罪悪感とその不安障害との関係について

16 10月, 2020
不安は巨大な感情的損害をもたらし、自分の身に降りかかること全てが自分のせいであり、その苦しみは他人にとって重荷になっているのだという罪悪感を常に抱き続けることに繋がります。このような事態に陥ってしまったら何をすべきなのでしょうか?

罪の意識は不安障害がもたらす症状としてかなり一般的です。不安障害に苦しむ人々は自分自身に対して非常に有害な結論を導き出してしまい、本来なら自分には責任のないことを自らの肩に背負いこんでいます。また、現状を歪んだ形で解釈することもあり、そのせいで苦しみがさらに増してしまうのです。

その例として、「私のせいで物事が大きく悪化している」、「私の行動のせいであの人たちを傷つけてしまったことは間違いない」、「私は家族をがっかりさせている」、「母が体調を崩したのは私のせいだ」などの思い込みが挙げられます。しかしこれらの発言のほとんどは似たような道筋を辿って生まれているのです。

こういった人々は不安という感情に完全に支配された、ある種のトンネル・ビジョンの犠牲者だと言えるでしょう。彼らはよく、不安障害やパニック発作などを自分が何か間違いを犯してしまったサインとして、つまり、自らの手には負えない異例の事態として解釈します。そして絶望を覚え始め、私はどうやってこれほどの苦しみを自分にもたらしているのだろう、私のどこがおかしいのだろう、という疑問が浮かぶようになります。

自己非難、そして自分は近しい人々を失望させたり傷つけているのだという感覚が、結局は不安の悪循環を促進してしまいます。そこに自己への要求が大き過ぎる、強迫的思考を続けてしまうといった要素まで加わってしまうと、その人物のメンタルヘルスはいつ爆発してもおかしくありません。

それでは、このような状況についてさらに詳しく見ていきましょう。

罪悪感 不安障害 関わり

罪悪感

罪悪感には理にかなったものと理屈に合わないもの(不合理なもの)の二種類があります。

  • 前者は具体的な事実と関連しており、その事実を考えれば、結果として起こった苦しみや良心の呵責は当然のものと見なすことが可能です。この罪の意識は他人に対して本当に苦痛を与えてしまった結果として、あるいは深刻な影響をもたらすことになった行動に対する責任を感じた結果として生まれます。
  • 後者の不合理な罪悪感は不安障害やその他の種類の精神疾患によって引き起こされるものです。

不安障害に関連する罪悪感に関しては、何らかのことをしてしまった、あるいは感じてしまったことで常に自分自身を責めているような人々の多くがこれを抱いています。自分が何か特定の事柄について考えていることにすら罪の意識を抱くほどです。

自分がネガティブな精神的バイアスを抱えていること、あるいは時折恐怖や不安定さに囚われてしまうような精神を持っていることといったシンプルな事実が罪悪感という闇を出現させます。

その事態を制御できないと感じ、自分の行動が周囲の人たちを心配させているのだと考えます。そしてその全てが単純にこの不快で破壊的な感覚をさらに強めてしまうのです。

不安障害に関連する罪悪感と恥の感情

最近『PLOS ONE』誌で発表された、スウェーデンのカロリンスカ研究所によって行われた研究によれば、不安障害は罪悪感や恥の感情に関連していることが多いそうです。

この二つが異なるタイプの感情であることは明白です。しかし、両者ともが共通のきっかけから現れます。そのきっかけとは何でしょう?それは、感情を制御できないという無能感と、そこから生み出される不愉快さです。

罪悪感を感じるということはつまり、その人物が自身の行ったこと、言ったこと、あるいは経験したことについて好ましく思えていないことを意味します。一方で恥という感情は不安やその他の精神疾患を抱える人にとってさらに有害です。なぜなら、恥ずかしいという気持ちは人としてのありのままの自分に対して嫌な感情を抱いていることを示しているからです。また、自分自身を過小評価したり痛めつけたりして、同時に、起こったあらゆる事柄について自己非難してしまうような場合にも恥の感覚が生まれます。

罪悪感と、その不安障害との関わりについて

不安障害に関連する感情をコントロールするには?

罪悪感や恥の感情を落ち着かせ、緩ませ、静めるための一番良い方法は、この二つの感情を強め、形成しているきっかけ、つまり不安障害それ自体に焦点を当てることです。

このような場合には認知行動療法(CBT)や、あるいはアクセプタンス&コミットメントセラピーも有益で効果的です。

役立つアドバイス

そうは言っても、罪悪感などの複雑な感情の扱い方を心得ておくのは常に有益です。皆さんのお役に立てるかもしれないいくつかのヒントを見ていきましょう。

  • 人が罪悪感を感じるのは、自分自身の行動や感情、あるいは思考について道徳的判断を下してしまう時です。この時その人物は自分はどこかが間違っているはずだ、と思い込みます。この場合にはっきりさせておかねばならないのが、不安障害はその人の欠陥ではないということです。これは自分で対処できる、そしてすべきであるという心理状態なのです。実際、そのために真剣に取り組めばポジティブな変化がもたらされるでしょう。
  • 自分自身を批判するのはやめる必要があります。慢性的な罪の意識で自分自身を罰し続けていると、抱えていた不安は悪化していくはずです。今こそ親切な心で自らに接し始める時なのです。このため、自尊心を強めたり自信やアサーティブネスを獲得するといった取り組みは非常に効果的でしょう。
  • 罪悪感は懸念を増大させます。そして懸念が増大すればするほど、そういった強迫的でしばしば非論理的な思考は大きくなっていくのです。そういったネガティブな思考は静まらせて、頭脳をその他の課題や他の見返りを得られる活動に集中させる必要があります。

まとめると、頭の中の不安に囚われた思考を増幅させるような重荷から自由になるためには、あらゆる努力を行うことが大切なのです。

  • Hiedman Eric (2013) Shame and Guilt in Social Anxiety Disorder: Effects of Cognitive Behavior Therapy and Association with Social Anxiety and Depressive Symptoms. PLoS One. 2013; 8(4): e61713. 2013 Apr 19. doi: 10.1371/journal.pone.0061713