ストレスの様々な種類と効果的な治療法について

世の中には時々しかストレスを感じない人もいれば、常にストレスに悩まされている人もいます。ストレスの種類を知っておくことで、より効果的な治療戦略を生み出すことが可能になりますよ。

最後の更新: 07 2月, 2021

筋肉の痛み、不眠、片頭痛、集中力散漫…。ストレスには色々な種類があり、身体への影響の現れ方も様々です。各タイプについて知っておくと、ストレスに対処するのがもっと上手になれますよ。

上記のような身体的・精神的症状が全て同時に襲ってくることがあるのは事実ですが、各ストレスにはそれぞれ独自の起因が存在しています。

これは、非常に多くの人々が経験する心理的状態です。ほとんどの人が人生のどこかしらの場面でストレスを経験しているはずですが、問題なのはそれを上手く処理できない時です。ストレスが根を下ろし始め、数週間、数ヶ月間、あるいは数年間も消え去らずに長引くと、健康状態に支障が出る恐れがあります。

事実、慢性化したストレスが心血管疾患を引き起こすリスクについて警告している科学文献はたくさんあるのです。例えばカリフォルニア大学サンディエゴ校でジョエル・ディムズデイル博士によって行われた調査などにより、ストレス関連の問題のために専門家の元へ通っている人が大勢いることが示されています。人々はあの絶え間ない頭痛や胸のあたりに感じる圧迫感、そして睡眠の問題などから解放されたがっているのです。

しかしそういった状態が慢性化し、適切なストレス管理戦略が実行されないでいると、心血管の健康状態にダメージが及ぼされる危険があります。したがって、この厳しい現実に対してもっと敏感になる必要があることは明白です。

ストレスにはどんなタイプがある?

おそらくあなたも、「ストレスで参ってしまった」というような言葉を日常的に発していることでしょう。しかし、そのプレッシャーや身体に現れる影響が心底不快なものだったとしても、一つ認識しておいて欲しいことがあるのです。それは、ストレスとは「異常な」状況に対する正常な反応だという事実です。

要するに、人間は他の動物たちと同様に、脅威や危険、そして環境の変化に対応できるようになるためにストレスという生理・心理学的反応を起こす必要があります。アドレナリンやコルチゾールといったストレスホルモンがそのための身体変化を助け、それによって人は例えば仕事場での問題を解決できるようになったり、あるいは人生の障害を克服できるようになったりするのです。

ただし、時にはストレスがそのようなポジティブで有用な存在ではなくなり、実際に「ディストレス(苦痛、悩みの種)」になってしまうこともあり得ます。このネガティブなストレスは人の心身を不安定にし、長時間続くことのある無力感を生じさせます。しかしストレスの各タイプを知っておけば、ストレスに苦しめられている時に自分の身に起きている現象をもっとよく理解できるようになるはずです。

急性ストレス:プレッシャーを感じている時

急性ストレスは多くが短期的で、非常によく見られます。仕事で問題を抱えている、誰かと大げんかした、診察を前に緊張している、盗難に遭った、事故を目撃した、などといった状況全てが、このタイプのストレスの具体例です。

お伝えした通り、これがあらゆるストレスの中でも大部分を占めています。ネガティブな面だけに集中し、その特定の状況のことばかりに囚われてしまうような精神的アプローチが生じるのが特徴的です。

適切に診断するためには、『精神障害の診断と統計マニュアル(DSM-5)』の基準に従うと良いでしょう。

  • 侵入症状。急性ストレスを経験している人物は、原因となった問題について心配せずにいられません。しかし、その懸念は少しずつ弱まっていきます。
  • 心理状態に関わる症状。苦悩、恐怖、焦燥感などです。
  • 興奮症状。頭痛がしたり、睡眠や集中力の問題が出てきたり、意思決定が困難になったりします。

先ほど指摘したように、急性ストレスは全てのストレスタイプの中でも最も多く見られます。こういったケースでは、認知再構成法などの認知行動療法やリラクゼーションテクニック、あるいはイメージ曝露などの手法が、大半の患者に効果的です。

挿間性の急性ストレスと、危機に陥りやすいパーソナリティ

挿間性の急性ストレスは、非常に特殊なパーソナリティプロフィールと結びついています。それは、アメリカの心臓病専門医メイヤー・フリードマンとレイモンド・ローゼンマンが1950年代に定義した「タイプAのパーソナリティ」で、このタイプの人々は概して、とても負けず嫌いです。

また、このタイプのストレスは精神の酷い摩耗状態を生じさせ、その状態が訪れては去って行きます。ある時は数ヶ月間消えていたように思えたのに、突如また症状が戻ってくるのです。その一般的な特徴をいくつか見てみましょう。

  • 精神的苦痛。これは、怒りや苛立ち、せっかちさ、不機嫌、絶え間ない緊張などに繋がりやすいです。このストレスを抱える人々の頭の中には、常に緊迫感が存在しています。また、こなさねばならない未知のタスクが差し迫っていて、いつでもそれに対する備えをしておかねばならないと考えています。
  • 認知面の苦痛。タイプAのパーソナリティを持つ人々は、色々と要求の多い人々です。そのため、同時に複数の刺激を認識してしまいます。しかしこれほどのストレスレベルを保ったまま何ヶ月間も生活していると、それが次第に記憶力の問題や精神的疲労に繋がりかねません。
  • 問題の多い対人関係。
  • 筋肉の不快感や頭痛、背中や顎の痛み。
  • 胃や腸の疾患。
  • 繰り返し起こる挿間性ストレスは、心血管疾患の発症と関連しています。

慢性ストレス:時間を経ても変わることのない苦しみ

ハラスメントに苦しみながら有害な職場環境で何年間も働き続けてきた、幼少期のトラウマにじっと耐えている、愛する人を失いその喪失の悲しみから回復することができないでいる、借金の支払いをこなすためだけにとてつもない苦しみを感じながら生きている、対立や要求、批判ばかりが溢れた家庭環境で生活しているなど…。

上記のようなものやその他様々なシチュエーションが、慢性ストレスというあらゆる面で問題を引き起こし、人を衰弱させるような心理状態を生み出します。そして絶え間ない苦痛と不安が生活の一部になると人は180度別人のようになってしまい、この精神状態の奴隷となるのです。

  • このタイプのストレスは、うつ病などその他の精神的問題と共に現れる場合があります。
  • 慢性ストレスを抱える人は、不安や学習性無力感を示します。つまり、どれほど頑張っても状況は決して変化しないだろう、という考えを抱いてしまいます。
  • 不眠、疲労感、消化器系の問題、筋肉の不快感、頻脈、集中力散漫などの症状に苦しみます。

こういった患者に対する治療アプローチは、必ず一人一人のニーズに合った個人的なものでなければなりません。とは言え、平均的には以下のようなテクニックが非常に有効です。

  • ストレスとは何なのかを理解するよう奨励すること。
  • 感情マネージメント戦略。
  • 生理学的な不活性化テクニック(腹式呼吸、漸進的筋弛緩法、テーマ想像法など)。
  • 認知再構成法。
  • アサーティブネス・テクニック。
  • 問題解決のためのテクニック、困難やストレスフルな時期を乗り越えるためのテクニック。

まとめると、どのタイプのストレスも治療することができます。このような苦しみが長期的な問題となってしまうのを予防するために、できる限り早く専門家に助けを求めることが一番大切です。

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  • Dimsdale, J. E. (2008, April 1). Psychological Stress and Cardiovascular Disease. Journal of the American College of Cardiology. https://doi.org/10.1016/j.jacc.2007.12.024
  • Hüther, Gerald (2012). Biología del miedo. El estrés y los sentimientos. Barcelona: Plataforma Editorial.