遊びと子どもの発達の関係

2019年9月8日

遊びは子どもが自然に行うことです。遊ぶ能力には、一見楽しいということ以外に目的が無いように思えます。しかし、数十年前に、それが本当なのかどうかについて心理学者が考えるようになったのです。それからというもの、教育心理学者が遊びと子どもの発達の間の関係について調べてきました。

一つ理解しておく必要がある側面があります。発達の観点からは、自分が楽しいと思う活動をすることは、喜びのためだけではありません。この観点から見ると、何かが喜びを生み出すのであれば、それは私たちの発達に役立つものであることが多いからなのです。

この論理によれば、遊びにはなんらかの機能や効果があるということになります。さらに、子ども時代に遊ぶ時間がとても限られていると、たいてい適合するのがとても下手な大人になってしまうのです。

遊びと子どもの発達の間のつながりについて調べる時には、私たちはさまざまな理論にオープンでなければなりません。これらの理論はそれを支持する証拠という点からはとても異なります。しかし、遊びと子どもの発達の複雑な関係を理解しようとするなら、広い視点を取り入れ、入手できる全てのデータを考慮に入れなければならないのです。

遊びと子どもの発達の理論的観点

このテーマについて最初に研究した人の一人が、カール・グロースです。彼は遊びを、心理的・生理学的成熟を得るのに必要な準備運動と見ています。遊びは、特定の機能の発達を可能にする準備運動の一種なのです。

運動で行うゲームは身体の発達を促し、心理的なゲームは子どもに社会生活への準備をさせます。さらに、遊びは安全な環境で行われるので、子どもは危険にさらされることなくスキルの練習をすることができるのです。

全く違った観点には、フロイトの観点があります。精神分析学的な観点からは、遊びは私たちの無意識の衝動の表現と強く結びついているのです。また、遊びは現実の世界で満たすことのできない願望を満たすことにもなります。

この理論上の観点は魅力的に思えますが、それを支持する科学的証拠がほとんどありません。そしてそれはまた、科学がのっとっている質素さの原則にも反します。

遊びと子どもの発達の関係

社会的活動としての遊び

レフ・ヴィゴツキーにとっては、遊びは社会の一員の間の協力のカギとなる社会的活動です。この協力のおかげで、それぞれの人が役割に適応できるようになる(役割の推測)のです。それは、大人になってからの人生では重要な側面です。

ヴィゴツキーはゲームの中の象徴主義にのみ注目しました。彼はゲームの中では単純な物が新しい意味を持つ様を指摘しています。例えば、ブラシやホウキが馬になったりすることです。彼にとっての遊びの主な機能とは、役割や意味を共有することなので、彼には社会構築主義者的観点があったと言えるでしょう。

遊びについて理論化した人には、ジェローム・ブルーナーもいます。彼の視点によると、遊びは人間が生まれ持った未成熟さに関係があるそうです。つまり、私たちはたくさんのとても異なるタイプの行動をとることができ、それによってとても柔軟で適応しやすくなっているということです。

ですので遊びはこれらすべての行動を経験するのにとても役に立つのです。また、私たちが文化的環境に適応する方法を学ぶのにも役立ちます。これを遊びながら行うことで、人はプレッシャーを感じずに実験することができるのです。また、悪い結果になる可能性も最小にすることができます。

ピアジェは、発達心理学の権威の一人ですが、遊びについて書いています。彼の視点は、遊びは遊びでない活動と全く違わないというものです。彼の眼には、遊びは子どもが現実について学び、ある意味でそれをコントロールするための適応行動だと映っていました。これはピアジェが発展させた同化と調和の概念と深く関係のあるものです。

遊びの大切さ

遊びの目的については、さまざまな観点があります。しかし、遊びと子どもの発達のつながりの重要性は明確なのです。さらに指摘しておくべきことは、異なる視点は互いに相いれない訳ではないということです。遊びと子どもの発達の関係は、多方面にわたる、豊かなものでありうるのです。

遊ぶことが子どもに与える可能性についてわかったので、その妥当性を理解できるようになったことでしょう。遊びが子どもの人生に存在しないと、子どもの身体的、心理的、そして社会的発達に悪影響が出る恐れがあります。ですので、余暇を過ごすアクティビティは子どもの毎日の生活に欠かせないものであり、プレッシャーのない中で、たくさんのモチベーションを持って行うべきことなのです。

遊び方を学ぶことは、人生の中のすべての分野において成長するのに必要なことを子どもに教えてくれます。ですので、子どもの遊びの時間を、より重要だと思ってしまっているかもしれない「知的な」あるいは「教育的な」活動と交換するという罠に落ちないようにしましょう。

本当のところは、遊びが無いと、子どもの認知的・知的発達は妨げられてしまうのです。生まれる前から、私たちは成長し発達しているということを忘れてはなりません。これは生まれてからも続き、私たちは遊びが子どもの人生に必須な役割を果たすようにしなければなりません。そしてまた、遊びはとても自然で楽しいものですよね!