脊髄:その構造と生理機能

脊髄:その構造と生理機能
Carolina López De Luis

によって書かれ、確認されています。 心理学者 Carolina López De Luis.

最後の更新: 22 12月, 2022

脊髄は、脳髄と共に中枢神経系(CNS)の一部を成します。脳の後頭孔から、第一腰椎の辺りまで伸びています。

31の脊髄神経が、脊髄に沿って繋がっています。脊髄は神経細胞体が存在する灰白質の中核からなります。これは、中に軸索が存在している白質によって覆われています。面白いことに、脊髄中のこの灰白質と白質は、脳にある灰白質と白質とは別の働きをします。一方で、椎骨、靱帯、髄膜、脳脊髄液が、脊髄を保護します。

脊髄は様々な機能を担います。感覚からの情報を受け取り処理する役割を持っています。また、脳からの信号を伝達します。これらの機能は、かなり重要なものばかりです。ここが怪我によって深刻な影響を受けると、麻痺や運動機能障害、感度の低下などを引き起こしかねません。

灰白質

この灰白質は、脳の灰白質とは異なり、脊髄の中に位置しています。これは、神経細胞体がある場所で、情報が処理される部分でもあります。また、これは様々な枝角から成ります。前角、後角、側角、中間層です。

ニューロン

さらに、この灰白質の中には、様々な機能を持った核が存在します。

  • I-IV:外受容性感覚を担う。例えば光など、外から受けた刺激を記録する。
  • V-VI:自己受容性感覚を担う。内面的に生まれた刺激を報告する。
  • VIII:中脳と小脳の架け橋。中脳から来ているニューロンが小脳につながる、またはその逆の効果が起こる場所。
  • IX:主な信号伝達細胞エリア。運動皮質からの神経細胞が繋がって、動きの衝動を操る場所。
  • X:中心的な導管を囲んでいて、ニューロンを支援する神経膠を含んでいる核。

脊髄の灰白質は、主に運動・感覚情報を引き継ぐ場所です。情報が目的地に着く前に、素早く判断を下します。これは、かなり痛みを伴う刺激にさらされるなど、緊急事態の場合に運動神経メカニズムを作動させるために必要です。

白質

脊髄の白質は、情報を上下に送る軸索(神経線維)のある場所です。その主な機能は、情報の送信です。 黒質のように、いくつかの異なる部分に分かれています。詳しく見てみましょう。

  • 脊柱:体細胞に関する情報を送る。
  • 前柱と側柱:情報を脳から筋肉に送ることを担っている遠心路。 運動系の一部。

白質の中には、様々なルートが存在しています。上行性経路と下行性経路です。これらの道は、情報を循環させる2つの構造です。さらに、どちらの道も、異なる情報を送っています。

  • 薄束:手の特徴的な感覚と動きを担う。
  • 前脊髄視床路と内側系視床路:筋肉、皮膚のつなぎ目、皮下組織からくる無意識の動き。
  • 脊髄オリーブ核路:この経路の位置は判明しているが、その機能は不明。
  • 外側脊髄視床路:痛みと温度の感覚。
  • 脊髄視蓋路:脊髄視覚反射のための求心的な情報。
  • 前方脊髄視床:光の感覚と圧力。
  • 前皮質脊髄路と外側皮質脊髄路:俊敏性や動きへの敏捷性。
  • 視蓋脊髄路:視覚的な刺激からの動きに対応。
  • 前庭脊髄路:バランスの維持。
  • オリーブ脊髄路:運動ニューロンの活動に影響。
  • 赤核脊髄路:伸筋の活動を阻害。

脊髄の白質は、様々なエリアがコミュニケーションをとって、運動及び感覚情報の送信を担っています。

上行性経路

上行性経路は、名前からもわかるように、外的な感覚または内的な刺激によって集められた情報を、より深く処理するための大脳皮質に送ります。上行性経路の多くは、視床に行きつきます。嗅球に直接送られる嗅覚刺激は例外です。

カラフル

この経路は、上行性かつ求心性で、情報をより高次の中心部へ提供します。神経線維の中には、異なる脊髄の部分をつなげる働きを担っているものもあります。 一方、他の線維は脊髄から上部中央へ上行して、脊髄と脳をつなげます。

簡単に言えば、意識へと上行する経路は3つのニューロンから成っています。 上行性経路内にある多くのニューロンは枝分かれして、その他は反射筋肉の活動に影響します。

これらのルートは、身体受容体からの情報を送ります。この情報が送られる方法には、2つの主要な方法があります。

  • 侵害受容経路:痛みと温度の情報。
  • 機械的経路:表面的で深い感触、固有受容感覚、振動。

下行性経路

皮質脊髄路は、下行性経路です。意識的で、素早く、機敏で、洗練された、正確な動きを担っています。これらの動きを行うための情報送信には、3つのニューロンが関わっています。その回路を見てみましょう。

  • ニューロン 1: 前頭前皮質、一次運動野にあるニューロン。
  • ニューロン2:これは常に経路にあるわけではない。介在ニューロンである。
  • ニューロン3:脊髄の前角に位置する。すべての錐体路は、反対側に影響を及ぼす。例えば、右運動皮質にある異常が、左側の体に影響を及ぼすということ。

錐体外路ルートは無意識の動きを担っており、皮質下の構造から脊髄を通過して来ています。これは、無意識の動きを制御しています(歩く時の姿勢、筋肉の緊張、警戒度、とっさの行動)。錐体路系システムとは異なり、大脳皮質からではなく、様々な皮質下の構造から始まります。

下行性経路の重要な機能には、脊髄内の反射回路の制御をもあります。脊髄の適応性は、行動状況に左右されます。状況に適応できるように、強さや拡張度や屈曲を変更する必要があるときもあります。下行性経路は、これらの変動要素をコントロールします。

神経


脊髄の反射

感覚的な刺激情報が脳に到達する前に、無意識に行う動きがあります。これらの反射運動は、痛みの原因から手を引っ込めたり、大きな音を聞いて目を閉じたりするような動きです。人はこれらの動きをコントロールできません。

反射は、神経系の中でも最も単純な回路です。末梢求心性神経線維の中の電気変化のための刺激のエネルギーを変換する受容体から始まります。これによって衝動を介在ニューロンへ突き動かします。情報は遠心性運動ニューロンへ送られ、筋肉が反射反応を起こします。

これは、すべて反射弓のお陰です。このニューロンの体細胞は、後根の神経節に位置しており、介在ニューロンとコミュニケーションをとります。この介在ニューロンは、情報を統合する連想ニューロンです。これが前角の運動ニューロンに送られ、前根を離れて、筋肉を動かすように神経衝動を指示します。


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  • Carlson R. (2014). Fisiología de la conducta. Madrid, España: Pearson educación Tortora G. J., Derrickson B.(2013). Principios de anatomía y fisiología. Buenos Aires: Editorial Médica Panamericana Kandell E.R., Schwartz J.H. y Jessell T.M.(2001). Principios de Neurociencia. Madrid: McGraw-Hill/Interamericana.

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