小児うつ病とその効果的な処置

2020年2月8日
悲しくも、小児うつ病は現実問題です。この記事では最も効果が期待できる心理的治療を紹介します。

大人が鬱に悩まされるように、多くの子どもも小児うつ病に悩まされています。そこで、同じような症状をもつ、他の行動障害ときちんと区別して診断することがとても重要です。

幼少期の鬱症状は、悲しみではなく、苛立ちとして現れることがほとんどです。また、うつ状態の子どものほとんどが睡眠に問題を抱えています。小児うつ病は性別に関わらず症状が現れますが、青年期に変化が現れ、主に女性に影響が出て、成人まで残ることがあります。

小児うつ病の原因は様々で、遺伝子や遺伝によるものや、不適切な環境などがあります。

両親のどちらか片方が鬱に悩まされたことがある場合、その子どもは人生のある時期に、同じような症状を発症する確率が高いとされています。学校や、課外活動、または命令的や矛盾している指示などが要因となる場合もあります。

今回は、現時点で小児うつ病の治療に効果があるとされている、心理的な治療法を紹介します。幼少時の患者は、成人患者よりも、心理療法から効果を得ることができるとされています。

「小児うつ病は、都市の中心部でより多いとされていて、深刻な社会性の欠如、いじめ、家庭内暴力、戦争経験、または飢餓などと深い関わりがある。」

-ロバート・ウィンストン-

小児うつ病の治療法

小児うつ病 治療法

薬物療法の分野では、薬理学、心理療法共に成人の鬱治療に効果があるとされており、共に最初に考慮されるべき治療法だとされています。一方で小児・青年うつ病の場合、実績があるのは心理療法のみとされています。

スタークの自制療法

これは、鬱とは自己観察、自己査定、また不測の事態に対する自己管理の過程における、何らかの支障からなるものであるとしたレムモデルを基本としたものです。ここでの目的は、患者が楽しいと感じる活動を記録し、感情を観察し、直ちに得られる結果ではなく、のちに起こる影響に着目するというものです。その中で子どもに自分の成果を続けて達成すること、また現実的に判断することを教えることが大切です。

カーンの小児、青年期うつ病に対する自己モデル化プログラム

これは小児うつ病患者の正常な状態の行動を録画することからはじまります。そして、その中から明らかなものもそうでないものも含めて鬱状態とはかけ離れた行動を選び出します。そして、患者にその行動を行わせ、その様子を録画します。その後録画されたビデオを見ることで、ポジティブな行動をとり始めることができます。

ロスバウムの一次、二次制御強化トレーニング

これは、二つの制御過程を基本とした認知行動療法の一つです。

  • 一次:これは子どもの生活の客観的状態を修正する目的があります。
  • 二次:これは考えなどの主観的な変化です。楽しくなる行動、自己制御、認知再構築、そして徐々に起こるリラックス状態などです。

メンデスのプログラム:感情、行動、習慣

これには、以下の3つの要素があります。

  • 感情の教育
  • 楽しい活動
  • 認知再構築 です。

個人の機能の分析によっては、睡眠の質や問題解決力などの要素が手順に加わることもあります。これは、カードゲームや「感情についてのお芝居」などのゲームを通して、グループで行われます。親の参加も大切です。専門家やセラピスト、または患者のふりをしてみることもできます。これは薬を使用することなく行える治療法の一つです。

レウィソンの鬱の対処法コース

これは10代の若者向けの治療法で、10人の若者が一つのグループになり行い、参加者がお互いを助け合うこともできます。目標はポジティブな考えを強化し、消極性や邪魔な考えを、前向きな考えで置き換えるスキルをみにつけることです。それには、自己制御、社会的スキル、楽しい活動、リラックス、認知再構築、問題解決、コミュニケーション、成果の維持、親の介入などが関わってきます。

ブレントの若者に対する認知行動療法

これはベックスタイルの認知療法で、発達期にある患者が社会的スキル、コミュニケーションスキルを学びます。感情の教育も重要で、「感情の温度計」を使用します。問題解決の要素も組み込まれています。

まとめ

小児うつ病 治療法

小児うつ病を予防することはとても重要です。そのためには、親の教育と共に、子どもにとって安全できちんとした限度を確立することが重要な一歩です。

同じように、ポジティブな雰囲気がある環境が子どもの鬱の進行を防ぐことができます。ですから、子供にとって、一人でまたは友達と遊ぶ時間がどれだけ重要なのかを、親が理解することが欠かせません

行動などの修正は、子供のスピードの合わせて行い、決して厳しいものであってはいけません。体罰などはたとえ度合いが低くてもどんな場合でも絶対に行ってはいけません。

子どもにうつ病の気配があるのなら、認知行動療法をまず試してみるのがよいでしょう。

10代の若者に対しては、認知行動療法と対人のセラピーを両方試してみても良いでしょう。どちらの治療も、何も介入がなかったり、偽薬などよりも効果があるとする実験結果があります。

  • American Psychiatric Association (APA) (2014): Manual de Diagnóstico y Estadísitico de los Trastornos Mentales, DSM5. Editorial Médica Panamericana. Madrid.
  • Comeche, M y Vallejo, P, M (2016). Manual de Terapia de Conducta en la infancia. 3º edición. Editorial: Dykinson-Psicología