テクノストレス:最新テクノロジーの濫用が招く結果

2019年10月27日
常に接続状態で、いつでも連絡可能で、いつもタスクをたくさん抱えている。このような状態が続くと、人はこれに圧倒され、ストレスを感じてしまう可能性があります。これが、専門家に「テクノストレス」と呼ばれる状態なのです。深刻なケースでは、中毒状態になってしまうこともあります。

最新のテクノロジーは、社会のありとあらゆるレベルに変化をもたらし続けています。これには、社会的な変化だけではなく、文化や経済に関するものも含まれます。人間関係や情報の拡散といった面に関しては、我々がテクノロジーから多くの恩恵を受けていることに疑問の余地はありません。また、テクノロジーが生活全般をこれまでより暮らしやすいものにしてくれることも確かです。

しかし、新しいテクノロジーを濫用することで、時に「テクノストレス」という状態に陥ってしまう可能性があります。

テクノロジーの使用がうまく管理できていなかったり、使用時間を記録していないことで、数多くの問題が引き起こされてしまう恐れがあるのです。その中に、ノモフォビア、FOMO症候群、そしてテクノストレスなどが含まれています。この記事では、このテクノストレスについて見ていきましょう。

“我々のテクノロジーが、人間性を超越してしまっていることはぞっとするほど明らかである”

アルベルト・アインシュタイン

テクノストレスとは?

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1984年に、クレイグ・ブロードが世界で初めてこの現象を定義付けました。彼は、それを「新たなコンピューターテクノロジーに健全に対処できないという不能さによってもたらされる適応に関する現代病」であるとしました。

1997年に、ラリー・ローゼンとミケーレ・ウェルが著書『Technostress: Coping with Technology @Work @Home @Play』によってこの用語を世に広めました。この本の中で著者たちは、テクノストレスとはテクノロジーがもたらす有害な影響の一つである、と説明しています。個人の態度、思考、生理機能、行動に直接的もしくは間接的に悪影響を与える可能性があるのです。

お分かりの通り、テクノストレスとはテクノロジーの使用に関連するネガティブな心理状態のことです。事実、心理学者マリサ・サラノバによると、テクノロジーの利用に関する需要と供給源との不均衡なバランスを知覚することでこのストレス状態が引き起こされるそうです。そしてこれが、不快な感覚やネガティブな態度、そして高レベルな精神生理学的活動に繋がってしまいます。

従って、テクノストレスとは、テクノロジー管理能力の低さが、自己コントロール力の貧弱さやフラストレーションへの耐性の低さと合わさることで生み出されるものだ、ということになります。

テクノストレス状態を引き起こす原因

一般的に、テクノストレスの原因は当該人物の年齢や属する世代に関連しています。そのうちのいくつかが、以下のようなものです:

  • 情報過多と、知ることへの欲求。
  • いつでも繋がっていなければならないというニーズ。
  • 常に連絡が取れる状態でいなければならないというニーズ。
  • 自分にはテクノロジーを使う技術が無い、と感じて使用を拒否すること。
  • 新たなテクノロジーへの依存、つまり、テクノロジーから自分を切り離すことができず、使用時間を効率的に管理できない状態。

依存とテクノストレス

サラノバ・Mらが指摘したように(2007年)、最新テクノロジーは若者に対して(若者以外に対しても)、即時の感覚刺激を与えます。

しかし、生理学的に、そして感覚的に長時間活性状態でいることにより、心身の健康に有害な結果を生み出す恐れがあります。それらが、ある個人の通常の機能に支障をきたしてしまうとしても驚くべきことではありません。

では、この依存状態はどのように発展していくのでしょうか?

  • まず、テクノロジーは耐性を生み出します。言い換えると、これまで以上に長い時間、常に接続されている状態でいなければならず新たなテクノロジーに触れる必要があるということです。
  • 次に、依存が生み出されます。同様に、自身もまた感覚刺激を与えてくれるものと永久に繋がっていたい、と思い始めるのです。
  • 最後に、これが実際の禁断症状を引き起こします事実、テクノロジーに依存する人々からデバイスを取り上げると、不快さや不安、イライラを感じたり、その他の関連症状が現れてしまいます。

なぜ新しいテクノロジーはそれほど魅力的なのか?

多くの意見では、この魅力はこういったテクノロジーからの刺激の与えられ方が土台となっている、とされています。即座に満足感を得られ、常に変化し続ける刺激の過負荷を受けると、脳の報酬系が活性化されるのです。

このように、この継続的に与えられる刺激は、少なくとも最初のうちは快感を生み、人は完全にこれに注意を集中させてしまいます。だからこそ、テクノロジーは人間全般にとって魅力的なのです。また、そのせいで生活から切り離すことが不可能になっています。

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テクノストレスの治療

非常に深刻なケースだと、心理療法士の助けを求めることがベストです。特に、暴露反応妨害法(依存症治療に効果があるとされている行動療法)が有効な場合があります。これに加えて、それよりも深刻度が低い場合には一般的に以下のような対策を取ることが推奨されています:

  • 直接人と会って交流する時間を作る。
  • 最新テクノロジーの使用を控え、代わりにスポーツに参加したり趣味を楽しむ。
  • 自分にとって有益なテクノロジーの使用法のみを学ぶよう、自身に制約をかける。
  • テクノロジー使用時間に関してスケジュールを立てる。
  • 具体的な目標達成のためだけにテクノロジーを使う。退屈だから、あるいは他にすることが無いからといってテクノロジーを使用するのは控える。

ある意味では、最新テクノロジーが人類にとって利益をもたらす存在であることは間違いありません。テクノロジーを非難するのではなく、これらを生み出してきた人類の進歩を讃えるべきでしょう。また、テクノロジーによって新たな世界の扉が開かれたという点にも言及しておくべきかもしれません。

しかし、こういったテクノロジーの使用に関しては、理性を持って行動することがかなり重要です。また、テクノロジーを人的交流よりも上位に考えることは決してすべきではありません。

  • Gumbau, Susana Llorens, Marisa Salanova Soria, and Mercedes Ventura. “Efectos del tecnoestrés en las creencias de eficacia y el burnout docente: un estudio longitudinal.” Revista de orientacion educacional 39 (2007): 47-65.
  • Llorens, S., M. Salanova, and M. Ventura. “Guías de intervención: Tecnoestrés [Intervention guidelines: Technostress].” Madrid: Síntesis. (2011).
  • Salanova, M., et al. “El tecnoestrés: concepto, medida e intervención psicosocial.” Nota técnica de prevención 730 (2007).
  • Salanova Soria, Marisa. “Trabajando con tecnologías y afrontando el tecnoestrés: el rol de las creencias de eficacia.” Revista de Psicología del Trabajo y de las Organizaciones 19.3 (2003).
  • Selva, José María Martínez. Tecnoestrés: ansiedad y adaptación a las nuevas tecnologías en la era digital. Paidós, 2011.