コロナパニックによる買い占め:専門家の見解は?

20 5月, 2020
我々が現在COVID-19、コロナウイルスによる異常な状況を経験していることは明らかであり、それ故、相応の備えが必要です。しかし買い占めは、特定の製品が不足したり、価格が高騰するなどのネガティブな結果をもたらします。

空っぽの陳列棚。カートに商品を詰め込んでレジに並ぶ人々の列。緊張感、焦り、人々の間で交わされる不安な目線、そして必需品や食物やトイレットペーパーが底をつく恐怖。コロナウイルスによる買い占めは驚くほど増加しており、同時にパニックの感覚をさらに悪化させています。

しかし連れ立ってスーパーマーケットに行き、家に備蓄するために大量の食物を購入することに意味などあるのでしょうか?あるいは私たちはもしかしたら全く不合理な行動を目の当たりにしているだけなのでしょうか?まず、一つ明白な事実があります。COVID-19のアウトブレイクが進行すると、我々は非日常的な対策を取らざるを得なくなりますが、その一つが隔離です。

また、一部の人々は15日間あるいはそれ以上の日数自宅に留まることを強制されます。このような場合には、その隔離期間の間使用するのに十分な資源を確保しなければならないことは明らかです。しかし、供給の問題は一切ないとスーパーマーケットチェーンは述べており、製品は通常通りに補充され、それが変わりそうな兆候はないとしています。

とはいえ、人々が恐怖を抱いているのは明白です。皆さんのお住いの地域がアメリカだろうとニュージーランドだろうとスペイン、フランス、マレーシアだろうと、買い占めはあらゆる場所で起こっています。しかしこの行動は真新しいものというわけではなく、これが起こるのには非常に具体的な理由がいくつか存在します。ではそれらについて分析していきましょう。

コロナパニック 買い占め

コロナウイルスによる買い占め:その正体とは?

アブラハム・マズローは彼の有名な欲求のピラミッドのなかで、我々の幸福感の土台、つまり最初のステップは生存に必要な食物を得るというニーズだということを教えてくれています。不確実で恐ろしい状況の真っ只中にいると、基本的な物資を家に揃えておくことで脳に安らぎが生まれるのです。これは理にかなっています。

しかし、私たちが検証に成功したのは、人間が何かに対してパニック反応を起こすのにそれほど大きな要因は必要ないという事実です。率先した態度が必要なことは明白でしょう。

とはいえ、大衆全体にこの反応が起こると、誰もが避けたいと考えているような状況が引き起こされてしまいます。それは特定の製品の不足であったり、長蛇の待機列の発生などです。時にはストレスフルな状況や人と人との対立さえ起こります。このため、コロナウイルスによる買い占め現象のいくつかの側面を考慮に入れておく必要があるでしょう。

積極的な行動は必要?イエス、買い占めは?ノー

デイヴィッド・サヴェージはオーストラリアにあるニューカッスル大学で行動科学およびミクロ経済学の教授をしています。彼の主張の一つに、我々は賢明になるべきだというものがあります。15日間の隔離生活に従わなければならなくなる可能性は実在し、そのため備えが必要です。しかし私たちはそれを合理的でバランスのとれた方法で行わなければなりません。

「合理的でバランスのとれた」とは一体どういう意味でしょう?これはつまり、トイレットペーパーを15袋も購入してはならない、ということです。ショッピングカートに20本もの消毒用アルコールジェルを押し込んではならない、ということです。これらはまさに現在多くの都市や国々で起こっている現象であり、不合理な買いだめ行動を形成しています。そしてこれが主に二つのネガティブな結果をもたらします。一つ目が買い占められた製品の枯渇、二つ目が価格の高騰です。

コロナパニック 買い占め

買い占めはさらなるパニックを生む:恐怖の悪循環

メディアもまたある意味で、このパニックの原因です。コロナウイルスによる買い占め行為は、恐ろしくて不確実な状況への単なる本能的な反応というわけではありません。

テレビやソーシャルネットワークでシェアされるビデオに映る買い占めをする人々を見ることには伝染効果があるのです。

COVID-19ウイルスに関して、私たちがそれほど焦って行動しなければ、生活必需品が尽きてしまうという苦悩のような伝染性の恐怖を抱かなくて済む、という点を覚えておきましょう。

疑念や状況をコントロールしたい、という願望

スティーヴン・テイラーは臨床心理士で、ブリティッシュコロンビア大学の教授です。最も関連度の高い彼の著作の一つに『The Psychology of Pandemics(パンデミックの心理学)』がありますが、その本の中で彼は我々全員が念頭に置いておくべき興味深い点について説明しています。

人間の脳はしばしば受け取った情報に対して不信感を抱きます。「全てのことを知らされているわけではない」という感覚が常にあるのです。時にはフェイクニュースを信じてしまったり、矛盾した情報を受け取ってしまうこともあります。こういった状況では恐怖心は増す一方で、それにより状況をコントロールする必要があると感じてしまいます。

この感情を満たす方法の一つが買い物です。手を洗い、適切な防御をして衛生対策を取ることが確実に有益であることは私たちもわかっています。しかし、帰宅して棚に食物や必需品が溢れかえっていると安心感や気楽さが生まれ、状況をコントロールできているという感覚が湧いてきます。

コロナパニック 買い占め

代替案:危機的状況でも合理的に買い物をすること

コロナウイルスによる買い占めはパニックを悪化させますので、この罠に嵌るのは避けなければなりません。それにもかかわらず、私たちがCOVID-19に関して異常な状況を経験していることは明白です。

私たちがこの状況に適応せざるを得ないことは明白ですが、この現実にうまく向き合うためのカギは、まずは冷静に調和的に、そして知的に振舞うことです。そうすることで最善の自分を引き出すことができます。

したがって、積極的に行動すべきか、という疑問に対する答えはイエスですが、それは合理的な方法で行わねばなりません。

一日ごとに購入量を増やすことは推奨されているのでしょうか?全ては専門家からの指示次第です。

隔離や学校閉鎖

自己隔離のために長期間自宅にいなければならない、あるいは学校が閉鎖されて子どもたちが一日中家にいる、といった場合にはこれに対する備えが必要になります。

  • パニックによる買い占めは避けましょう。不安や恐怖に突き動かされた行動は状況を悪化させるだけです。価格の高騰や品薄に繋がります。
  • 必要なものは一日ごとに購入すべきです。多すぎず、少なすぎない量を買いましょう。
  • 保健所が特定の対策を推奨しているのであれば、それに応じて行動しましょう。
  • 将来のことを無分別に危惧するのはやめるべきです。店から必需品が尽きることはありません。必要な時にはいつでも通常通り買い物をすることができます。

最後に、この状況が自分にとって掌握しきれないものだと感じている場合には、ためらわずに専門家に問い合わせてください。

危機的状況は、冷静さや人々の総意の元、全員が一緒になって互いを励ましあえるような市民的行動とともに対処されるべきです。今のところ、いくつか嬉しい知らせも届いています。中国はウイルスとの戦いに勝利しつつありますし、現在進行中のワクチン開発プロジェクトは8つほど存在しています。

  •  Taylor, Steven (2019) The Psychology of Pandemics. Cambridge Scholars