タナトス:デストルドーは本当にネガティブなもの?

2019年11月13日
この記事では、フロイトの提唱したデストルドーについてご紹介します。デストルドーにはネガティブな影響しかないのでしょうか?

おそらく精神分析学者が名付けたもので、デストルドーほど不吉な名前はないでしょう。しかし、デストルドーは破壊的ですがうまく管理することを学べば、生き残る上でプラスに働くこともあります。

人生において、深く心が傷つく経験をすることがあるでしょう。すべてが失われたと感じ大きな空虚の感覚が生まれるかもしれません。この瞬間に、死への駆動力が強くなります。まるで無力感に誘い込まれるかのように死の欲動が見られるようになります。

精神分析(無意識を強調する、ジークムント・フロイトによって設立された研究分野)によると、すべての人間の衝動は行動につながります。私たちに何らかの形で行動させる独自の力を持っています。その目標は、生み出された興奮を満足させることです。この興奮は、身体の特定の器官と興奮を引き起こした物体に関連しています。

今回は、デストルドーが必ずしも性的な問題ではなく、必要なものであることをご説明します。さらに、死の欲動が何であるか、私たちの生活の中でどのように現れるのか、なぜそれが必ずしも否定的ではないのかをご紹介します。

タナトス デストルドー

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デストルドーとは?

タナトス、別名デストルドーは無意識の衝動であり、私たちを完全な休息、言い換えると存在しない死の状態に追いやります。私たちを自滅へと駆り立て、全滅させるのです。それは対極にある生きる意欲と密接に関係する概念であり、自己構築への欲求なのです。

タナトスと生きるということは常に隣り合わせです。両者はバランスをとるために常に戦っています。このバランスは、本質的に自己保全です。タナトスが破壊の力であるのは事実ですが常に否定的であるとは限りません。生きる意欲もまた、常に前向きであるとは言えないのです。

デストルドーとその症状

精神分析では、特定の概念は複雑であるため私たちをより不安にさせます。

以下は、死の欲動についての特徴です。

攻撃性

攻撃的になると、他人、物、または私たち自身の破壊につながる可能性があります。意識的に危害を加えようとします。実際、ジグムント・フロイトの著書「文化の中の居心地悪さ(Civilization and its Discontents)」では、攻撃性が文化発展の最大の障害であることを示唆しています。

精神疾患

精神疾患は自傷につながることがあります。明確な例は、境界性人格障害です。

投影

実際に起こっていることを他人に投影する防衛メカニズムです。

不快感

何かが私たちを満足させない、または苦痛や不快感を引き起こす場合、死の欲動が現れます。

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その他の原則

デストルドーは、他の原則とも関わりがあります。たとえば、私たちの生活を規制するのに役立つ現実の原則が挙げられます。一方、喜びの原則は、欲求の満足に関係しています。

これらは、私たちが社会で積極的に生きる方法です。フロイトは、それがニルヴァーナの原理、すなわち無、完全な休息、そして死の概念により深く関係していると主張しました。

デストルドー

プラスに働くデストルドー

タナトスは私たちを自己破壊の道に連れて行きますが、その影響は必ずしもネガティブではありません。人間は自分自身を破壊しようとした状況で回復力を発揮します。

また、死の衝動は安静にも関係しており、これは私たちの生存に必要です。このように考えると、ネガティブなものにばかり関連付けているデストルドーの意味合いが違ったものとなります。

デストルドーをどのように適応できるでしょうか?デストルドーを利用して自分自身と戦い、守ることができます。フロイトはまた、オーガズムの瞬間にも関連付けています。生きる欲動は性的満足を促しますが、他方では、タナトスは解放または復帰の瞬間-運動後の休息に影響を与えることができます。

これに加えて、死の欲動により対象から自分自身を分離することができます。自分のアイデンティティーを確立しネガティブな感情との過度な接続を避けることができます。つまり、タナトスは破壊定期であると同様、その修復力も非常に強いのです。

デストルドーは生存に不可欠です。そして私たち自身と命について多く学ぶのに役立つユニークな強みなのです。

  • Freud, S. (1976/1920). Más allá del principio del placer. Obras completasBuenos Aires: Amorrortu.
  • Freud, S. (2016). El malestar en la cultura. (Vol.328). Ediciones Akal.