心理療法士:あなたの考えや気持ちを解釈するお手伝い
心理療法士は人の行動を研究します。人の考えや感情を解釈し、抱えている問題を理解する手助けをしてくれます。患者が伝えたいことの重要性と意味に耳を傾けます。
フランスの精神分析学者ヤカス・ラカンは無意識は言語の構造をしているという考察を出しました。望みや恐怖、感情を置いておく場所が無意識です。心理療法士こそが、患者の無意識の部分を意識させる方法を知っているという学派もあります。どういうことでしょうか…
「それを受け入れたとき、変わることが可能になる。」
-カール・ユング-
心理療法士が人の考えや感情を解釈するテクニック
心理療法士は、患者の考えや感情を解釈するテクニックをもっています。患者が理解しやすいように、それを言葉にすることができます。その特別なテクニックをいくつか紹介します:
- 共感。自分を誰かに置き換える技術です。心理療法士は患者の立場に立ち、その問題がどうして、どのように起こっているのか理解しやすくします。
- コミュニケーション。オーストリアの心理学者ポール・ワタウィックは、コミュニケーションこそが人間関係の基礎であると主張します。コミュニケーションをとり、心理療法士は患者が何を考え、思っているか解釈します。
- 聴き方。重要なことを逃さないよう、患者が言うことに気を配ります。
- 自己認識。心理療法士は患者の問題と自分のとを別のものとします。そうしなければ、コミュニケーションの質を落とすことになりかねません。
言葉でない言葉
ジェスチャー、表現、声のトーン、立ち居振る舞いに、今どんな状態かが表れます。無意識の気持ちが情報となって出ています。それに気付けば、わざわざ言葉にすることはありません。
声のトーンも大きなヒントです。例えば、話す内容によって声のトーンが変わるか?間が空くか?黙っているか?息が浅くなっていないか?話すスピードが速くなったり遅くなったりしていないか?声の大きさはどのくらいか?
上記は、心理士が全体像を理解するのに重要なものです。患者の考えや現実の表現、気持ちのヒントになっています。
心理療法士が使うテクニック
心理士が最も頻繁に使うテクニックリスト:
- 認知テクニック。アメリカの心理学者アーロン・ベックは考えと気持ちには関係があると主張しました。考えと気持ちを再構築することができると言います。心理士はそれを手伝います。
- 絵を描く、色を塗る。絵を描いたり、色を塗ることで、無意識の部分が見えてきます。心理療法士は、言葉で表せない患者の考えや思いを表現するのを手助けします。
- 話を通して。人が話しているとき、専門家はその人の考えや気持ちを認識します。
- 行動から。セラピーを行っている間、患者を観察します。また、セラピー以外の時の行動についても、患者に表現させます。例えば、攻撃性、関心の強さ、モチベーション、活気などです。
- 言葉でない言葉。心理療法士は、患者が言葉を使わない部分で自分をどう表現するかに注目し、患者の考えや気持ちを理解します。話の内容を聴きつつ、問題の核心を逃すことはできません。ジェスチャーや表情、立ち居振舞いにも気を配ります。
- 無意識の部分に光を当てる。無意識の存在を認める心理士の多くが、それは様々な形で表れると言います。芸術や、スピーチのミス、忘れっぽさなどです。心理療法士はそれらに注目し、患者に伝えます。(実際、意味があれば)患者自身が意味を見出します。
- 心理劇。ヤコブ・レヴィ・モレノのテクニックで、患者が、今起きていることを再現します。そして、患者の動きを解説し、表された無意識の部分を理解する手伝いを心理学者がします。
心理療法士は鏡のように働くことが多々あります。患者の表現を映し、患者が解釈しやすくします。話や考えの構造の手助けもします。患者に自由に話させ、時には松葉杖のように支え、その過程をサポートするのです。