神経心理学的リハビリテーション

30 3月, 2020
神経心理学的リハビリテーションを処方するために、医師はその外傷の種類に関連する複数の要因を考慮しなければなりません。さらに、患者の個人としての特徴を評価し、どのように外傷が進行したのかという文脈も把握する必要があります。この記事では、その影響を特定することに焦点を当てていきます。

現在、脳に関連する外傷的体験におけるその有益さから、神経心理学的リハビリテーションは医療機関で脚光を浴びています。私たちが強調しなければならないのは、患者が自主性を持てるようになるためにはリハビリテーションのプロセスが最も重要であるという点です。自主性を持つことで、患者は社会復帰を果たすことができるようになるからです。

神経心理学的リハビリテーションプランを選ぶ際には、あらゆる事柄を考慮しなければなりません。なぜなら、一つ一つの変数が全てセラピーの進展度合いや成果に影響するからです。では、それらの変数とは何なのでしょうか?

神経心理学的リハビリテーション

神経心理学的リハビリテーションに関連する外傷変数

まず、外傷変数というものが存在しており、これらは患者の外傷に直接的に関連する側面を強調しています。中でも、脳の構造や機能への直接的なダメージに関連するものです。

位置

考慮すべきものの一つが、脳の損傷の位置あるいは理由です。特に、脳に悪影響を与える頭部外傷や脳卒中、脳腫瘍、あるいは感染症などが主な原因となっています。

脳卒中には主に二つの種類があります。

  • 虚血性脳卒中。これは脳内の一つ以上の動脈が詰まることで発生します。主な損傷は白質で起こります。

さらに、頭部外傷にも二つのタイプがあります。

  • 一つ目は開放性頭部外傷で、傷害は特定の部位に集中したものとなり得ます。
  • 二つ目が閉鎖性頭部外傷で、傷害は大抵の場合より広範囲になります。

傷害の起源や位置を特定することが、影響を受けている部位と維持されている部位の両方を把握するために重要です。なぜならこれが最も適切な対策を練り、神経心理学的リハビリテーションに必要とされるアクティビティを考えるための土台となる情報だからです。

深刻度

多くの症例で、外傷の強度によってその後もたらされる影響の大きさが変わってきます。そしてその強度を測るための目安の一つが、外傷後健忘症の期間、つまり自身が脳の損傷に苦しんだことやその治療中であることを患者が思い出すまでにかかる時間です。

外傷の強度を測定するためのもう一つの方法が、入院時に行われるグラスゴー・コーマ・スケールを用いた測定で、これは外傷のある患者の眼球や言語反応、そして運動機能反応を介して意識レベルを測定するものです。

損傷のない人物の点数は最高点の15点となりますが、3〜5点しか獲得できない人々はしばしば将来的な自立が困難になってしまいます。

進展にかかる時間

進展にかかる時間とは、患者が改善を見せ始めるまでにかかる時間です。ここでは、外傷を受けてから治療が開始されるまでの期間を考慮しなければなりません。

したがって、迅速に神経心理学的リハビリテーションを開始するのが適切です。短期間で改善が見られた場合、それは脳のダメージがごくわずかだったということを意味します。反対に回復までにかかる時間が長ければ長いほど、損傷がより深刻だということです。

個人的変数

これらの変数は、患者の外傷が起こる前の状態を知るために重要です。なぜなら、神経心理学的リハビリテーションの長期的な目標設定にその情報が役立つからです。医師たちは、外傷を受ける前の患者の機能面の状態や、個人的な特徴について考慮しなくてはなりません。

まず考えなければならない変数が、年齢です。患者が若ければ若いほど回復も早くなります。つまり、神経心理学的リハビリテーションは若い患者ほど迅速に進みます。

念頭に置いておくべきもう一つの変数が、認知的予備力です。なぜならこれは神経保護剤として機能してくれるからです。研究者たちは、高度な教育を受けた人々の方がより多くの神経接続を持っており、その結果、より完全な機能的補償を享受できることを発見しました。したがってこういった患者の場合は症状による制限が少なく、神経心理学的リハビリテーションもより効果的になります。

神経心理学的リハビリテーション

神経心理学的リハビリテーションにおける、文脈的変数

文脈的変数は、脳に損傷を受けた後の患者の環境に関連するものです。また、神経心理学的リハビリテーションプロセスが行われている間、患者がどれくらいサポートを受けられているかも考慮されます。

一つ目の要因が家族で、家族は患者の回復について様々な文脈からの情報を提供してくれます。それに加えて、患者がセラピーの間行なっていることと家庭でやらなければならないことに一貫性を持たせる作業も手伝ってくれる存在です。

患者の親戚たちも、患者が自主性を育て、モチベーションを高めようとしているときのサポート役になってくれます。そしてこれによりリハビリテーションプロセスを日々の活動に変えていくのが容易になります。また、患者の家族の介入はセラピーで達成できたことを日常生活にも反映させる助けとなるので、非常に意義のあるものになり得ます。

リハビリテーションを行うチームもまた変数の一つです。ここでは、彼らがリハビリを行う環境や、プロとしてどう振る舞っているかを考慮しなければなりません。リハビリチームと患者、両方がポジティブな姿勢を持つことで、常により良い予後を迎えることができます。言い換えるとセラピーがより効果的になるということです。

神経心理学的リハビリテーションについての結論

最後に、このリハビリテーションプロセスはプロのチームによって行われなければならないという点に注意しましょう。また、リハビリの成果に影響するような様々な要因が、この期間に重要な役割を果たすという点も頭に入れておく必要があります。

適切な回復プロセスを行うためには、介入提案は患者やその家族、そしてリハビリテーションチームが満足できるようなものでなくてはなりません。それが適切な環境を整えたり、患者のニーズにあったアクティビティを採用したり、日常生活に適切に順応させるための手助けとなります。

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