タイムラインテクニックを使って、自分をより理解する
心理学ではセラピーに様々なテクニックと道具を用います。 タイムライン・テクニックもそのうちの1つです。 このテクニックは、自己認識と自己理解を促すために使われます。このテクニックには人間性心理学的な部分とシステマティックな部分があります。そして、すべての精神分析医はこのテクニックを用いて、患者に多くの情報を与えています。
人間には一人一人、現在と過去、そして未来があります。 そして私たちの身に起こったことは、過去の物語となります。その出来事に意味を与えることは、人を成長させ、自分自身に自信をもって受け入れるためにとても重要な行為なのです。
よってこの記事では、タイムライン・テクニックの仕組みや使い時について書いていきたいと思います。
タイムライン・テクニックの仕組み
このテクニックの根幹は、分析と反省です。 つまり、ただこのテクニックを使うだけでは望む結果は得られません。意識的に分析と反省を繰り返していく必要があるのです。自分のタイムラインを分析することで、感情に関わる様々なことにチャンネルを合わせ管理していくことができます。
「他者を理解するには知性が必要だか、自分を理解するには本物の良識が必要である。他者をコントロールするには力がいるが、自分をコントロールするのが本当の力である」
-老子-
自分のタイムラインを作ったら、そこから得た一つ一つの要素の意味をより深く掘り下げる必要があります。タイムライン・テクニックでは、「なぜその経験をありがたく思ったのか?」や「その瞬間に何を得て、何を失ったのか?」、「あの経験を乗りこえられたか?」などの質問とともに自分を反省的に分析することが求められます。この方法によって、適切かつ健全に自分の経験を分析できるようになります。建設的な方法で、過去と意味を繋ぎ合わせることで、自分自身の理解が深まるのです。
タイムライン・テクニックを用いるタイミング
タイムライン・テクニックは(ほとんどの場合)、どんな瞬間にも使えます。しかし、セラピーの最初や混乱状態を鎮めるときに使うのが良いとされています。このテクニックは、自分のことをより深く理解しようとしたときにいつでも役に立ち、自分の辿ってきた道を全て理解することで、今の自分の行動原理や気持ちを把握できるようになります。
一方で、患者がつらい経験やトラウマに悩まされている時に、タイムライン・テクニックを使うのは逆効果になります。アリゾナ大学の研究によると、患者が悲しんでいるとき、彼らはうつ病の兆候を示すといいます。つまり、喪失感やトラウマを感じていると、タイムライン・テクニックの分析結果もネガティブな感情の影響を受けやすいのです。
「人生における最も大切な2つの日は、自分の生まれた日と、自分の生まれた理由を探し出した日である。」
-マーク・トウェイン-
タイムライン・テクニックの使用方法
タイムライン・テクニックを使うためには、2つの大事なことを頭に留めておく必要があります。それはタイムラインの詳細と批判的反省分析です。まず初めに、紙とペンを用意します。そして、そこに真っすぐの直線を引いて、年代順に過去のイベントを記述していきます。
第1フェーズ
ここでは、自分のとても大切な日を選別していきます。自分や兄弟(親戚など)が生まれた日や愛する人の命日、自分の結婚式などがそれにあたります。記述するにあたって、青いクレヨンを使うとよいでしょう。
第2フェーズ
次に、自分の人生において、大きな意味を持つイベントや人生を変えた瞬間を見つけていきます。引っ越しや海外への渡航、入学式や卒業式、印象的な旅行などです。あくまで、自分自身でどのイベントが重要かそうでないかを決めましょう。ここでは、緑のクレヨンを使います。
第3フェーズ
このフェーズでは、特定の湾曲した瞬間に目を向けることが大切です。厳しい状況を切り開くための要素となった瞬間や、上手く成し遂げることができた出来事などを思い出してみます。クレヨンの色は赤色を使いましょう。自分を強くしてくれた瞬間に焦点をあてることを忘れずに。
第4フェーズ
最後に、自分の人生におけるビーフォーアフターな経験や出来事を書き出していきます。生活やルーチンの中で変わったと思うことや、トラウマや解決するのが難しかった経験などがこれにあたります。クレヨンの色は黒などの暗めの色を使います。
自分のタイムラインを書いたら、それぞれの出来事が自分の人生に与えた影響を分析していきましょう。タイムラインに載っている今までの出来事を一つ一つ分析していかなくても大丈夫です。それがどのようにして、今の自分を形成しているかを考察できれば良いのです。自分の限界を超えて成長することが、自分自身を本当に理解するための唯一の方法だということを覚えておいてください。
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Beyebach, M. (2010). 200 tareas en terapia breve. Barcelona: Herder.