「トロフィーチャイルド」:兄弟間の偏愛の影響

29 8月, 2020
親が、他の子どもと比べてひとりに注目や称賛を与えるなど特別扱いをしているのであれば、そこには「トロフィーチャイルド」と呼ばれる問題があります。

「トロフィーチャイルド」は、カメラに笑顔を向ける置物の人形のようです。これは兄弟の中でのお気に入りを指す言葉です。精神的ニーズ、ファンタジー、満たされなかった欲求を満たしてくれることを、自分の完璧な子どもに望む親の延長となる存在です。家庭内でこの存在を認めることは難しいかもしれませんが、兄弟間の優遇は実際にあり、それによりさまざまな影響がもたらされます。

社会において、複数の子どもを持つ親は、優越なく子どもを平等に愛し、大切にすると考えたいものです。しかし、必ずしもこうではないことが研究により示されました。子育ての中で特別扱いが行われています。実際、約70%もの親が、他の子と比べ一人の子どもを特別扱いしたことがあると認めています

「父は、私を信じるという誰もが得るべき偉大な贈り物を与えてくれた」

-ジム・バルバーノ-

年齢や子どものニーズの違いから一度特別扱いをしたとしても、大した問題にはなりません。しかし、この偏愛が過剰で継続的である場合、問題になります。親が、他の子どもと比べてひとりに注目や称賛を与えるなど特別扱いをしているのであれば、そこには「トロフィーチャイルド」と呼ばれる問題があります。

トロフィーチャイルド

「トロフィーチャイルド」と自己愛的家族

気に入られる子どもは、一番上、あるいは、一番下とは限りません。児童心理学や家族の動向の専門家によると、親子の関係は不安定だと言います。接し方、子どもの年齢、その他の出来事により変わる傾向があります。

トロフィーチャイルドが生まれ、特別扱いが行われる理由ははっきりしていません。両親(あるいは親のひとり)が、一人の子どもだけに自分を反映することも理由の一つです。これは、身体的特徴や能力から選ばれることもあります。あるいは、より扱いやすい子どもが選ばれることもあります。いずれにしても、このような状況はトロフィーチャイルド自身にとっても簡単ではないということを知っておきましょう。

トロフィーチャイルドは、幼い頃から、親からポジティブな配慮を受けるには、自分の欲求やニーズを抑圧し、親の理想の姿にならなければならないということを学びます。トロフィーチャイルドは、スポーツや楽器の練習、モデルになるなどの目的に沿って、導かれることが多々あります

トロフィーチャイルド

また、トロフィーチャイルドの裏には、自己愛的父親あるいは母親の存在があります。特別扱いを自分の最大の喜びに感じ、それに執着するような人です。このような親にとって、子どもは日々の精神的埋め合わせになっています。過去に果たせなかった目的や欲求を満たす方法のひとつです。トロフィーチャイルドが、親のためにこれらを達成するよう強いられているのです。

自己愛的親は、子どもには独自のニーズや嗜好があり、また自分が他の子を無視していることに気づきません。これは、子どもがおかれるべきでない複雑な環境です。

トロフィーチャイルドと兄弟:ネグレクトを受ける子どものよう

子どもは2歳になるとアイデンティティや所属の感覚をつかみ始めます。そして、比較が始まるのもこの時期です。「あの子にはこれがあるけど、僕にはない」「あの子はあれができるけど、私はできない」などです。嫉妬は兄弟間のケンカの場となり、親の特別扱いに気づくと、状況は悪化します。

これらすべて、非常に早い段階から爪痕を残します。親がトロフィーチャイルドを決めると、兄弟に自尊心や不安の問題が生まれます。自分の怒りや矛盾する感情、親との悪い関係に上手く対処できると、特別扱いされなかった子どもも、自信を持った大人になることができます。

ここで、トロフィーチャイルドがおかれる状況は単純ではないことをもう一度思い出してください。その子が受ける特別扱いには代償が伴います。自分の人生計画を否定することも多々あります。また、未熟な性格、低い自尊心、フラストレーション耐性の低さも目立ちます。

トロフィーチャイルド 兄弟

まとめると、この環境は、過保護に育った子どもとその兄弟の両方にとってよくありません。未熟で乏しい、また多くの場合、自己愛的な子育ての結果がこの状況を生みます。排除や偏愛を防ぐため、子育てや教育にはバランス、継続性、尊重が必要です。そして、ポジティブな思いやりは、アイデンティティの形成に役立つということも忘れてはいけません。