スタニスラフ・グロフ:その人生と功績

2019年8月21日
スタニスラフ・グロフは、トランスパーソナル心理学の先駆者の一人です。この記事で、彼の人生や研究について詳しくご紹介します!

スタニスラフ・グロフは心理学の世界でも最も影響力のある人物の一人です。彼は、変質した自意識についての興味深い研究や、ホロトロピック・ブレスワークでその名を轟かせました。また、彼は最近の心理学会でも最大のトレンドの一つである、トランスパーソナル心理学の創立者の一人でもあります。

スタニスラフ・グロフは1931年にチェコのプラハで生まれ、医学と精神医学を学びました。また、彼は七年間に渡ってフロイト式精神分析を学習しました。スタニスラフは、研究と臨床で50年間もの経験を積みました。驚くべき長さですよね。

この記事では、サイケデリックなドラッグを通して頭脳について研究した人物について紹介し、彼の心理学への大いなる貢献について概要をお話ししたいと思います。

“西洋科学は、前例のないほど大きなパラダイムシフトに向けてアプローチしている、それは現実や人間の本質といった概念を変えてしまうようなものであり、古代の知恵と現代の科学の橋渡しをするものであり、東洋のスピリチュアリティと西洋のプラグマティズムを結びつけるようなものである”

-スタニスラフ・グロフ-

スタニスラフ・グロフとトランスパーソナル心理学

トランスパーソナル心理学という用語は、1969年に作られましたそこにグロフも関わっています。彼は、ジャメル・ファディアム・マイルス・ビッチや、ソーニャ・マルギレス、そしてアンソニー・スティッチといった研究者たちとともに活動しました。また、彼はアブラハム・マズローやケン・ウィルバーなどとも研究を行いました。1978年に、グロフはトランスパーソナル心理学会を創立します。

グロフは心理学のその他の分野が、スピリチュアリティに十分着目していない、と考えていました。だからこそ、彼は患者に重きを置いた研究を通して人間の脳をより深く理解することができると考えたのです。こうして、彼はスピリチュアリティが我々のプシュケーの正当な一部であることを証明しました。

彼の臨床診療、そしてトランスパーソナル心理学に関する研究、また、その他の研究者たちの貢献により、心理学は現在さらに幅広いものとなっています。

スタニスラフ・グロフ 人生 功績

スタニスラフ・グロフとサイケデリックなドラッグ

グロフはプラハ・カレル大学第一医学部でのLSDの研究に志願します。これが、彼にとってLSDの初体験となりました。その後、彼はあらゆる種類の化学物質について調べ、その脳への影響について研究しました。他の研究者たちとともに、彼はシロシビン、LSD、そしてメスカリンについて、40人の人々を被験者として研究しました。

彼らは多数の心理実験や身体的なテストを行い、これらの物質がどのような特定の効果を生むのか、あるいは同時に摂取した際には同様の状態を作り出すのかを調べました。グロフの言葉を借りれば、彼らもまた、これがいわゆる”実験的な精神病”、つまり実際の精神病の謎を解明するのに役立つ状態を引き起こすのかどうかを確かめたかったそうです。

グロフは、プラハおよび米国で、20年間に渡ってサイケデリックドラッグを用いた心理療法を続けました。しかし、染色体への悪影響を懸念して研究が禁止されるようになると、彼はエサレン研究所で働き始めます。この間、彼は一冊目の本を執筆しました。

ホロトロピック・ブレスワーク

エサレン研究所で働き始めると、彼はクリスティナ・グロフとともにホロトロピック・ブレスワークという概念を打ち出しまし。この技術は、サイケデリックドラッグが生み出すのと似たような状態を作り出すことができる呼吸法です。

“ホロトロピック”という言葉は、ギリシャ語の”holos”(全体)という言葉と、”trep”(ターンする)という言葉が元となっています。つまり、ホロトロピックとは全体に向けて動く、ターンする、という意味があるのです。これは一種の自己探求であり、自意識を自己に集中させるものです。また、ここには様々なスピリチュアルな伝統が含まれています。

トランスパーソナル心理学によれば、ネガティブな症状やメンタルブロックは、物事を忘れたり抑圧したりする結果引き起こされるものだそうです。この理論では、自意識を拡大した状態、あるいはホロトロピックな状態に入ることで、こういった物事に到達できる、という考え方をします。

ホロトロピックセッションには、自意識のあらゆる状態が含まれており、時には産まれた瞬間に立ち返ったり、それよりも前の時代へ立ち返ることもあるほどです。

スタニスラフ・グロフ 人生 功績

グロフの著書

グロフは、160以上の本や記事を出版しました。ここではその中から最も興味深いものをいくつか紹介します:

  • 『魂の危機を超えて−自己発見と癒しの道』これは、自己啓発書です。この中で、グロフはいくつかの文化圏では精神病と扱われてしまうような意識の状態について説明しています。これは、複雑な精神状態が良いものにもなり得るのだという素晴らしい例と言えるでしょう。
  • 『The Holotropic Mind: The Three Levels of human Consciousness and How They Shape Our Lives』この本では、グロフはトランスパーソナル心理療法での自信の経験について説明しています。また、過去の経験や神秘的な経験、死、そして生まれ変わりがどう関連しているのかについても示しています。
  • 『LSD Psychotherapy』この本が、グロフを一躍有名にしました。基本的には、心理療法の中でどのようにLSDを用いるのか、という指南書となっています。
  • 『When the Impossible Happens: Adventures in Non-Ordinary Realities』これはグロフの、内的世界を探索する者としての自伝と言えます。
  • 『脳を超えて』この本では、グロフはトランスパーソナル心理学の基本的な考え方や恩恵についてが書かれています。彼は、精神医学の他の分野の診療モデルへの疑問も呈しています。

スタニスラフ・グロフは現在、サンフランシスコにあるカリフォルニア統合学研究所(CIIS)で教授として勤めています。彼は2016年にブリジット・グロフと結婚し、ホロトロピック・ブレスワークを世界中に広めようとセミナーやワークショップをしながら各国を旅しています。

  • Grof, S. (2002). Breve historia de la psicología transpersonal. Journal of transpersonal research, 2(2), 125-136.
  • Grof, S. (1994). Psicología transpersonal: nacimiento, muerte y trascendencia en psicoterapia. Editorial Kairós.
  • Puente, I. (2014). “Entrevista a Stanislav Grof: Psicología y Respiración Holotópica”. Recuperado de: http:/www.stanislavgrof.com, 20 (10).