『錆びれた鎧の騎士』からの考えさせられる引用
日本語訳はまだされていない本ですが、『The Knight in Rusty Armor(錆びれた鎧の騎士)』には、自己認識に関する教訓をいくつか見ることができます。この冒険物語で目にするのは、人生のどこかで経験すべき内面的な「錬金術」です。人間の変化に関して、シンプルかつ深く掘り下げるような本はあまりたくさんあるものではありません。
この本でもう一つ興味深いのは、その著者であるロバート・フィッシャー氏です。映画、劇、テレビのコメディ作家の中でも最も素晴らしい作家のひとりです。 グルーチョ・マルクス、ルシル・ボール、ボブ・ホープなどと仕事をしてきました。フィッシャーは作家として素晴らしいキャリアの持ち主ですが、人生に対する楽観的で建設的な見方をとてもアーティスティックに表現した人でもあります。
彼のユニークな能力は、考えさせながら人を笑わせることです。観客が自分の限界と能力をみざるを得なくさせます。コメディアンと劇作家としての経験によって、人々を目覚めさせる能力を得ました。フィッシャー氏の自己啓発本は、とっつきやすくオリジナルで刺激を得られるものです。
『The Knight in Rusty Armor(錆びれた鎧の騎士)』からの引用
この本のメインストーリーには、とてもユニークな騎士が出てきます。パッと見、とても見事な騎士です。勇敢で、高貴で、寛容… しかし、別の面に気が付くのにそんなに時間は掛からないはずです。この騎士は鎧の輝きを気にしすぎて、自分が持っているほかのすべてのことのありがたみを全く感じていないのです。
彼の盲目さによって、自分の周りのすべてを怠ってしまうまでになります。自分の価値以外の何も見えなくなり、ある日とても大事なことに気づきます。自分の鎧がもはや輝いていなかったのです。錆びてきていたのです。
自分自身に囚われてしまった騎士は、変化と障害の克服のためのスピリチュアルな旅へと旅立ちます。ここで、オリジナリティー溢れるキャラクターや経験にストーリーが移行し、素晴らしい教訓をわたしたちに教えてくれます。それでは、『The Knight in Rusty Armor(錆びれた鎧の騎士)』からの引用とその知恵を学んでいきましょう。自分自身を呼び起こす旅になるかもしれません。
1.鎧の下にあるもの
「私たちは自分で思い込んでいる自分自身の像を守るためにバリアをはってしまう。そしていつかそのバリアの内側から動けなくなって、出られなくなるのだ。」
自分はすばらしくて寛大であると完全に思っていました。しかし、彼の行動は何一つそのことを体現してはいませんでした。輝く鎧の下にいたのは、自分に欠けているものを補うために自分をよく見せようとしていた1人の人間でした。
騎士は、自分が悪だと思ったものとは激しく戦いました。敵は自身の内にいることに気づいていなかったのです。本当の自分を動けなくしてしまっている怒った龍は、自分の内にいるということに気づかなかったのです。
状況は違えど、誰もが毎日自分のさびれた鎧を身に着けて目覚めています。自分でうまく処理していない何かを隠してしまうために使っているものです。本物の自分を隠しておくための反抗です。
2.感情的な救済
「本当の感情からの涙は、わたしを鎧から解き放ってくれる!」
自分のニーズに気づき、内面で抑え込まれた感情とつながることは、鎧の荷を肩から降ろすために最初のステップです。さびを取り除くには、換気して緊張を解放し泣くより効果的なことはありません…
3.重要なことに気づく
「人類は2つの足を与えられた。だから、一つの場所に留まっている必要はない。でももう少し頻繁に立ち止まって、走り回る代わりに受け入れ感謝をすることで、こころから野望を理解できる。」
最も考えさえられる言葉かもしれません。騎士は善い行いをするために様々な国を渡り歩きます。人を助け、擁護し、守り、自分が悪だと思っているものと戦いました。しかし、自分の家族より自分の鎧に恋をしていました。
奥さんのジュリエットと子どものスペースは彼の頭にほとんどありません。騎士は人生で本当に大事なことをないがしろにしてしまったのです。いつでも変化を起こし、成長し、前に進むことにオープンでいることは大事です。しかし、同時に自分のルーツや大事なものも忘れてはいけません。
4.今ここにある
「当時起こっていたことを楽しむことはなかった。人生のほとんどで、誰かや何かに耳を傾けたことがないことに気づいた。風のざわめき、雨音、水が小川を流れる音はいつもそこにあったはずなのに、聞いたことがなかった…」
今に感謝して、周りにあるものを受容すること。これこそが、本当に価値のあるものを理解するための方法です。自分のエゴや昨日したこと、明日することにフォーカスすると、あなたの鎧はもっと錆びてしまいます。輝きは今にしか見つけられないものです。ここにすべての機会が散らばっています。ここにこそ、幸せが見つかります。
5.自己愛
「騎士は自分自身を愛していなかったことに気づいて泣きました。自分を愛していないなら、他人を愛すことなんてできません。涙でぬれた顔で見上げると、マーリンが微笑んでいました。『君は素晴らしい真実を見つけた』と騎士に言いました。『自分を愛するだけ、他人を愛すことができるのだ。』」
この本では、騎士がこれ以上我慢できなくなる場面があります。無意識の森の奥深くまで入り込み、家族の元へに逃げようと考えます。しかし、騎士は何かに気づきました。自分の愛し方もまだわからないのに、引き返すことはできない。自分の愛し方を知らない人は、他人をきちんと愛することなどできないのです。
だから、これは人の変化における最初の一歩です。健全な自己愛を育て、自分の価値を理解し、自分を癒し、自分をケアする方法を学ぶことです。
6.聞くために黙る
「黙っていることは話すこと以上だ。」
『The Knight in Rusty Armor(錆びれた鎧の騎士)』の素晴らしい言葉です。騎士は自分の思考の龍と対峙しなくてはいけません。戦いの場は、孤独と沈黙です。彼の思考にはたくさんのノイズが存在するため、そのような状況ではひどく居心地悪く感じます。それに加え、彼の無意識の盾が本当の自分自身にたどり着き、虚偽の自分を打ち倒すことを邪魔しています。
騎士はやっとのことでこの盾を打ち破り、自分のニーズを理解し、耳を傾けざるを得ない沈黙の中で本当の自分を受け入れます。
ロバート・フィッシャーに関してもう一つ知ってもらいたいことがあります。フィッシャー氏は、命に関わる経験を幾度もした後にこの本のアイディアを得たと何度か語っています。そのたびに彼の内なる声が、「死んではだめ。まだすべきことがたくさんある。」と語りかけてきたそうです。
この本は彼のミッションであり、人生を変えた経験です。この本の執筆に6年と半年を費やしました。この言葉たちが皆さん自身の目的を見つけるためのミッションへとつながればいいと願っています。覚えておいてください。まずは鎧を外すんです。
引用された全ての情報源は、品質、信頼性、時代性、および妥当性を確保するために、私たちのチームによって綿密に審査されました。この記事の参考文献は、学術的または科学的に正確で信頼性があると考えられています。
- Fisher R. El Caballero de la Armadura Oxidada. Barcelona, España: Ediciones Obelisco; 2007.