受け入れは白旗をあげることでも諦めることでもない

2019年2月23日

上手くいかずにねじれてしまった状況を受け入れるとき、あなたは諦めているということではありません。自分ではどうしようもできない不快な状況を手放すときに、自分を恥じることもあるでしょう。しかしそれは、諦めることとは程遠いことです。

受け入れを諦めと見ることは、考え直すべき思い込みです。他の多くの思い込みと同様、人を躓かせて、自分の状況に向き合うことを阻みます。今回はこの思い込みを掘り下げて、新しい視点から受け入れと諦めを見るようにしていきましょう。

人生に「イエス」ということは、諦めているということではない。

抜本的な受け入れ

マーシャ・リネハンは、抜本的な受け入れの概念を構築しました。これを広く知らしめたのが、タラ・ブラックです。2人とも心理学者で、この概念は仏教の考え方に即しています。

この考えは、すべての期待を諦めることを推奨しています。期待は無駄に人を苦しめるだけです。諦めて、変えることが不可能なことに反抗するのはやめましょう。あるいは、問題を拒否するのではなく受け入れて初めて変えられる場合です。

諦めることを被害者になることだと思い込むのはやめましょう。受け入れというのは、文句の裏に隠れる事ではありません。抜本的な受け入れは、異なる視点から起こったことに感謝することです。その視点では、すべてに起こった理由があります。それを変えることはできません。しかし、それにどう反応するかは自分で決められます。

背中合わせ

仕事を失ったとしましょう。貯金が少しあります。失業手当も受け取れます。しかし、その現実を受け入れられません。自分の状況に怒りと悲しみを感じています。自分のコンフォートゾーンから引きずり出されて、迷子でどうしたら良いかわかりません。

この状況を文句を言わずに気も落とさず受け入れて、むしろ機会として見ることは、私たちの自然な傾向ではありません。少なくとも多くの人にとってはです。このような姿勢を良く思わない人すらいます。「どうせ働きたくもなかったんじゃない?」「あんな調子じゃ仕事を失っても納得よね。」と周りに言われるかもしれません。こういった人たちの言葉は、不満と被害者意識に油を注ぐだけです。自分には希望がなくダメになっていると思ってしまうのは簡単なのです。

自分の状況は変えられない

もし抜本的に自分の状況を受け入れたらどうしますか?リストラされ、色んな感情を感じて、その感情を表現することを自分に許して、それから立ち止まります。立ち止まって状況を見ます。「わかった、これは起こってしまった。変えられない。でもそれをコントロールするにはどうしたら良いだろう?」諦めない方法はたくさんあります。

未来に役立つ新しいことを学ぶ講座を受講してみてはどうでしょう?新しい仕事を見つけたり、仕事で成長するための機会ととらえることもできます。ただ座って諦めて、自分がかわいそうだと思うかわりに出来ることがたくさんあります。状況は変えられません。しかし、辿る道を選ぶことは出来ます。カードは配られましたが、ゲームで勝つために戦法を練ることは出来ます。

現実を受け入れることを拒むのは疲れる

自分の計画を変えたり、お休みを取ったりすることが悪いと思えたら、現実を否定するのはさらに悪い考えです(愛する人の死など、深刻な影響やトラウマを経験したというわけではない限りです)。そういった姿勢は疲れます。害があります。全く学ばずに、同じ石に何度も何度も躓くようなものです。

時に現実がつらい時もあります。しかし、受け入れを拒否することやただ諦めることは、痛みを苦しみに変えてしまうだけです。不満は聞き入れられず、「なぜ私が」という疑問は晴れることがありません。物事は起こるものです。明確な理由なんてありません。そこからどう進むか、カギを握るのは自分自身です。

 

女性の横顔

自分でそう決めない限り、あなたは被害者ではありません。もし被害者になることにしたら、反芻思考をたきつけて、終わりなきネガティブなサイクルに迷い込みます。このサイクルの進む先は2つしかありません。鬱あるいは不安症です。おそらく、最も難しい道を選んだことで自分は何かを達成した気持ちになっているかもしれません。しかし、最も努力を必要とする道は、必ずしも一番の道ではないこともあります。

「起こったことの受け入れは、不運の影響を乗り越えるための初めの一歩である。」
-ウィリアム・ジェームズ-

自分の状況を受け入れることは、それを変えるための最善の方法です。これを新しい道を見つけるためのチャンスととらえましょう。逃げることや未来のための責任を取らないことは役に立ちません。受け入れは、前へ進む道です。

Brillhart, D. (2017). Acceptance and commitment therapy. In Individual Psychological Therapies in Forensic Settings: Research and Practice. https://doi.org/10.4324/9781315666136

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