出会ったばかりの人を信頼することはできますか?

「この人は信頼できる人なのだろうか?」誰かに出会うと、信頼できるかどうかの決定を下す第一歩を踏み出しますが、どのような要因が決定に役立つのでしょうか?私たちを導くものは何でしょうか?
出会ったばかりの人を信頼することはできますか?
Gema Sánchez Cuevas

によって書かれ、確認されています。 心理学者 Gema Sánchez Cuevas.

最後の更新: 16 11月, 2019

人々を全く信頼しないという人生は、多くの負の結果をもたらすでしょう。自分を社会や世界から隔離することになりますし、容易に被害妄想的な考えを持ち始める危険もあります。

しかし、出会ったばかりの人を即座に信頼するのは、良い考えではないかもしれません。

これは私たちの信頼を得るのに値しない誰かを、人生に招き入れることになるかもしれないからです。テクノロジーとソーシャルメディアによって新しい人との出会いがとても簡単になった現代社会では、出会ったばかりの人を信頼するかどうかというのが重要な問題になっています。

ネット社会をはじめとするバーチャルの世界、つまり仮想現実の世界では、誰よりも多くの情報を共有している人が全くの「見知らぬ他人」であり、彼らの言葉が真実かどうかを確実に知る方法はありません。

ネット社会の影響により、現実の世界でも、新しく出会った人との関係がすぐに親密になることがあります。これは美しい友情やロマンチックな関係の始まりになることもあれば、悪夢の始まりにもなり得ます。

初めて会った人を信頼するべきかどうか、どうやって決めたらいいのでしょうか?

「信頼とは血圧のようなもの。静かで、健康のために不可欠だが、乱れると致命的になるだろう。」

-フランク・ゾンネンベルク-

出会ったばかりの人 信頼

常に本能を信じることはできない

ニューヨーク大学とダートマス大学の研究によると、私たちの脳は、相手を信頼できるかどうかを判断するのにわずか3秒しか費やしません。これは脳が何かを決断するときに使用するパラメーターが、純粋に物理的だからです。例えば、これまでの経験から「頬骨が大きく、眉が高い人は、より信頼できる」などと考えることです。

信頼できるかどうかの決定を行う脳の領域は原始的です。つまり、かつては頬がこけている人は空腹を意味し、空腹の人は信用できない傾向がありました。

しかし現代社会では、これらの脳のパラメーターは有用ではありません。また、自分が知っている誰かと身体的な特徴が似ている場合、出会ったばかりの人を瞬時に信頼する傾向があるという研究結果がありますが、これは、潜在的に騙される可能性の高いパラメーターとなるでしょう。

直観や本能だけでは、誰かをすぐに信用するかどうかの判断をするのに十分ではありません。もちろん、経験が本能を形成するというのは事実であり、過去の間違いのすべてを修正できるわけではありませんが、信頼できるかどうかの決断において役に立つでしょう。

こちらもご参考に:人間の本能に関するいろは

誰かを信頼することは過程であり啓示ではない

すべての人の良いところを見つけ、彼らが最高の人々であると信じるのは、世界とつながる素晴らしい方法です。しかしそれと出会ったばかりの他人に自分の心の鍵を渡すのは全く別のことです。

信頼とは時間をかけて構築するものであり、瞬時に何かに「啓示」されるように起こる出来事ではありません。

一般的に、スペクトルが逆の人同士はお互いを信頼しません。つまり、共通点がない人をすぐに信頼することはありませんし、逆に出会った瞬間からこちらに対して過度の興味を示して、好かれようと必死になっている人を信頼することもほとんどないでしょう。

これらはすべて、誰かを信頼するかどうかという決定に役立ちますが、友人や同僚、そして家族などの環境や人間関係を見ることも重要です。

出会った人の過ごしている生活環境や、相手の周りの人を知ることで、信頼できるかを判断することができますが、本人だけをただ観察して信頼できるか判断するのは非現実的な方法だと言えるでしょう。

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注意事項

誰かを信頼するべきかどうか判断ができない場合は、できる限り中立的な立場から相手の行動を観察してください。

忍耐力と慎重さを持って観察することで、相手を信頼できるかどうかという決断を下すのに必要な情報を得ることができるでしょう。

注意すべき点をいくつかご紹介します。

  • 褒め言葉と贈り物:すでに恋愛関係にある人や友人、そして家族からこれらを受けた場合はとても素晴らしいことです。しかし、知らない人からの褒め言葉や贈り物には注意が必要です。こちらのことを知りたいと思っているだけでなく、操作をしようとしている可能性も否定できません。
  • 他人を信頼する人かどうか:一般的に、自分以外の人を信頼できる人は、周りの人が自分を投影することを理解している人であり、信頼に値することが多くあります。また他人をどう判断しているかもしっかりと見極めてください。
  • 魅力的な人:マニピュレーターと呼ばれる他人を操作する人やサイコパスと呼ばれる精神病質者は、初対面ではとても魅力的な人物であることがほとんどです。
  • イライラや欲求不満への対処方法:自分の欲求が満たされない状況やストレスの多い状況において、その人の本来の性格が現れる傾向があります。物事がうまくいかないとき、どのように反応するかに注意してください。

出会ったばかりの人に惹かれて信頼しようとするのは健全な行動ですが、時間をかけて相手を理解するように心がけ、相手から得られる情報がポジティブなものであるならば、二人の関係をゆっくりと進めましょう。

焦らずゆっくりと相手との距離を縮めることで、相互の信頼関係は自然に発展していくでしょう。

急ぐ必要はありません。良いものは待つ価値があることを忘れないようにしましょう。


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  • Herreros Vázquez, F. (2004). ¿Por qué confiar? Formas de creación de confianza social. Revista mexicana de sociología, 66(4), 605-626.

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