私たちの行動を形作る「集団規範」

04 6月, 2020
集団規範は私たちの行動を決めるのに大いに影響しています。この効果についてこの記事で見ていきましょう。

規範とはある種の考え方です。それは心の中にあるもので、この規範により何をすべきかが示されます。また、何をすべきでないかも示されており、一般的にこの考え方は人と人との間で共有されています。すべての集団には規範があり、これは害のあるものではありません。集団に属するメンバーそれぞれの感情、考え方、行動において、規範は大きな役割を果たしているのです。

集団のアイデンティティが重要である場合、人の行動は集団規範により導かれます。例えば道を歩いていて、ホームレスの人にお金を恵んでほしいと言われることがあったとします。あなたはお金を渡すかもしれませんし、渡さないかもしれません。しかし、もしあなたが与えるという規範のある慈善活動や宗教団体に属している場合、きっとお金を渡すでしょう。これは「与える」という行為が、あなたの属する集団の規範であるためです。

「遺産と理想、慣例と基準…こういった私達が支えとし、子ども達に教えているものが、受け継がれるかあるいは消失するかは、私達がアイデアや感情をどれだけ自由に交換するかに左右される」

-ウォルト・ディズニー-

規範はどのように生まれる?

集団において、メンバー間で相談し、明示的に規範が作られる場合があります。また、人々の行動様式から規範が生じることもあります。あるいは、特定の行動を他のメンバーが真似し、それが集団の規範になる場合もあります。真似をするのは、何かしらの目的のため、あるいは集団の存続のためかもしれません。

規範の生まれ方はこれだけではありません。あまり民主的でない方法で生まれることもあります。例えば、集団のリーダーが規範を決める場合などです。

また、集団の初期のメンバーが意図せず規範を作ることもあります。これが起こるのは、特に代表メンバーが変わった考え方や感情を持っていたり、異なる行動をとる時です。そしてそれは緊張を呼びますが、その新しい行動が他のメンバーにより規範だとされることで緩和されていきます。

「ルールやモデルは、本物や芸術を破壊する」

-ウィリアム・ヘイズリット-

集団規範

集団規範の2つの種類

集団には叙述的規範と指令的規範の2種類があります。叙述的規範は、様々な状況においてメンバーがどう行動するかに関するものです。どうしたら良いか分からない時、他のメンバーの行動を見て、それを助けにします。こうして、結果的に人の真似をすることになることがあります。そして真似をした後に周りがそれを支持すると、その行動を続けることになるでしょう。このように、このタイプの規範は集団の中で重要とされるメンバーの真似をすることから生まれます。

一方で、指令的規範は、集団のメンバーがそれを認めるか認めないかが関係します。これにより、あなたができること、できないことが決まります。モラルのようなもので、何が正しく、何が誤りか規範により示されます。そして、集団の独自の報酬と罰により、これは促進されます。従わない者を罰し、従う人に報酬を与えるのです。

「私には宗教上の理由と個人的スタンダードがあるため、濡れ場を演じることはないだろう」

-ジョン・ヘダー-

集団規範の役割

集団の規範には多様な役割があります。ひとつは個人的機能で、これは集団のメンバー個々に影響します。もうひとつは社会的機能で、集団とメンバー全員に影響します。個人的機能の主な役割は、独特の世界観を与えることです。集団規範により、世界がどう動いているか、その世界でどう考え、どう感じ、どう行動すべきかが示されます。

社会的機能に関しては、指摘しておくべき目的がいくつかあります。ひとつは、メンバー間の関係を調整することです。規範により、周りに対しどのように行動すべきかが示されます。また、集団の機能や目的を明確にするのも規範です。さらに、これは集団のアイデンティティを維持するのにも役立っています。

集団規範

黒い羊効果

とは言え、ルールや規範、少なくともその一部は破られるためにあります。集団のメンバーには、規範に従わないという選択肢もあります。そしてこれが実際に起こると、大多数の集団にはそれを止めようとする人が存在します。集団の中で、規範を敬わないメンバーを侮辱することは珍しいことではありません。また、規範を大事にするメンバー(完璧なプロトタイプ)が上に立つこともあります。

これは、黒い羊効果と呼ばれます。社会的アイデンティティに負の影響を及ぼすメンバーをなくすために侮辱するのです。これに関し、最近スペインで2つの例がみられました。

カタルーニャが独立に向かい動き出した時、それは規範を破る行動だったと言えるでしょう。(皆ではありませんが)ナショナル・アイデンティティを持つ人の一部は、侮辱という反応を示しました。スペインはひとつの国であるという立場に身を置いたのです。そしてその反対もありました。カタルーニャ・アイデンティティを持つ人の中には、スペイン統一派を侮辱する人がいました。ニュースを見ると、この問題が解決していないことは明らかでしょう。

「誰かが文化的規範の外に出た時、文化は自分で自分を守らなければならない」

-Robert M. Pirsig-