心理学による独裁者の7つの特徴とは

2018年8月21日 in 心理学 0 シェア済み
影が長い男の人

独裁主義者は私たちの生活の中に長く恐ろしい影を落としています。家族の中でも、職場や政治の中でもその人達が権力を乱用する姿を見てあなたも気が付くと思います。また、彼らの心の中にある偏見や支配願望、皮肉さ、二面性や狭量さが分かるでしょう。

第二次世界大戦とホロコーストが起きた直後に独裁者の人格に関する研究が始まりました。どのようにして人種差別や偏見、独裁主義が当時世界にはびこることが出来たのか、学術界でも疑問に思うほど現実とは切り離された奇異な時代だったのです。

科学、心理学そして哲学の分野での有名な活動家の一人としてテオドール・アドルノが挙げられます。エーリヒ・フロムの理論や反ユダヤ主義思想の徹底分析、当時の反民主主義運動を基盤とし、独裁主義者の人格を厳密に定義し、心理分析や心理社会的な枠組みの中に組み込んだ「バークレースタディ」を創設した人です。

しかし今は当時とは状況も時代も明らかに違うため、アドルノの前提を時代錯誤だという人もいます。しかし依然として、独裁主義者や権力への渇望は常に存在するのです。明るみに出ない家族内と同じくらいに政治の世界でも現実に起きていることなのです。

結局のところ、独裁主義者の人格や抑えきれない支配欲は人への感染症のようなものなのです。良くあることなので認識できないというのが心理学の見方です。それらを述べている主な特徴を以下に紹介していきます。

「プライドというものは、ほんのわずかな力しか持っていないと気づかされた愚かな人間の障害である」

– ホセ・デ・サン・マルティン –

1.ある価値や習慣、理想への強い忠誠

独裁主義者は5歳児が持つような単純さと頑迷さで世の中を分類しています。物事を白黒はっきり区別を付け、同じ概念や価値、意見を持っている人は味方だと見ます。しかし反対に、異なる意見を持つ人は敵とみなしているのです。

そして独裁主義者はたいてい「良い人とは」、「良き父親とは」、「良き息子とは」また「良き母親とは」などとその姿を厳密に定義しています。彼らの政治的傾向や宗教、応援しているスポーツチームでさえ、実質的に神聖化され近寄ることはできないのです。

影絵

2.独裁主義者がもつ自民族中心主義

自分が属しているものが一番。もっと言えば自分の国、文化、言語が一番すばらしいだけでなく唯一考慮されるべきものであって許容可能なものなのです。この考え方と物の見方は差別的、攻撃的行動に結びつきます。異なるもの全てを拒絶するような危険な偏見なのです。言い換えれば独裁主義者は彼らの考え方、それが狭い視野であってもそれに従わないものは全て見下しているのです。

3.恐れの文化

ドナルド・トランプの大統領選挙も含め、数え切れないほど自民族中心主義を示す事例が挙げられます。メキシコの前大統領であったビセンテ・フォックスは、選挙戦中にドナルド・トランプが象徴するものを正確に述べました。それは、彼が恐怖に基づく力を行使する独裁主義者の人格を持っているということです。

アメリカ合衆国の外から来た人は全て「脅威」であると考えます。よって「他者」を拒絶し、恐れを助長することが必要なのです。アメリカで勝利を収めただけでなく、その他多くの状況でも起きています。一人の人間が恐怖心を助長し、支配するための脅威や劇的な状況を容易に作ることができる家庭内や人間関係が特に挙げられます。

4.やり遂げた結果は常に他人より良いものである

あなたが得意なこと、学んできたことや好きなことなど重要ではないのです。なぜならば独裁主義者というものは常にあなたより上に立ちたがるからです。

もしあなたが多くの資格を持っていたとしても、彼らはあなたに人生経験が欠けていると言うでしょう。もちろん彼らにも足りていないものではあってもです。もしあなたが仕事においても有能で十分な技術を持っていたとしても、独裁主義者にとって誰かが成功するということは許容できないため、あなたが担当していることはあなたの能力に合ったものではないと言い邪魔しようとするでしょう。もちろん彼ら自身の成功は除いてですが。

チェス駒になっている男の人

5.攻撃的なリーダーシップ

独裁主義者は指揮する立場にいたがることは周知の事実でしょう。しかし彼らのリーダーシップは平等なものではありません。多くの人が持っている調和や信頼、協調を育てるもの、つまり幸福感や生産力である感情的知性を持って物事を進めることはありません。まったく逆なのです。

独裁主義の指導者は攻撃的であり共感性に欠けていて自分の欲望のみ考え、思い通りにいかないことに我慢が出来ません。他者が必要としていることなど気づくことはできないのです。さらに自分以外の人は弱者と見ているため、それらの人に対抗するような態度をよくとります。

6.偏見と偏屈な考え

宇宙を二分するよりも偏見を打ち砕く方が難しいとも言われます。残念ながらそれは確かであり、独裁主義者の特徴でもあるのです。彼らの考え方というのは考えられないほど狭いものなのです。彼らの考えではない他者の意見など入り込む隙間は一ミリともないのです。彼らが考えていること以外に「真実」となりえることなど何もないのです。

偏見や偏屈な考えはこの社会を終焉させてしまいます。言い換えればコミュニティーや真の相互尊重の望みを脆弱にしていくのです。

叫び

7.単純な根拠

独裁主義者は夢の国に住んでいると言えます。一見彼らは印象強く恐れ多く見えます。たいていの場合見かけを良くしようとしてはいますがその土台は脆弱です。彼らの言葉を聞いただけで、目的や確固たる根拠がない単純な心の内が分かるでしょう。

彼らにとっての当たり前の真実を通すにも、彼らの世界には限界があります。時としてある議論を持ちかけるだけで彼らの単純なイデオロギーは崩壊するのです。

大きな問題として立ちはだかるのは単純な根拠の裏に隠れた敵意なのです。そのため脅かされたり劣位の立場に追いやられたと感じた時、その態度はひどいものとなるでしょう。

結果としてこのような特徴を持つ人をどのように扱えばよいか分かっている必要があります。自分を守りたいのであれば、距離を置くというのが最善の策でしょう。また私たちもこの社会に広めないために彼らを見分ける方法も学んでいかなければいけません。

参考文献

Adorno, TW (1950). The authoritarian personality. New York: Harper.

Martin, JL (2001). The authoritarian personality, 50 years later: What questions are there for political psychology? Political psychology 22 (1), 1-26.

Altemeyer, B. (1988). Enemies of freedom: Understanding right-wing authoritarianism. San Francisco: Jossey-Bass.

Dean, J. (2006). Conservatives without conscience. New York: Viking Press.

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