、絶妙に表れた写真です。子どもの顔にみえる苦しみと困惑が多くを語っています。この少女はホンジュラス出身の2歳児です。国境で母親といたところ、政府に捕まりました。この少女は、母親と一緒にいることができましたが、政府による脅威を感じたことでしょう。母親と一緒に逮捕された時、母親の顔に恐怖や苦しみを見たに違いありません。

トラウマによる子どもの心への影響は、70年以上に渡り研究されています。親との離別は、それが一時的なものか永続的なものかに関わらず、子どもの身体、神経、精神の発達に最も大きな影響を及ぼすものです。親から引き離された2000人の子どもの多くは暴力的に離されており、これは、中でも最も悪い方法です

暴力はトラウマの衝撃をより強くします。このような離別の後、子ども達には3つの段階が待ち構えています。それは、抗議、絶望、分離の3つです。一度、分離の段階へ入った子ども達は、食べ物がもらえるか、もらえないか、身体的なニーズが満たされるかを問題にしなくなります。愛着、安心、注目を与える家族像の欠如により、子ども達は、完全な孤立の状態にあるのです。

離別の痛み

 

苦悩:痛みの始まり

離別の痛みには明白な元があります。それは、苦悩です。人間は、こう反応するようにつくられているのです。社会の核となるものから離されると、ストレス、恐怖、不確かなものをはじめとする様々な感情を経験します。この感情すべてが精神的苦悩です。例え、悪い親だとしても同じです。親との離別は子どもを完全な孤立へと追いやるのです。

長く続く苦悩は、少しずつ子どもの精神に変化を及ぼします。コルチゾールなどのストレスホルモンが、未熟な体を混乱させ始めます。成長過程の子どもの脳で、トラウマは心に固定されてしまいます。

 

一体感は基本的権利

どんな子どもも、トラウマになるような経験、親からの離別を経験すべきではありません。人が世界を移動し続ける中で、掲げるべき重要な指針があります:それは、家族の一体化です。子ども達が今までどんな体験をしてきたか、忘れてはいけません。彼らは、家を去り、移動のために、仲の良かった人達から離れました。これは、簡単なものでも、快適なものでもありません。

このような状況に、さらに親との離別が加わると、その衝撃は壊滅的です。精神的障害を背負った子ども達は、同じ障害を背負い大きくなるしょう。精神的に不安定な大人は子どもより危険です。そのため、家族の一体感を基本的権利とし、子どもと親との間で壊されることがないようにしなければなりません。

膝枕

さらに、ジョン・ボウルビィが言ったように、幼い子どもは、まだ死を理解できませんが、母親や父親の不在は理解します。子どものニーズを満たす唯一の存在がそこにいなければ、離別による苦悩はトラウマになるような経験になります。傷は開き、それを癒すことは非常に難しく、また、癒えることはないかもしれません。