心配が脳に与える影響

2019年10月15日
ストレス、不安、慢性的な疲労感、エネルギー不足、悲観主義…心配は脳に影響を及ぼします。感情的に限界となり絶え間ない脅威にさらされることになります。

心配が脳に与える影響は、「毒」という言葉で表すことができるでしょう。その心配の多くは根拠がなく、強迫観念となっている場合があります。これらは高レベルの疲労を招きエネルギー、勇気、そしてやる気を喪失させることになります。

心理学的な観点から見ると、心配のしすぎは心配事そのものよりもさらに危険です。それは特に脳に影響を与えます。ほんのささいなことでさえストレスが強まったり、歪んでしまう状態になると、すべてが制御不能になります。悪い決断を下し、感情的な葛藤が強まってしまいます。

例えば、睡眠の質の低さに執着すればするほど、不眠症になりやすくなります。同様に、職場で完璧かつ効率的に仕事をこなさなくてはならないと心配すればするほど、失敗したりします。恋人があなたを愛していないのではと心配しすぎると、相手がプレッシャーを感じ、不快に感じる状況を作り出してしまいます。

このように、心配という形で心に加わる圧力が大きくなるほど、脳に悪影響を及ぼします。記憶力が低下し、より疲れを感じるでしょう。過度の心配における悪影響は生物学ストレスに起因していると言われています。今回はその仕組みについてご紹介します。

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心配が脳に及ぼす影響

心配 脳 影響

心配が脳に与える影響は、あなたが考えるよりもはるかに大きいものです。ニューヨーク大学の神経科学者ジョセフ・ルドゥも、影響の強さを語っています。主に、人々は物事を健全に心配する方法を知らないからだと言います。パニックに陥り、すべてを破壊してしまう傾向にあるのです。

しかし、これは責任の少なくとも一部から私たちを遠ざけるために起こると述べています。私たちの脳は、最初に心配し、後で考えるようにプログラムされています。つまり、感情システム、特に脳の扁桃体が脅威を最初に検出し、それによって感情を活性化しているのです。

時に、ドーパミンなどの神経伝達物質が放出され、不安と緊張を引き起こします。その後、大脳辺縁系が大脳皮質を刺激して、より高い精神構造を伝達します。この目的は何でしょうか?それは、コントロールを促しているのです。また、恐怖や警戒の感覚を調整する論理的推論を活用しています。

ルドゥ博士によると、人間は論理的思考より感情が勝った生き物です。心配は、悩みや不安を助長するだけです。このように心配が脳に与える影響は非常に大きく、次のような症状がみられます。:

過度の心配によってひき起こされる心理的苦痛

心配 脳 影響

「心理的痛み」とはどういう意味でしょうか?肉体的な痛みとは違うのでしょうか? 心理的痛みはとりわけ苦痛、疲労、否定性、落胆を指します。

絶え間なく続く心配に支配された不安な脳は、扁桃体に支配されています。それは本当には存在していない危険があるように見せるのです。そしてあなたが感じるもの全てが脅威になります。すべてに不信感を抱き、すべてに恐怖を抱きます。過剰刺激は大脳皮質に影響を与え、活動を低下させます。そして、すべてを混乱と不均衡として認識し始めます。

同様に、扁桃体は、前帯状皮質などさまざまな領域の脳痛が活性化させるので、不快感がより強まっていきます。

「自分が抱えてきた心配を振り返ると、死の間際にある老人が言った言葉を思い出す。彼は多くの心配事を抱えていたが、そのほとんどは起きなかったと言っていた。」

-ウィンストン・チャーチル-

認知プロセスの不具合

「認知プロセスの不具合」とはどういう意味でしょうか?心配を数週間または数か月にわたり続けた状態にあると、脳に激しく影響し以下のような特徴を持つ症状が現れる恐れがあります。

  • 記憶障害
  • 集中力の欠如
  • 意思決定障害
  • メッセージ、テキストなどの理解に関する問題

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うまく心配と付き合う方法

心配することをやめる必要はありません。上手に心配する方法を学ぶことの方が重要です。さもないと、ケンブリッジ大学でアーネスト・ポーレス博士によって行われた研究にあるように、全般性不安障害を発症する危険性があります。

心配についてより深く学ぶために、心理学者のアルバート・エリスのアドバイスを覚えておきましょう。 :

  • 不合理な考えを分析します。 信じられないかもしれませんが、心配の約80%は非論理的です。
  • あなたの感情について話してください。 それが何なのかしっかり分析し、明らかにします。 仕事に不満を感じていために、仕事について過度に心配している可能性があります。
  • 気分に左右されて決定を下さないでください。 行動する前に、あなたの考えを冷静かつ合理的に評価してください。 感情は重要ですが、意図的かつ集中的な推論と組み合わされると、より不安な感情をコントロールすることができるでしょう。

今回ご紹介したように、心配が脳に与える影響を知ることで、より前向きになることができます。 痛みを伴う負のサイクルに陥ることを避け、健康的で合理的なアプローチを利用してください。 自分で解決できない場合は、専門家に相談するのがよいでしょう。

  • Cryan, J. F., & Kaupmann, K. (2005, January). Don’t worry “B” happy!: A role for GABA B receptors in anxiety and depression. Trends in Pharmacological Sciences. https://doi.org/10.1016/j.tips.2004.11.004
  • Paulesu, E., Sambugaro, E., Torti, T., Danelli, L., Ferri, F., Scialfa, G., … Sassaroli, S. (2010). Neural correlates of worry in generalized anxiety disorder and in normal controls: A functional MRI study. Psychological Medicine40(1), 117–124. https://doi.org/10.1017/S0033291709005649