歌うことで人は幸せになる

2019年9月8日

シャワーを浴びている時、音楽を聴いたり口ずさんだりしますよね。歌うことには人を幸せにする力があるのです。誰しもが行うこの行為ですが、これをすることでセロトニンとオキシトシンが分泌されると言われており、これは誰に対しても効果的です。実際、アルツハイマーを患っている人でさえ、歌を歌うことで良い影響を受けることができます。

歌が世界を変える

かつてエディット・ピアフは、歌うことで人は別世界に逃げることができると言いました。心理学者や神経科学者はこの意見に全面的に賛成はしていないものの、セラピーの中には、歌を通して感情を想起させることで他人との絆を深める手法が存在しています。

老年学の雑誌に掲載された研究によると、お年寄りが自分が住んでいる地域の合唱曲を歌うことで、健康状態が向上し寂しさを紛らわすことができたと言います。実際、65歳以上の高齢者は孤独感によるうつ病を患っているケースが多く、このような研究結果を無視することはできないでしょう。

このように音楽活動に参加することで、他人との接点が増え、感情や体が良い方向に変化します。これと同様に、シャワーの最中に歌うことでも、体がリセットされ、エネルギーや幸福感などを得ることができます。

「私は幸せになるために歌っているわけではない。歌っているからこそ幸せなのだ」

-ウィリアム・ジェームス-

ドライブ

脳が歌を求めている

人は、良い会社に勤めることや良い休みを送ること、友達とご飯を食べることで幸せを感じます。歌を歌うことで幸せを感じる理由は至極簡単です。それは脳が歌を求めているのです。

このことは科学的に説明可能です。レオナード・メイヤーは「Emotion and Meaning in Music(音楽の感情と意味)」という本の中で、音楽を聴いたり歌ったりすることで脳が幸福を感じていると指摘しています。

さらに科学者によると、人間の耳の中には小嚢という器官が存在しており、それにより人は歌を歌うことができているといいます。この耳の中の小さな器官は人が歌った時に生じる周波数を捉えており、それが幸福感の元になっています。歌の周波数が脳に安らぎを与えるのです。まるで魔法みたいですよね。

気分を上げるために歌う

パブロ・ピカソは絵を描くためには、目を閉じて歌う必要があると言いました。実際、多くの人が目の前の作業に取り組む時、小声や大声、コソコソ声などで歌を口ずさんでいるはずです。なので、運転中やスポーツ中、掃除中、仕事中に歌ってしまうことは全く変なことではありません。

歌うことで、気分も上がります。エンドルフィンが放出され、セロトニンが分泌されるます。それによりコルチゾール値が減少します。また、フランクフルト大学で実施された研究によると、歌は免疫力や心肺機能、横隔膜の機能などを向上させるといいます。

神経症と歌の関係性

この記事の初めでも触れたように、神経症の治療という側面において、歌は最も効果的な手法の1つです。実際、アルツハイマー・アソシエーションでは数年間にわたって、「脳のための歌」と呼ばれるセッションを実施しています。

このセッションを通して、アルツハイマーを患っている高齢者の注意力が向上したといいます。他者との良好な関係性を築くことで、楽しさや面白さを感じ、それがコミュケーションへと繋がったのです。また、このセッションは集中力や気分転換にも有効だといいます。

また、イースト・アングリア大学のトム・シェイクスピアやアリス・ウェルドンなどの知的障害研究者たちによって、歌を用いたワークショップが精神病を抱えた患者の治療に効果的だということが明らかになりました。歌が患者のストレスや不安感を取り除き、自信や社会スキルの向上に繋がったといいます。

オッケー

歌は、いつだって脳にとって良い薬となります。音楽は言葉を必要としない言語なのです。

  • Julene K. Johnson, Anita L. Stewart, Michael Acree, Anna M. Nápoles, Jason D. Flatt, Wendy B. Max, Steven E. Gregorich. “A Community Choir Intervention to Promote Well-being among Diverse Older Adults: Results from the Community of Voices Trial.” The Journals of Gerontology: Series B (First published: November 9, 2018) DOI: 10.1093/geronb/gby132
  • Tom Shakespeare and Alice Whieldon. “Sing Your Heart Out: Community Singing as Part of Mental Health Recovery.” Medical Humanities (First published online: November 25, 2017) DOI: 10.1136/medhum-2017-011195
  • Meyer, Leonard (2001) Emoción y significado en la música. Madrid: Alianza Editorial