電気けいれん療法の使い方

21 3月, 2020
電気けいれん療法(ECT)は、薬物に反応しない重症度の高い、多くの障害の治療に使われ効果を発揮しています。あまり評判が良くないと思われがちですが、この電気けいれん療法について詳しく見ていきましょう。

電気けいれん療法あるいはECTは、映画やテレビの影響のせいか、あまり良くない印象があります。しかしここ数年この方法の開発は進み、専門家により実践のための要項や注意点が確立されました。

その結果、患者に使える安全で効果的なテクニックになっています。この過程の中で、従来の治療法では効果がなかった病気の症状の改善や緩和も見られています

電気けいれん療法

 

電気けいれん療法とは

電気けいれん療法では、脳に微弱の電流を流します。問題となっている症状を良くするための変化につながるけいれんを起こすことがねらいです。

この療法は、病院で短時間の全身麻酔の下行われます。医師は、患者の頭に電極を付け電流を流します

約40秒間発作が起こり、数分後に患者は目を覚ましますが、治療の記憶はありません。

効果を発揮させるためには、全部で6~12セッション、週に数回繰り返し行う必要があります。時には間隔をあけたフォローアップECTを受けたほうが良いケースもあります

 

電気けいれん療法の使い方

うつ病

電気けいれん療法はうつ病の治療に効力を発揮しており、80%のケースで顕著な向上が見られ、薬物治療を上回る結果となっています。それだけでなく、電気けいれん療法は安全で速い方法です。

特に、薬物治療が効かない重度のうつ病患者に推奨されています。また、自殺のリスクがあり早急な対応が必要とされているうつ病患者にも有効な選択肢です。また、老人性うつ病の治療で特に効果が見られています。

双極性障害

双極性障害の治療における電気けいれん療法は、この障害の治療で幅広く使われているリチウムの効力に似ています。しかし、ECTの方が結果が早く現れます。特に電気けいれん療法の効果が発揮されるケースは、精神運動性興奮が高い患者です。

緊張症

緊張症は、様々な障害から生じる臨床症状です。緊張症の人は、外部刺激に対して動けず、麻痺し、反応しなくなることがあります。緊張症におけるECTの反応率は80~100%です。そのため、電気けいれん療法は最も良い選択肢のひとつと言えるでしょう。

精神病性障害

統合失調症やその他の精神病性障害の患者の治療には、選択肢のひとつとして抗精神病薬と合わせECTの治療が進められています。

エピソードの急性度がより高く短期間であればあるほど、効力は高くなります。また、運動および行動障害が顕著なケースで、電気けいれん療法は効果を発揮します

電気けいれん療法

 

電気けいれん療法の副作用

  • 治療後、軽い見当識障害や混乱が見られます
  • ECTの後、新しい情報を思い出したり保持することが難しい場合があります。ただ、これは一時的なもので、多くの場合2週間以内には回復します。
  • 過去のできごとを忘れることがあります。特に最近の記憶に影響します。治療後6カ月の間に物忘れは軽くなっていきますが、ギャップが残ることもあります。
  • 頻度はさほど高くありませんが、心臓や呼吸器の合併症が起こる可能性があります。

 

指針

現在、医師は、電気けいれん療法を最終手段として使っています。患者が薬物に反応しないケース、あるいは反応しても効果があまりみられないケースに使われます。また、急速な対応が必要とされるリスクの高い場合にもこれが選択されます。さらに、医師が推奨する薬を患者が何らかの理由で服用しない場合、電気けいれん療法が勧められています。

しかし電気けいれん療法は、効果的で急速な効果が示されており、最終手段として使われるべきではないと考える研究者は少なくありません

専門家が正しい要綱に従えば、電気けいれん療法は安全な方法だとされています。それでも、どんな介入法にもリスクはつきものだということを忘れてはいけません。しかし電気けいれん療法は、多くの病気、障害、症状に対する最良の最初の方法にもなりえます。

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