良質な生活とは?その特徴と定義について

いくつかの一般的な指標が、良質な生活というものを定義づけています。今回はそれについてご説明させてください。ただし、私たち全員が具体的にはどんなものが自身の個人的な幸福に欠かせないのかを考え、それを手に入れるための取り組みを始めなくてはなりません。
良質な生活とは?その特徴と定義について

最後の更新: 14 2月, 2021

良質な生活が話題に上ることはかなり多いですが、これが実際には何を意味するのかについて、人々が常に明確な考えを持てているとは限りません。事実、これに関してはたくさんの「専門的な」定義が存在しますし、各人がそれぞれ独自のイメージを持っているとも言えるでしょう。

また、社会学や人類学、保健科学、政治学、およびほぼ全ての人文科学にも、良質な生活とはどんなものであるべきかについて独自の概念があります。全体的に見ると共通している点はたくさんあるものの、相違点も同様に存在します。

生活の質というテーマにおいて、客観的・主観的要因の重要性に関してはきちんとした合意があるわけではありません。例えば収入レベルや公共サービスを利用できることといった要因に重きを置く見方もあれば、満足感を感じられているか、あるいは人生に価値を見出だせているか、といった点を重視するアプローチもあるのです。記事を読み進めて、良質な生活とは何なのか、その全貌を学んでいきましょう。

“生活の質が、生活それ自体よりも大切なのだ”

-アレクシス・カレル-

良質な生活 特徴 定義

良質な生活を送るってどういう意味?

一般的に、質の良い生活とは任意の状況下で個人のウェルビーイングを確約してくれるような環境・条件が一揃いになったものである、と言うことができるでしょう。これは、各人が手に入れたいと願うようなタイプの生活と大きく一致しています。なぜなら、人はこれを安定した生活だと捉えているからです。

特定の観点から見れば、良質な生活とは人々が「幸福」と呼ぶものとほぼ同義ともとれます。しかしこの概念はかなり抽象的ですし、相対的です。幸福に関しては、完璧に定義された基準点というのが存在しないのです。

ただ、精神医学者Geroge Vaillantの監督のもと、76年間に渡ってハーバード大学で行われた研究では、以下の要因が人を幸福にしている、という結論が出されています。

  • 愛の存在。
  • 意義深い人間関係。
  • 向精神薬が必要でない状態。
  • 熱意を生み出してくれて、生存に必要なものを提供してくれるような仕事を持っていること。
  • 楽観主義。

この結論は、その年数に関しても対象になった人々に関しても、広範な調査によって導き出されたものだということを考慮しなくてはなりません。しかし、これは収入レベルの高い国々で実施された調査であるため、バイアスがかかっている可能性も考えられます。そうは言っても、上記の要因にはある程度の普遍性があるようです。

豊かさ、ウェルビーイング、そして良質な生活

「豊かさ」や「ウェルビーイング」という言葉が指し示す概念についても、満場一致の定義があるわけではありません。ウェルビーイングが存在すれば良質な生活が送れているということになりますが、前者には複数の側面が関与しており、それらが調和している必要があります。ウェルビーイングの様々なタイプを見てみましょう。

情緒面のウェルビーイング

感情について理解していて、その制御の仕方もわかっていて、そこから個人的成長のプロセスを始められるような人は、ウェルビーイングを実現できます。そのプロセスの中では、内面的な強さや、合理的かつ自主的な意思決定をする能力が顕著に見られるはずです。そういった条件が揃えば、互いにサポートし合い、頼り合えるような人間関係を構築することが可能になります。

物質面のウェルビーイング

これは、重要なニーズを満たすのに十分な収入を得られている時に実現するウェルビーイングです。そのニーズは人によって大きく異なりますので、意見が分かれるところはあるものの、住む場所、食べ物、健康、公共サービス、レクリエーションといった基本財に手が届く人には物質面のウェルビーイングが存在する、と言えるでしょう。

良質な生活のために大切な、社会面のウェルビーイング

自分が相互やり取りをしている集団との間に協力関係や連帯の絆が構築されていれば、社会面のウェルビーイングが実現できていると言えます。これは、安心感と調和の感覚を生み出してくれるような支え合いと相互サポートから成る健全かつ平和的な関係性という意味です。良質な生活を送るためには、どんな人にもサポートネットワークの存在が欠かせません。

身体面のウェルビーイング

これは、健康を保証してくれるあらゆるもの、つまり医療サービスや健康的な食事、運動、そして健康的習慣全体などが手に入る状態を意味します。また、身体を適切に機能させるために必要な要素や習慣についての知識や認識を持てている状態を示してもいます。

良質な生活とは?その特徴と定義について

個人的成長

全ての人に、成長し、様々な分野で自らの潜在能力を発揮する機会が必要です。教育や訓練へ参加できること、個人的な技能や知識を応用できるようなきちんとした仕事に就けることが、そういった機会の一例です。このチャンスを得ることで、色々なやり方で進化していくことができるのです。

ご覧のように、良質な生活は複数の要因から成り立ちます。これら全ての形態のウェルビーイングを全人類が獲得できるような世界を目指すことが、人として正しい行いだと言えるでしょう。


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  • Ardila, R. (2003). Calidad de vida: una definición integradora. Revista Latinoamericana de psicología, 35(2), 161-164.


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