あらゆることを心配に思ってしまうのはなぜ?

精神的疲弊、疲労感、さらには不眠まで…。人は時折、事実上ありとあらゆるものについて心配してしまい、頭脳を過剰に働かせ過ぎてしまうことがあります。しかし、なぜこのようなことが起こるのでしょう?なぜこのような心配という名のブラックホールに転落してしまうことがあるのでしょうか?
あらゆることを心配に思ってしまうのはなぜ?

最後の更新: 01 4月, 2021

なぜあなたはあらゆる事柄について心配してしまうのでしょう? どうして苦しみを生むような考えから逃れられないのでしょうか? 多くの人々が、人生のいずれかの時点で、まさにこれと同じ質問を自身に投げかけるはずです。実は、このようなタイプの窮地にはまり込んでしまうという事態は非常に簡単に起こり得ます。そのため、心理学の数ある分野の中でもこの独特な領域について掘り下げることが、後々大いに役立つかもしれないのです。

ウェイン・ダイアーをはじめとする著名人たちが、人の心配する大惨事というのは想像上のものの方が現実に起こるものよりもよっぽど悲惨であるという事実を思い出させてくれています。これこそまさに真理なのです。しかし、世の中には歩く心配屋のような人々もいて、こういった人の頭脳は自らの苦しみを悪化させる術にかなり長けています。

そうは言っても、何かを心配することというのは本当にそれほど有害なのでしょうか?自己啓発本の作者たちの多くは、心配することほど無意味なものはない、と提唱しています。しかし、その言明にはもう少し詳しい解説が必要でしょう。

心配は必ずしも有害あるいは悪い行為ではありません。この認知的行為それ自体は、何らかの事柄に対して後々効果的な振る舞いができるよう予測したり懸念を持つというシンプルな一つのメカニズムです。本当の問題は、考え過ぎてしまうことではありません。実は、上手な思考法こそ、学ばねばならないものなのです。これは事実上、知的かつ論理的な、そして効果的な心配の仕方を身に付けるべきだということを意味します。

心配

なぜ全てのことが気がかりなのだろう?

苛立ちを感じていて、なぜ自分はこれほどまでにあらゆることを心配してしまうのだろうと自問してしまうのであれば、それはおそらくあなたが限界に達してしまっているからでしょう。このような状況に精神的疲労が合わさると、やがて身体の違和感や筋肉の痛み、不眠、頭痛といった症状に苦しめられるようになるはずです。

マドリード・コンプルテンセ大学のカルロス・ペルタ博士は、上記のようなシチュエーションは多くの場合、不安障害やうつ病といった心理状態と関連しているのだと、ある興味深い研究の中で提唱しました。

認知処理が将来のことだけに集中していると、問題解決からは程遠くてただ状況を悪化させるようなイメージやシナリオばかりが心に呼び起こされてしまいます。こうなると、健康上の異常を感じ始めるのです。しかし、これほどの極端な状態に至るような事態は避けねばなりません。何がどう転んでも自分自身のためにはならないような、こういったネガティブな上に疲労に繋がる思考の鎖をこれ以上増やしてはならないのです。

上記のような状況ですべきことは、まず原因を特定してそれに応じて行動することでしょう。言うまでもなく、あなたをその状況に至らしめているそもそもの原因を探り、理解しないことには何も始まりません。

おそらく、責任ある人々は常に心配を抱えているものだ、というようなことを教えられて育ってきたという人もいるでしょう。

私たちは、ストレスや不安が当たり前になった社会で暮らしています。事実、あなたもきっと仕事や家族のことに全力を尽くしている人々が皆、オーバーワーク状態であることを当然のことのように見なしがちなのではないでしょうか。責任と心配は常に共存しています。そして、心配すればするほど、その人の責任も増しているということなのです。

こういった状況でできることとは?

このような状況から抜け出したいと願っているのならば、考え方を変えるところからスタートしましょう。心配するのを終わりにして、代わりに今ある問題を解決することに集中してください。自分自身に負荷をかけすぎるのはやめましょう。あなたにはもっと楽な生き方をする権利があります。

過剰な心配により、人の能力は落ちて、幸福度も下がります。境界線の設け方や時間管理の仕方、そして日々の責任をもっと上手くこなす方法を知っておくことが重要です。常に全てのことを自らの手でコントロールすることなどできません。あなたには自分自身のための時間が必要であり、実際のキャパシティ以上のことを自らに強いてはならないのです。

最悪の事態を想定してしまう

ラヴァル大学(ケベック)で行われた研究により、人があらゆることについて心配してしまう理由の一つが明らかにされました。その研究結果は、人には悪い結果を想定し過ぎる傾向があるということを提唱しています。頭脳が最悪の事態に備えようとするので、私たちはそれに応じて反応し、戦略を立て始めるというわけです。

しかし、最悪を予想することは必ずと言っていいほど、不健全で人を疲弊させるような過活性状態に繋がってしまいます。そしてそうなれば、四六時中警戒モードが続くのです。その結果、不眠や肉体の緊張、不快感などが表出するでしょう。

こういった状況でできることは?

自分の頭脳があらゆる現実を、事象を、そして思考を運命論やネガティブ主義のフィルターにかけていることに気づいたら、今こそそれを止めるべき時です。数日間休みを取って、自分を休ませてあげるのが理想的でしょう。心を落ち着かせるためのファーストステップとしては、平穏と落ち着きを手に入れるのが何よりなのです。

心が適切なバランスに整えば、自身の考えを理性的に分析し、変化への道筋を探し始められるようになります。実は、この絶え間なく心配し続ける状態というのは、新たな決断を下す必要性、そして自身のウェルビーイングについて知的に考える必要性を、あなたに訴えている状態とも言えるのです。

心配 なぜ

なぜ全てのことが心配になってしまうのか?

四六時中何かを心配し、頭をよぎる全ての思考に苦しめられている状態というのは、隠れた心理的病状による症状かもしれません。何ヶ月間も、または何年間もなぜ自分は全てのことを心配に思ってしまうのだろうと気を揉んでいるという人は、全般性不安障害(GAD)を患っている恐れがあります。

他の物事を全て覆い隠し、何の猶予も与えてくれないようなその苦悩は、人を精神的にも肉体的にも疲弊させます。もし自分がこのような状態にいることに気づいたら、専門家に助けを求めねばなりません。その症状には、以下に挙げるものが含まれます。

  • 自身の心配をコントロールできないと感じる。
  • 常に心配しているせいで仕事や私生活に支障が出始めている。
  • 頻脈、筋肉の痛み、不眠、めまい、疲労感、息苦しさなどのその他の身体症状に苦しんでいる。
  • 上記のような症状が6ヶ月以上続いている。

こういった状況でできることは?

全般性不安障害に加えて、うつ病やトラウマなど、そのほかにも考慮すべき病状が存在します。したがって、重要なのは正確な診断を受けることです。また、あなたの状態に合わせて個人的にカスタマイズされた治療戦略も必要となるでしょう。

大半のケースで、認知行動療法による治療が効果的です。しかし、心配な気持ちをコントロールする術を学んでおくこともとても大切ですよ。

だからと言って、心配に思う事柄について考えるのをやめるべきだという訳でも、目の前にある試練を避けるべきだという訳でもありません。実は、ウェルビーイングへのカギは健全な思考法の習得に潜んでいるのです。自身の問題一つ一つに解決策を見つけられるような、効果的な心配の仕方を身に付けなければなりません。

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