カール・ホブランド:彼の説得的コミュニケーションと人生

2019年10月11日
カール・ホブランドは、メディアが人々の意見や態度を変えることができれば、偏見やステレオタイプなどの深刻な社会問題を解決する効率的なツールになりうると固く信じていました。

今回の記事では、ある特定の心理的サブフィールドに焦点を合わせず、実験的な研究に従事した優秀な心理学者であるカール・ホブランドについてご紹介します。

彼の研究は、多くの社会的、実験的、認知心理学モデルの基礎となっており、20世紀で最も影響力のある心理学者の1人として知られています。

彼は、説得的コミュニケーション、グループダイナミックス、一般的なコミュニケーション、そして思考の研究に従事しました。イェール大学で学んだあとは、米軍とロックフェラー財団の重要なプロジェクトに参加しました。さらに、イェール・グループを設立し、説得的コミュニケーションに関する最初の研究を行いました。

第二次世界大戦中は、米国国防総省に従事し、働いていた兵士の動機と態度の変化を研究しました。

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カール・ホブランド 説得的コミュニケーション

カール・ホブランドの人生

カール・ホブランドは、1912年に生まれました。小さい頃は、同級生との付き合いに問題を抱える賢く内向的な子供でしたが、教師たちは、彼を「夢の世界に住んでいる恥ずかしがり屋の優秀な生徒」だと表現しました。

ノースウェスタン大学では、数学、生物学、物理学、実験心理学を学び、その後は博士号を取得しました。イェール大学では、のちの彼の人生と研究に大きな影響を与えた心理学者と出会いました。

その心理学者の一人がクラーク・L・ハルであり、のちにホブランドの指導者そして同僚となりました。

博士号の取得を目指して研究を行なっている間に、ホブランドは6つの学術論文を発表しました。研究を終えると、ホブランドはイェール大学で教鞭を取り、研究グループであるイェールグループを作りました。

1938年に結婚し、家族を作りました。

第二次世界大戦中は、前述したように、米国国防総省において、プロパガンダ映画が兵士の訓練に与える影響を研究するため、イェール大学での研究を中断し、こちらの研究に従事しました。

この研究とキャンペーンを行なったのは、以前のプロパガンダが効果的ではなかっただけではなく、逆効果であることが判明したからであり、当時日本軍と戦っていた兵士たちをやる気にさせることが目的でした。

戦後はイェール大学に戻って心理学部の学長となり、39歳のとき、アメリカ心理学会(APA)の会長に選出されました。

ホブランドの妻が病気になり死亡した後、ホヴランドも、癌が原因で49歳の若さで亡くなりました。

ホブランドの研究

ホブランドとクラーク・ハルは、数学的方程式を通して、記憶学習と心理言語統合を評価する一連の研究を行いました。

その後、ホブランドの興味は、コミュニケーションなどの心理学の他の側面へと移りました。先に述べたように、第二次世界大戦中、米国国防総省は兵士の動機付け訓練プログラムを監修するためにホブランドを使いました。

ホブランドは、「意見を変えることに対する人々の抵抗」について分析し、これをどう克服するかという方法を開発したのです。

彼の成果は多岐に及び、ホブランドと彼のチームは、説得的コミュニケーションを成功させるためには、一方的な情報提示が有効だとするナチの理論に反対し、ナチの理論とは矛盾する結果を示しました。

戦後イェール大学に戻ったホブランドは、社会的コミュニケーションに研究の焦点を合わせ、特定の情報提示による態度の変化について、ロックフェラー財団との研究プログラムを行いました。

こちらもご参照を:「言葉には出さないけど愛してる」~非言語的コミュニケーション~

カール・ホブランド

カール・ホブランドの功績

ホブランドは自分の研究を、問題解決、コミュニケーション、意見の変更、社会的判断などの分野へと拡大しました。多くの専門家は、彼が社会コミュニケーションに最も貢献した専門家であると断言します。

ホブランドは、コミュニケーションに影響を与えるすべての要素を研究し、そのすべての変数の影響に焦点を当て、人間の態度に焦点を合わせた効果的なコミュニケーションにおけるさまざまな段階を特定しました。

  • メッセージを受けとる
  • 注意
  • 理解
  • 受容
  • 保持

さらにホブランドは、コミュニケーターの信頼性、メッセージの性質、メッセージを聞く受信者の傾向など、メッセージを受け取る際の、幅広い環境の設定の研究にも取り組みました。

1953年には、大規模なコミュニケーションと説得的コミュニケーションに関する研究を発表しています。

カール・ホブランドは、コミュニケーションと説得に関わる研究に革命をもたらしました。彼の研究は、現在行われている様々な研究とも大きな関連性があり、間違いなく、その道の研究への道を開いたと言えるでしょう。

  • Hovland, C. I., Lumsdaine, A. A., & Sheffield, F. D. (1949). Experiments on mass communication. Princeton, NJ: Princeton University Press.
  • Sears, R. (1961). Carl Iver Hovland. American Journal of Psychology, 74 (4), 638.
  • Kathleen P. Hurley and John D. Hogan (2007) Carl Iver Hovland: A model general psychologist. American Psychological Association APA. Newsletter Article (1425) Magazine Article (696)