SNS上で自分をよく見せたいという欲求

06 2月, 2020
SNS上で自分をよく見せたいという欲求は、社会的賛同を得たいという、人間の生まれ持った感情から促されるものです。他人に受け入れられ、自分の意見を認められたいと感じるためです。

SNS上で自分をよく見せたいという欲求は、近年増加傾向にあります。しかし、本当の自分はソーシャル・メディアのプロフィール上の自分のように、幸せなのでしょうか?これは、SNS上で作り上げられた、日々更新する「幸せ」のコンセプトによって、生み出される問いです。

ソーシャル・ネットワークのページをみてみると、知り合いが世界中を旅行しているといった写真が目に入るでしょう。または、何年も話していない友達が急に恋人と写っている写真を目にするかもしれません。

ペンシルベニア大学が行ったSNSについての研究によると、人は平均で1週間で37時間もの時間をウェブ上で過ごすそうです。これは実に日々の時間の22%にも及びます。

この研究で、個人の社会的生活がインターネット上のソーシャルネットワークと大きな関わり合いがあることがわかりました。またこういったインターネット上のアプリを通してメッセージのやりとりをするのも、珍しいことではなくなりました

要するに、私たちのほとんどがインターネット上のSNSで繋がっていて、それが生活の一部になっているということです。同じように、セルフィーを撮ることも生活の一部になってきていると言ってもいいでしょう。そこで「ソーシャルネットワークを通して、現実の何を発信したいのか?」といった質問を自身に問いかけてみるとよいでしょう。

ソーシャルネットワークでみせかけの自分を作り出すこと、そして社会からの承認に対する欲求

SNS 欲求

現実がそうでなくても、幸せな姿を繕ってみんなにその幸せな姿を信じてもらいたいという欲求は、多くの人が持っています。

多数の調査によると、他人を喜ばせるために自分を繕うという欲求が存在し、他人に受け入れてもらいポジティブな反応を得ることで満足する人も多くいるようです。セルフィーをアップロードした時に得る幸福感などはその例です。いいねの数が増えたり褒められたりすると、気持ちが高ぶりますよね。褒められるのを嫌う人などほとんどいないことでしょう。

しかし、ここでのべる「みせかけの自分」とはどういうことでしょうか?オックスフォード現代英英辞典によると、「見せかけの姿勢/自分」とは、自然でない、または誠実でない姿勢や行動で注意を引いたり、何らかの影響を与えるものであり、特にソーシャルネットワーク上のそのようなものを指すとされています。

心理学者であり世界睡眠術協会の一員である、ホセ・エリアスは、この見せかけの自分のコンセプトを「良い印象を与えるための特定の習慣、行動、姿勢の順応であり、自分が幸せであることを証明するため、本当は幸せでない場合でも、ポジティブなイメージを生み出すことである」としています。

言い換えると見せかけの自分とは、本来の姿でないかもしれないイメージを提示することにより得られる、社会的な承認への欲求であるとうことです

「幸福の広がり」の効果

カリフォルニア大学の研究によると、人のムードはSNS上で目にする投稿に左右され、影響を受けるということがわかりました。これは「幸せの広がり」を目的とした写真が投稿されているということです。この研究によると、他人の喜びや健康な姿は、自分自身もそのようになりたいと思わせる働きがあるようです。ですから、同じような内容の投稿をして、自分でも「幸せの広がり」効果を巻き起こそうとするのでしょう。

このように、SNS上での「幸せ」の表現は森林火災のように広がっていきます。そして「幸せ」なメッセージや写真の終わりのない波に乗るために、SNS上の存在自体を欲するようになるのです。

見せかけの自分に対する欲求・投稿は真実なのか?

SNS 欲求

心理学者ヨランダ・ペレスは、「投稿には色々なものがある。真実を投稿する人もいれば、全くの嘘を投稿する人もいるし、すこしだけ本当の姿を投稿する人もいる」と言います。また、「かっこよくて幸せな瞬間だけを投稿しているわけで、本当の生活のほんの一部しか見せていない。1日24時間、幸せで笑顔でいることなんて不可能だ。」とも述べています。

SNSで映し出す私たちの現実は、完全なものではありません。四六時中幸せでいる人など存在しません。人生にはポジティブ、またネガティブ両方の感情で溢れており、後者を無視すると自分を追い込んでしまいます。

まとめると、SNS上で目にする投稿のほとんどは、現実を映し出したものではありません。これまでに書いたように、ソーシャルネットワーク上の姿はあくまでも相対的なものです。24時間ずっと幸せな人が存在するというような、間違った考えに陥ってはいけません。誰しも、悲しみ、怒りを感じるということを覚えておきましょう。

うまくいかない日があるのも人生の一部であり、それがあるからこそ何かいいことがあったときにはその価値を感じ余計に感謝できるのです。完璧な人生などありません。自分ではない人になりすましたいという欲求にとらわれないようにしましょう

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  • Caldevilla Domínguez, D. (2010). Las Redes Sociales. sociedad digital actual. Las Redes Sociales . Sociedad Digital Actual33(1), 45–68. https://doi.org/-