悪のものさしー自己防衛から精神病まで

悪のものさしー自己防衛から精神病まで
Valeria Sabater

によって書かれ、確認されています。 心理学者 Valeria Sabater.

最後の更新: 21 12月, 2022

マイケル・ストーンは、コロンビア大学司法精神医学の教授で、「悪の解剖学」に関するあらゆる知識に関して参照される人物です。悪のものさしを発展させたのが彼で、それはとても興味深く、印象的です。このものさしは、人間の心の最も暗い部分で育ちうる精神病の元や攻撃性の程度を測るのに役立てるために作られました。

「悪のものさし」はダンテの地獄への降下のようだと言う人がいます。一周一周が、様々な重症度の一連の悪行を示します。私達皆が正当化したり理解できる行為から、とても信じがたいものまで幅広くあります。

「世の中は、悪人によってではなく、悪を許す人によって脅かされている。」

-アルバート・アインシュタイン-

このツールは、有名な司法精神医学の教授によって作られたものですが、犯罪者を裁くという意味では、臨床的価値に欠けます。しかし、ストーン博士自身、また科学の分野に関わる多くの人が、600件以上の犯罪の詳細な分析を元にしたこの観点は、十分厳格であると言います。悪や暴力の種の理解を紐解くカギになると考えられているのです。

 

ストーンの悪のものさし

悪のものさしに関する法医学界や司法の懐疑論は、独自の起源から発生しています。2006~2008年、アメリカのディスカバリーチャンネルは「モースト・イービル(Most Evil)」という番組を放送しました。ここで、ストーン博士が殺人やシリアルキラー、精神病質者を分析します。そして、博士はその方法と動機、何百もの犯罪資料を調査するのです。

 

悪のものさし

このようにして、さらに、刑務所にいる数えきれないほどの犯罪者との面接を通し、なぜ、どのようにこの有名な分類ツールが作られたのかを公に示すことができたのです。

「悪のものさしは、視聴者をすぐに惹きつけた。教育、遺伝、神経的問題、環境要因など暴力行為が行われた原因となるものを22のレベルで示されている」

専門家は当初、これを純粋な感覚論に少し付け足しただけのものだとしましたが、マイケル・ストーンは、その後司法精神医学の分野で、綿密で徹底的なアプローチを行っています。犯罪者の心の曲がりくねった迷路で何が起こっているかを説明する際には、特別な注意を払っているのです。

 

悪とは?

ここで、シンプルな質問です。悪とはどういう意味でしょう?自己防衛で誰かを殺したらどうでしょう?女性が念入りに殺人を計画し、その相手が彼女を虐待してきた人だった場合はどうでしょう? これは「悪」を反映した行為だと思いますか?「境界線」があるのでしょうか?

誰でも、これまでにある行為を「正当化できるもの」、「理解できるが正当化できないもの」、「理解不能なもの」などと判断したことがあるでしょう。私達は皆、暴力的で攻撃的になる可能性をもっていますが、そこには程度、レベル、傾向、力学が存在し、ストーン博士はそれを定義づけたかったのです。

チャールズ・マンソン、テッド・バンディー、ジェフリー・ダーマー、ジョン・ワイン・ゲイシー、デニス・レーダー、その他名の知れた暗殺者は非常に恐ろしく、ほとんどの人が、迷うことなく「悪」と呼ぶだろう。しかし…彼らは皆同じ「悪」のカテゴリーに入るのだろうか?

犯罪の違いは何でしょう?理解できるものとできないものの境界線はどこにあるのでしょうか?人格、遺伝、生い立ち、生まれ育った特別な環境の影響はあるのでしょうか?マイケル・ストーンが次の22のレベルの悪のものさしを作るのに、これらの要因が役立っています。

 

 

第一グループ:正当化された殺人

レベル1は単純な自己防衛です。このケースで、精神病質は見られず、ストーン博士は、彼らは、どのような悪のカタチももたないと結論づけました。

第二グループ:嫉妬や憎しみによる犯行

第二グループは嫉妬により殺人を犯した人、復讐による犯行、共犯、暴力行為を行った人です。多くの人が、自己陶酔的傾向があり、著しい攻撃性がありますが、精神病質はありません。詳しく見ていきましょう。

レベル2:未熟さ、自己中心性をもつ人による情意の犯行です。

レベル3:悪のものさしのこのレベルで分かりやすい例が、レスリー・ヴァン・ホーテンです。この女性はチャールズ・マンソンの「一族」でした。単純にマンソンの命令に従い、人を殺しました。

レベル4:自己防衛で人を殺しましたが、攻撃を仕掛けたのは本人です。

レベル5:トラウマを受けた人(多くは虐待による)で、復讐の気はなく、怒りにより突き動かされました。

レベル6:コントロール不能な怒りの偶発的な攻撃により突き動かされた衝動的殺人です。

レベル7:非常に自己陶酔的で、嫉妬により殺人を犯しました。

叫ぶ人

第三グループ:精神病の境界に触れる

境界線ははっきりとせず、専門家にとっても精神病患者のプロファイリングは簡単ではありません。第三グループには、暴力行為を行ったが、直接は精神病的人格だと割り出せない人が集約されます(ただしそれに近い、特定のまたは一時的な特徴は見られる)。

レベル8抑圧された非常に大きな怒りがみられる人です。小さな理由やある状況により「爆発」し、暴力行為を犯します。

レベル9:悪のものさしのこのレベルは、特定の精神病の特徴がみられる嫉妬深い人です。

レベル10:ここで、昔からいる「暗殺者」が出てきます。冷血でお金のために人を殺し、邪魔になる人を「消す」ことができる人です。自己中心的ですが、精神病的人格ではありません。

レベル11:ここで、マイケル・ストーンは、自己中心的で、より明らかな精神病の特徴をもつ人を分類しています。

レベル12:追いつめられたと感じた時、人を殺す人です。

レベル13:ただ、怒りから殺すことができる精神病的殺人犯です。

レベル14:陰謀家、策謀家、自己中心的な人で、何かを得るために人を殺します。

レベル15:冷血に、怒りをもって何人もの人を殺す精神病者で、チャールズ・マンソンがそうです。

レベル16:悪質な行為とともに殺人を犯す精神病者です。

第四グループ

悪のものさしの最後は、間違いなくダンテの最後の一周です。原始的で悪の元型です。憐れむことができない精神病の人のことを指します。殺人の目的は、暴力行為そのものから得られる快楽です。

レベル17:加虐的性的傾向をもつシリアルキラーです。テッド・バンディーがそうです。

レベル18:苦しめてから殺人を犯す人です。

レベル19:まず、脅し、被害者に恐怖を植えつけた後に、極悪な犯罪を犯す精神病者です。

レベル20:拷問目的のみの精神病の殺人者です。

レベル21:殺さずに拷問のみを求める精神病者です。

レベル22:悪のものさしのこのレベルでは、極度の拷問、殺人を犯す精神病者を指します。

座った人

ここまで見てきたように、悪の深さの旅により、殺人や暴力行為の犯罪の分類が難しいケースもあり、小さな差が多くあることがお分かりいただけたでしょう。

このものさしに、ほぼ納得する人は多いでしょう。また、悪のレベルを測るのに有用だと思う人もいるでしょう。この悪のものさしによりはっきりするのは、犯罪者の心を理解するのに役立ち、分析するのに良いツールを知ったということです。不平等、剥奪、土地や環境からの追い立てから生じたものも多く、このような行為を止めるために、より多くの情報を提供することが、私達が今すべきことでしょう。


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  • Stone, Michael (2009). “The Anatomy of Evil”. Prometheus Books.
  • Zimbardo, Philip (2012). “The Lucifer Effect” Madrid: Paidos.

このテキストは情報提供のみを目的としており、専門家との相談を代替するものではありません。疑問がある場合は、専門家に相談してください。