先入観についての物語「クッキー泥棒」

26 12月, 2019
これは多くの苦しみを経験した女性の話です。彼女は怒りを抱え、怒りに心を支配させてしまいました。そして、非常に暗い光の下で物事を見ています。

これは、世界に対し怒りを覚える女性の先入観の物語です。この女性は孤独を覚え、誰も自分のことを理解してくれないと感じています。人を信頼せず接触を避けているのに、自分が孤独なことへの不満を漏らしていました。

しかしこれまでもずっとそうであったわけではありません。若い頃は恋に落ち、夢に描いたような男性と結婚しました。男の子と女の子をひとりずつ、2人の子どもにも恵まれました。とても幸せだったのです。ところが夫が若くして亡くなった後、彼女は変わりました。笑顔がなくなり、社会から離れ始めます。自分の子どもさえも拒絶するようになってしまったのです。

子どもたちは大きくなるとすぐに家を出ました。母親を心から愛してはいましたが、母親の要求や継続的な批判には耐えられなかったのです。それでも度々母親を訪れ、気分のムラにできるだけ対応しました。

「いい人の言葉は純粋な銀のようで、悪い人の思考にはほとんど価値がない」

-ソロモン-

偏見 クッキー泥棒

 

突然の訪問者

娘は母親に一人で辛い暮らしをしてほしくありませんでした。そこで、彼女は自分の家族と共にひと夏過ごすよう誘います。景色の変化は彼女にとってもいいかもしれません。一度でも、少しの時間でも、人生や人に楽観的になれるかもしれないと考えたのです。

母親は長い間悩んだ後、娘を訪ねることにしました。嫌な母親だとは思われたくなかったのです。そこで、荷物を持って駅に向かいます。しかし嬉しそうではありません。悩んでいるようにも見えます

切符を買い、ベンチに座り、電車を待ちました。2人の駅員が彼女の所にやって来て、電車が遅れているため目的地に到着するまでまだ数時間は必要だと言います。彼女は怒っていましたが、できることは何もありません。その日は暑かったので、彼女は一袋のクッキーと水を買い、電車を待つことにしました

偏見 クッキー泥棒

 

ひとりの仲間

彼女はクッキーと水をバックにしまいました。すると、笑顔を浮かべた若い男性が隣に座りました彼女はひとりで待ちたかったのですが、失礼だとも思われたくなかったため、ベンチに座り続けました

数分が経ちました。突然、隣の男性がクッキーを食べ始めました。自分のバックを見ると、少し開いています。若い男性は食べ続け、彼女は自分のクッキーが食べられていると思い、怒りを覚えます。

若い男性は笑顔です。そして、水を一口飲みました。女性は信じられませんでした。なにせ自分のクッキーと水がとられたのですから!彼は今や恥じることなく、彼女のものを飲み食いしています。そこで男性が水を置くとすぐに、彼女はその水を一口飲みました。男性は笑顔のままです。

 

偏見 クッキー泥棒

 

この先入観の物語から学ぶ

電車が到着するまで、彼女は男性と同じように食べ続けます。男性がクッキーを取ると、挑戦的になり、彼女も取ります。彼が水を飲むと、彼女も飲みます。

数分が経ち、クッキーがひとつだけ残りました。女性は男性をにらみます。男性がそのひとつを食べるほど度胸があるとは思いませんでした。男性は、クッキーを手に取り、2つに割って半分を女性に渡します。彼女は嫌だと思いつつ、頭の中で彼を呪いながら、それを受け取ります。そして、残りの水も、男性は同じようにしました。

そして、電車が到着しました。彼女は立ち上がり、車両に乗り込みます。彼女はとても怒っていました。怒りに圧倒された状態です

そして、バックを開けると、中にはなんと自分で買った一袋のクッキーと水が入っていたのです。窓から外を覗くと、男性は彼女に笑顔を向けていました。

 

  • Villegas, M., & Mallor, P. (2010). Recursos analógicos en psicoterapia (I): metáforas, mitos y cuentos. Revista de psicoterapia, 21(82/83), 6.