他人を理解すること:なぜそれほど重要なの?

人間という生き物として、一体何が私たちを他人の感情を理解したい、という気持ちにさせるのでしょうか?今回の記事では、なぜ他者を理解することがそれほど重要なのかを見ていきましょう!
他人を理解すること:なぜそれほど重要なの?

最後の更新: 06 2月, 2021

人間は、他者を理解するための努力を行うことができる唯一の生き物です。他者を理解するという行為は、社会化というプロセスを円滑に行うために必要な課題です。その結果として生まれた相互扶助を通して、様々な文脈における個々人の生存の可能性が高まるのです。

社会的存在である私たちにとって、自分以外の人々を理解するという行為は、物事や状況を様々な観点から見たり理解できるようになるための扉を開くカギです。この意味では、共感を生み出したり人類として持つ価値体系を作り出すことに関わるプロセスが奨励されます。他人を理解することがとてつもなく素晴らしいスキルなのは確かですが、だからと言ってこれは簡単に手に入る能力というわけでもありません。

人間に見られる社会的行動

他者を理解しようとする時、人は気分や感情、疲労、病気などといった複数の要因から影響を受けます。これら全てが、他人に対して親切な行為や手助けをしようという意欲を持てるかどうかを左右するのです。

つまり、機嫌の良い人ほど、他人に好意的に接したり、あるいは共感や理解を示そうとする可能性が高まります。一方でイライラしている人の場合、他の人々を理解したいという気持ちにはなりにくいでしょう。

時には、表情や見た目、話し方や身振りの特徴などから相手の感情状態を容易に認識できることもあります。しかし場合によっては、そういった非言語の手がかりを解読するのが極めて難しいこともあるのです。そうなると、一体何が問題なのかを本人に問いかける以外の選択肢はありません。

この二つ目の作戦はおおむね失敗に終わります。なぜなら人は時折、特に個人的な感情を隠そうとしたり抑えつけたり、あるいは自身の感情状態について嘘をつきたくなるものだからです。

他人を理解すること

他者を理解する上で共感が果たす役割

他者を理解する上で非常に重要な役割を果たすのが、共感です。相手がどんな観点から物事を見ていて、それが相手をどんな気分にさせているのかを知るためにその人物の経験を知っていくことで、理解のための扉が開かれます。

他者を理解するということはすなわち、その人の感情を経験し、それらの感情を自分自身のものと比較する必要があるということです。つまり、自分自身が乗り越えたことのある似たような経験を思い返し、自分の観点と相手の観点との違いを認識しなければなりません。

また、ここではアクティブ・リスニング(積極的傾聴)もカギとなります。そしてこれが、自分の個人的相違点を相手に伝える上でも役立つのです。

なぜ他者を理解することが重要なのか?

人類がこれまで生存し、進歩してこれたのは集団生活における社交能力のおかげだということがわかっています。その過程では、他人から教わったスキルの学習・獲得を通じた社会化というプロセスが生存の手助けになったことが幾度もありました。

そして、そういった基本的なスキルの発達に欠かせない主要因の一つが、他者を理解するという行為だったのです。これにより私たちはいつ相互交流が必要なのかを知ることができ、どんな時に自分や他者の命を守るためのメカニズムを作動させるべきなのかがわかるようになります。

一方で、集団内の他メンバーから無視される、あるいは誤解されるようなことがあると、その人の感情状態や心理状態には多大な影響が及ぼされかねません。

他人を理解すること:なぜそれほど重要なの?

他者を理解しようとしている時に起こるミス

人の傾向や意図は、他者に対して示す行動とは結びつかない場合があります。なぜなら、この行動というのはその状況に適合した思考や感情状態が示された結果に過ぎないかもしれないからです。例えば、あなたが空港の中にいるとしましょう。しかし目指すべき出発ゲートまでたどり着くには一時間もかかるので、あなたは人混みをかき分けながら走らなければなりません。このことは果たして、あなたがせっかちで無礼な人物であるということを意味しているでしょうか?

この例からもわかるように、いくつかのキーポイントを把握できていても、それと同時に同じくらい重要な他の要因を考慮できていないということがあり得るのです。したがって、他者を理解するというゴールにそれほど簡単にたどり着けるとは限りません。

一方で、特定の状況に関する他者の意見に影響を受けて、特定の状況や気分に対する自分自身の理解までもが左右されてしまうこともあり得ます。つまり、相手側の反応によって、こちら側の人を理解する能力が揺らいでしまう可能性があるということです。

このように、他者を理解することは人類とそのコミュニティの生存のためには避けて通れない課題です。しかし、そもそも自分自身の感情やそれを決定づける要因を把握する技術を身につけていない人には、自己を超越して他人の立場に立って考えてみるのは難しいでしょう。

これに加えて、相手の立場に立とうとしても、何らかの意見や特定の文脈が客観性を引き下げてしまうことがあります。このような時にこそ、共感の暗黒面が表出してしまう恐れがあるのです。当然のことながら、コミュニティや集団に取り込まれた個人である以上、時には主観的な判断を避けては通れません。

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