成人済みの我が子をコントロールする親たち

08 11月, 2020
支配欲のある親たちは、我が子が大人になったからといってその行動を変えるわけではありません。反対に、心理的恐喝や被害者顔をするなどのより巧妙な術に頼り、成人済みの子どもたちを操ろうとするようになる場合が多いのです。

頼まれてもいない助言をする。子どものすること、しないことについてあれこれ叱りつける。心理的恐喝を行い、欲しいものを手に入れようとする。子どもの自尊心にネガティブな影響を与える…。このように、成人済みの娘、息子を支配下に置こうとする親たちがいます。非常にひねくれたやり方で望みを果たそうとすることが多く、それについて一冊本が書けそうなくらいその術は巧妙です。

悲しいことに、親たちのこういった行動は不必要な苦しみを生み出しかねません。中には、すでに成人に達しているにも関わらず、やることなすことを批判してきたり常にコントロールしようとしてくる親たちに悩まされ続ける人々もいます。この問題は気づかれずに見過ごされる場合が多いですが、被害者の尊厳や自信に大きなダメージを与えるほど深刻です。

社会は親たちの役割を褒め称え、家族という単位を無償の愛とサポートを与えてくれる避難所として理想化する傾向があります。しかし、一部の親の子育てスタイルは子どもを苦しませたり不幸にさせているというのが実際のところなのです。そして残念ながらこのような親子の関係性は子どもが大人になったからといって自動的に変化するわけではありません。逆にもっと強固になり、対処するのがより困難になってしまう場合もあるのです。

そのような親たちはなぜ我が子を意のままに支配しようとするのでしょう?成人した子どもたちにとって、この状況を終わらせるのがそれほど困難な理由は何なのでしょうか?ここからは、この不健全な家族関係においてどのような要因が働いているのかを一緒に見ていきましょう。

成人済み 我が子 コントロールする 親

成人済みの子どもをコントロールする親たち

成人済みの我が子をコントロールしている親はたくさんいます。これは、息子あるいは娘が独立してから何年経っていようと、新たな家族を作ってすでに別々の人生を歩んでいようと関係ありません。中には、ある種の有毒な愛、つまり依存関係を強化することだけを求めるような愛を押し付け続ける、へその緒がまだ切れていないかのような親もいます。

このような支配欲の背後には何が潜んでいるのでしょうか?その答えはシンプルです。他人をコントロールしたがる人々は、「自分には何かが欠けている」という感覚を落ち着かせようとしているのです。

これを親と子のケースに当てはめてみましょう。親は孤独になることを恐れるため、持てる力全てを駆使して我が子を自分たちに依存させておこうとします。家庭の閉鎖性(そして制圧状態)により、彼らは自分たちがまだ役に立つ存在だと感じられるのです。子どもに対して権力を握れている、と感じることで彼らの低い自尊心は慰められ、自らの生み出している苦しみに気づけなくなります。

我が子がすでに大人になっているという事実が、彼らの支配欲を変えることはありません。それどころから、親たちはよりわかりにくく巧妙なテクニックを使うようになります。事実、長年に渡って子どもを心理的に操ってきたような親というのは、それをやり続けるための新たな道や方法を確実に見つけるものなのです。

子どもの人生が自然な流れで進んでいくことへの恐怖

先ほどもお話ししtた通り、この支配欲は「自分には何かが欠けている」という感覚によって沸き立ちます。しかし同時に、恐怖心も重要な要因の一つです。こういった親たちは、自分の息子あるいは娘が独立して熟し、実家から遠く離れた場所で自由な生活を送ることを恐れているのです。コントロールしたがる親たちは、成人済みの我が子による実権を握ろうとするような行為全てを自分への攻撃だと解釈します。そして攻撃されたと感じると、それがきっかけで怒りや不安が生まれます。

彼らにとって、成人済みの子どもが自分自身で意思決定をしているという事実は脅威なのです。これに対して彼らは、子どもたちの決断にあれこれ文句をつけるという反応をします。事実、その決断に対して罪悪感を抱くよう、子どもを仕向けることすらするのです。例えば、「こんな仕事のために別の都市に引っ越して私をひとりぼっちにするなんてどういうつもりなの?」、「私があなたを必要としているときにいったいどうやったら恋愛なんかにかまけていられるの?」などという言葉を我が子に投げかけます。

すでに大人になっている我が子を支配しようとする親は、常に子どもの前に壁を作り続け、子どもの人生が自然な流れに乗ることを不可能にさせています。

コントロール術・操り術

こういった親たちが子どもをコントロールするやり方は、ほとんどの場合間接的でわかりにくく、しかし痛々しい方法によるものです。この種の操り術は非常に狡猾に実施されるため、被害を受けた人もセラピーでそれをうまく説明することができません。

それはまるで蜘蛛の巣に囚われているような状態なのですが、そうなっていた期間があまりにも長すぎたために子どもの方もそれが普通だと思い込んでいます。しかし実際には親のこの行動は正常とはかけ離れているのです。

  • 支配欲のある親たちは、常にそばにいて「助けて」くれます。しかしながら、助けてもらうことが高くつくのです。その目的は、子どもへの支配力を保てるように借りを作り続けることです。お金を貸してくれたり、家族計画を支援してくれたりしますが、後々その事実を使ってコントロールしようとしてきます。「私はお金を貸してあげたのに、あなたは黙ってそれを~に使ってしまうの?」といった具合です。なんらかの手助けや支援をする見返りとして、親が子どもに対するある程度の権威を獲得しようとします。
  • また、心理的恐喝を用いて我が子に常に罪の意識を持たせようとします。捨てられた、裏切られた、傷つけられた、などと子どもに不平を言うのです。
  • 親が与える助言はむしろ命令のようなものばかりで、子どもにとって何が「最善」なのかについて積極的に話そうとします。
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悪循環を断ち切る

自分と親との関係性についてじっくり考えてみることは非常に重要です。ご自身が何歳であれ、その結びつきがポジティブなものなのかネガティブなのかを考えてみなければなりません。当たり前のことのように思えるかもしれませんが、家族との関係性が自分のウェルビーイングにとっていかに有害か気づいていない人がたくさんいるのです。

このような不健全な愛着のサイクルを打ち破るためのヒントを以下に挙げています。

  • どういった行動が自分にとって許容できないものなのかについて、親にはっきり伝えましょう。
  • 親との間に明確な境界線を設けましょう。それを尊重してくれない場合や好ましくない反応をされる場合、あるいはまるで自分が被害者であるかのように「捨てられた」と責められる場合には、その罠にはまらないようにしてください。

状況がどんなものであれ、関係性のあり方に関する自分の望みをはっきりとアサーティブに親に伝えてみてください。そうすることが一番良いのだ、と言う点を強調しましょう。最後に、長年操られきたことによる痛みを癒せるよう、取り組みを開始してください。