21世紀の求人市場で重宝されるスキルとは?
子どもの時、よく聞かれる質問があります。そういった質問に、子どもは希望と楽観的な姿勢で答えます。恋の火花が燃え上がるようにです。この質問は様々な形で聞かれることがあるでしょう。しかし、最も人気なものはシンプルな質問です。大人になったら何になりたい?
もちろん、このような質問をした人のほとんどは、子どもが「答え」として提示したものを信じていません。結局、数日後にもう一度聞くと、子どもはまた違った答えを返してくるものなのです。
子どもは作家になりたいと言って、次の日には宇宙飛行士になりたくなります。ラジオのアナウンサーと言ったり、映画監督と言ったり、ピエロと言ったり、ホテルの受付と答えたり、次々変わります。4、5、6、7歳くらいの子どもは、弁護士になるのを夢見て眠りについて、朝起きるとお医者さんになりたくなります。他の人がどう思うかなど、関係ありません。
自分に質問を投げかけ始めるとき:何になりたいのか?
しかし、この質問を自分自身にするときがやってきます。答えは簡単ではありません。これは、目的は明確なものの、その道は困難であるからです。あるいは、その道があまり舗装されていないからかもしれません。もしかしたら、自分の本能が天職だと定義するような仕事を見つけられていないのかもしれません。
もちろん、キャリアを決める前から、すでにはっきりとした道がひかれている人もいます。しかし現実には、こういった人は多くありません。その一方で、子どもが答えを出して、次の日には同じ質問に全く異なる答えを出すことを面白いと思っているだけの大人もいるでしょう。
しかし、今大人になると、親の顔は真剣になってきます。プレッシャーをかけ始めてくるのです。「もう学校の校庭で遊んでる子どもじゃないんだから、ゲームはお終い!決断を下すのに十分に経験をしてきたでしょ?それくらいの経験をしてるはずでしょ?はっきり決断して、自分のスキルをキャリアに生かしなさい!」
その「最終」決断が下せないと、親やその他の大人は子どもが「人生に迷っている」と思い始めます。このように思われるのはとてもつらいことです。特に、自分にとって大事な人にそう思われる場合です。遅かれ早かれ、こういう風な評価を自分のものであると受け入れはじめ、能力があるのに努力を一切やめてしまうことは、珍しくありません。
途中で道を変更することで、非難する人もいるでしょう。人に話していた道から外れると、質問攻めにあいます。「医学を勉強するのにあれだけ努力したのに、なぜ家具修理なんてしたいの?」
ここに矛盾があります。大人になると、周りの人は安定を重んじ、それを期待します。しかし、死が人生には終わりがあると私たちに理解させるとき、人はかつてのような冒険心に溢れた自分を夢見ます。
次々と仕事を変える人
ひとつのプロジェクトから別のものへ次々移る人、一つのものに興味が出たと思ったらもう別のものに興味を示している人は、よく誤解されて、社会から見下されてしまいがちです。結局、決まった分野における進歩が重要だと人は考えます。これらの多くの人は、一つのスキルに基づく明確な職業を持っています。 しかしその人たちの多くが、おそらく本当の自分を諦めてしまっているのです。
彼らは、欲望、希望、夢をあきらめたのです。そして、この過程を経ていない人に対して、非難的になります。例えば、テストでカンニングをした人を非難する人は、カンニングする機会がなかった人ではありません。機会があったのに、カンニングしなかった人たちです。だから、貧困から脱出した人は、貧困状態にとどまり続ける人に対して、非難的な態度をとりがちなのです。
たくさんのスキルや可能性を持った人、つまり、「落ち着きがなく」「迷子」の人は、自分の存在の在り方を疎ましく思うようになってしまいます。社会的な規範に沿えないからと言って、自分は失敗作だと感じてしまいます。これによって、自尊心が低くなって、悲しみを感じます。
しかしなぜでしょう?そのプロジェクトから必要としていたすべてを得たのに、そのプロジェクトをやめてはいけないのはなぜでしょうか?もう蜜を十分に得たのに、同じ花に留まるようにミツバチに言いますか?
しかし、幸い、このような状況は変わってきています。今では、様々なプロジェクトに関わり、仕事を何度も変えて、色んな趣味を持つ人のことも、社会が評価するようになってきています。こういった人たちは、3つの性質を持っています。
- 交わりを利用する。様々な分野に長けていることで、プロジェクトを育てて、専門家には出来ないような貢献をすることができます。数学にもサッカーにも興味があって、その分野において革新的な戦法を生み出せるような人です。あるいは、生物学も文学も好きで、科学を文学世界に組み込めるような人です。また、ロボット工学を専門としているものの、人への思いやりを強く持つ人は、相乗効果で、助けを必要とする人のためにテクノロジーを利用します。
- 学びが早い。何度もキャリアを変更しているために、何度も新しい始まりを経験しています。それゆえに、自分を未知の世界に浸らせて、大きな変化を起こす時に現れる緊張を壊す経験が豊富です。
- すぐに適応する。『ファスト・カンパニー』誌は、21世紀に生き延びて繁栄するための最も重要なスキルとして、適応性を挙げています。いくつかの潜在能力があることで、適応性が出てきます。常に新しい分野に挑戦して、どう適応したらよいかを考えているのです。 多くの変化は、不確定の影響を最小限に抑える方法を教えてくれます。実際、他人にとってはストレスな状況でも、こういった人にとってはふつうの状況に感じられるかもしれません。
21世紀に一番必要な能力が本当に適応性であるかどうかに関わらず、確実に重要なスキルではあります。適応する能力があって、喜んで学ぶような人は、企業から求められるでしょう。
専門性も、やはり重要ではあります。しかし、様々な分野での経験の重要性も増してきています。多様な経験を持つ人は、貢献できることがたくさんあるのです。