うつ病へのマインドフルネスの効果

うつ病へのマインドフルネスの効果

最後の更新: 08 1月, 2019

うつ病に対するマインドフルネスのポジティブな効果はたくさんあります。これは、世界保健機関(WHO)も後押ししています。うつ病はよく見られる精神疾患で、全世界で少なくとも3億人もの患者がいます。また、世界中で障害の原因になっているとWHOは主張します。

うつ病は、重篤な場合、自殺へと導くとWHOは言います。毎年の自殺者は80万人以上で、15~29歳では、死因第二位となっています。

うつ病の治療法はたくさんありますが、すべてが全患者に効果を示すというわけではありません。患者のニーズに最も合う方法を見つけることが、うつ病の治療で一番大切です。

「特に、長期にわたるうつ病、中程度から重篤な患者は、重大な健康状態を抱える。職場や学校、家族で上手く機能できなかったり、大きな苦しみを抱える原因となる。」

-世界保健機関-

 

ハーバードの研究によるうつ病に対するマインドフルネスの効果

マインドフルネスによるうつ病患者の変化を分析した、ハーバード大学の研究があります。ハーバード・メディカル・スクールの精神科講師、ベンジャミン・シェペロ氏は、多くの人が、最初に提示された治療法に適切な反応を示さないと言います。これは、その治療を補完してくれる代替法を見つけることが、患者に大きなプラスとなることを意味します。

行動認知療法や抗うつ薬は有用ですが、マインドフルネスなど他の対処法を組み込むと、より早くより良い効果が出るとシェペロ氏は主張します。患者のニーズに適応した治療法を使うと、患者はその治療によく反応するのです。

 

うつ病の人のマインドフルネス実践は脳の活動に変化を及ぼす

マサチューセッツ・ジェネラル・ホスピタル、マルティノス・センターの脳科学者のガエル・デボルデス氏は、この研究でシェペロ教授と共に働いています。デボルデス氏自身、学生時に瞑想を始めたことから、この研究への興味はとても個人的なものでした。

ハーバード大学の研究員は、機能的磁気共鳴画像法(fMRI)を使い、脳の活動を記録しました。2012年、研究員は患者のマインドフルネス実施中に変化を認め、瞑想後もそれが持続すると実証されました。

現在も、うつ病と診断された患者の研究は続いています。その中で、瞑想の脳への効果とその影響を分析しています。マインドフルネスをベースとした8週間の認知療法コースの前後の画像を解析しています。

「セラピーとして利用したり、地域の人にサービスとして提供したいなら、その効果を科学的に証明する必要がある。」

-ガエル・デボルデス-

海辺で瞑想

 

うつ病患者のマインドフルネスは、繰り返しを防ぐ

デボルデス氏は、マインドフルネスによりネガティブな思考が減り、回復を早めるという仮説を証明しようとしています。このトレーニングには、私たちの「今、ここ」に焦点を当てることで悪循環をさけることが含まれています。

さらに、マインドフルネスの効果とその様々なバリエーションを研究している人々もいます。

ご覧いただいたように、うつ病に対するマインドフルネスは、患者が極端な状況と向き合うのを助ける効果があります。さらに、生活の質を高めることができます。また、軽度のうつ病患者であれば、抗うつ薬を服用することなく回復することもあります。あなたのニーズに合った良い治療法を見つけるため、まずは、専門家へ相談してください。


このテキストは情報提供のみを目的としており、専門家との相談を代替するものではありません。疑問がある場合は、専門家に相談してください。