心理学の父、ヴィルヘルム・ヴントの10の言葉

30 6月, 2019
ヴントは精神を、動的で、クリエイティブで、自立した力だと見なしていました。精神の部分を特定したり固まった構造からだけでは、精神を理解することは不可能だと考えていたのです。

ヴィルヘルム・ヴントはこれまでで最も重要で有名な心理学者の一人だと考えられており、「心理学の父」とさえ呼ばれています。彼の考え方を、10の言葉とともにまとめてみました。

 

ヴィルヘルム・ヴントはドイツ人で、プロテスタントの家族出身の医者であり、心理学者、そして哲学者でもあった人物です。チューリッヒ大学と、後にはライプツィヒ大学の教授を務め、200以上の博士論文を監督しました。彼はまた500以上の作品を出版しています。その中で有名なものは、「生理学的心理学綱要(1874)」と、10巻から成る「民族心理学(1900~1920)」があります。

心理学の父、ヴィルヘルム・ヴントの10の言葉

ヴィルヘルム・ヴント:心理学と生理学の融合

23歳で、彼は薬学の博士号を首席で卒業しました。その2年後、生理学者のミュラーと共に研究して2つ目の博士号をとりました。ヴントは哲学と生理学を合わせ、心理学へと導いたパイオニアだったのです。彼は身体と精神の境界について、それぞれの理念の扱っていることを使って研究しました。

「生理学心理学の感覚や感情への立場は、物理的要素として考えられるため、自然と心理学一般のそれになるのである。」

生理学は私たちが感覚を通して認知できるものについての情報を与えてくれました。一方で、心理学は私たちの内側を覗くのに役立ちました。彼のこれら二つの理念のコンセプトが、生理学心理学の始まりだったのです。

「生理学心理学の課題は、感覚の探索の中の考えの分析と同じところにとどまっている。つまり、生理学と心理学という隣り合う科学の間の仲裁人として働くのだ。」

研究の目的:意識

彼は当時心理学のまわりに漂っていた哲学的疑問を覆そうとしました。つまり、デカルトやロックが言ったように、それを考えという世界として見るのをやめるということです。そうではなくて、それは自然科学として見ることができるとしたのです。

「心理学は精神とそれを統制する法則について研究する。」

ここでは、ヴィルヘルム・ヴントは彼が研究していたものの主な目標と限界について明確にしています。大切なのは、測ることができるものと精神構造について研究することだったのです。

「私たちの精神はとても恵まれてできており、この精密な作業についてほとんど知識を持たずして私たちの思考の最も重要な基盤になっている。その結果だけが無意識になるのだ。」

彼の構造主義者や内省的心理学は意識のある精神を観察することに焦点を当てています。それは外部の行動から重要性を奪っています。ですので、ヴィルヘルム・ヴントにとっては、私たちの精神で何が起こっているかを見るのに一番いい方法は、実験的な自己観察だったのです。

「精神の特徴的な性質は、主観的なものである。つまり私たちはそれを自分自身の意識の中からしか知らない。」

心理学の父、ヴィルヘルム・ヴントの10の言葉

常に動き続けるものの中の思考

ヴントは精神を、動的で、クリエイティブで、自立した力だと見なしていました。精神の部分を特定したり固まった構造からだけでは、精神を理解することは不可能だと考えていたのです。

「思考とは比較的コンスタントなものでさえなければ、気持ちや感情、または意思の過程でもない。あるのは変化しているつかの間の観念的な過程だけだ。消えたり返って来たりする永遠の思考はないのである。」

そうではなく、これはその動き方を見ることで私たちが理解しなければなないものなのです。

「私たちは美徳、名誉、理由について話す。しかし、私たちの思考はこれらの概念を実態に解釈することはないのだ。」

民族心理学

ヴィルヘルム・ヴントは、心理学に関しては純粋に「自然な」焦点では十分ではないということを認識していました。ですので、彼の(個人的、分析的、実験的)生理学心理学は何か他の物が必要だと考えたのです。それが民族心理学、あるいは文化人類学として知られているものなのです。

「民族心理学の結果は同時に、複雑な精神的プロセスの一般的な心理学についての情報の主な源である。」

民族心理学は集合的な人生(言語、慣習、神話など)の生産物を研究します。そこから、これらの生産物が私たちの精神の中でより高い動きをしているかどうかを教えてくれるかもしれません。

ヴィルヘルム・ヴントは実験的心理学は私たちの精神の表面にしかとどまっていないと考えました。一方民族心理学は、さらに奥深くにあります。彼は民族の歴史を、人間の心理や異なる文化を理解する方法として見ていたのです。彼は以下のようにまとめています:

「一方、複雑な精神プロセスの発展的形式が問題にになっている場合、民族心理学は個人の心理学の支えと共に必ずやってくる。」

ヴィルヘルム・ヴントと民族心理学

心理学の科学的段階の先駆者

彼の最も偉大な功績は、1879年、ライプツィヒ(ドイツ)に最初の実験心理学の研究室を作ったことです。この研究室のおかげで、心理学はアカデミックな専門分野としての地位を得始めたのです。それはまた、社会的そして制度上のサポートをより得られるようになったということでもありました。

これは心理学の中では画期的なことでした。そこから心理学の科学的段階が始まったのです。しかし、彼は他の心理学の分野を過小評価していたという点ではとても間違っていました。結局、それらもヴントが感化されたものと同じくらい重要だったからです。しかし彼はこう言っています:

「 対応する個体発生論や系統発生論のの心理学的問題に対処する科学と比べると、児童心理学や動物心理学は比較的重要性が低い。」

心理学の歴史の中で、ヴィルヘルム・ヴントと同じくらい重要な人物はあまりいません。このドイツ人研究者は、科学的な心理学の基礎を作り、実践的かつ証拠に基づいた方法で精神のプロセスを研究するという問題に初めて取り組んだ人でもあるのです。

Asthana, H. S. (2015). Wilhelm wundt. Psychological Studies. https://doi.org/10.1007/s12646-014-0295-1

Blumenthal, A. L. (1988). A reappraisal of Wilhelm Wundt. In A history of psychology: Original sources and contemporary research. https://doi.org/10.1037/0003-066X.30.11.1081