「エーラス・ダンロス症候群」とは?

09 9月, 2020
エーラス・ダンロス症候群は、先天性の珍しい病気で、結合組織に影響がでます。

医学や科学は日々進歩し、人間の病気に関する研究や情報はますます増えています。しかし、患者数が少ないために、広く研究が行われていない病気もあります。そのひとつが、エーラス・ダンロス症候群(EDS)です。

ある病気が珍しいと呼ばれる基準は国により異なりますが、その幅は大きくありません。例えばヨーロッパでは、患者が2000人に1人(人口の0.05%)の場合、珍しい病気だと言われます。

ここでは、珍しい病気のひとつであるエーラス・ダンロス症候群(EDS)についてお話します。EDSは、完治できない病気で、体の結合組織に影響が出ます。あまり知られていないこの病気やその患者への意識を高めることがこの記事のねらいです。

エーラス・ダンロス症候群

エーラス・ダンロス症候群

エーラス・ダンロス症候群は、EDSとも呼ばれ、結合組織の遺伝性の先天性疾患で、コラーゲンに直接的な影響があり、これにより皮膚や関節、血管壁にも問題が生じます。エーラス・ダンロス症候群は、イギリスやその他の国では珍しい病気とされており、日本でも難病に指定されています。

「一般市民2000人の内1人がかかる病気は珍しい病気とされます。5000~8000もの病気がこれに当てはまります。17人に1人、7%の人が、人生のどこかで珍しい病気にかかります。これはイギリスで言うと、約300万人です」

-Genomics England-

EDSにも様々なタイプがありますが、どのタイプも一般的に伸縮性が高く弱い皮膚を持ち、関節は非常に柔軟で弾性があります。

エーラス・ダンロス症候群の種類

EDSは最大13に分類されます。(限られたEDS患者の中でも)よく見られるのは、古典型、過可動型、血管型、心臓弁型です。次に科学的に認識されている型をご紹介します。

  • 古典型EDS(cEDS)
  • 類古典型EDS(clEDS)
  • 心臓弁型EDS (cvEDS)
  • 血管型EDS (vEDS)
  • 過可動型EDS
  • 多発関節弛緩型EDS (aEDS)
  • 皮膚脆弱型EDS (dEDS)
  • 後側彎型EDS (kEDS)
  • 脆弱角膜症候群 (BCS)
  • 脊椎異形成型EDS (spEDS)
  • 筋拘縮型EDS (mcEDS)
  • ミオパチー型EDS (mEDS)
  • 歯周型EDS (pEDS)

EDSの症状

エーラス・ダンロス症候群の人は、変化や痛みを感じ始め、それは時と共にコンスタントなものになっていきます。それぞれのタイプに特徴的な症状がありますが、共通する部分もあります。

これらの症状のひとつが自分に当てはまるからと言って、必ずしもEDSであるというものではなく、また、これらの症状がないからと言って、この病気とは関係ないとは言えません。

もっともよくある症状は、背中や腰の痛みです。より詳しく言うと、患者は背中に大きな負荷がかかっているように感じ、筋肉のけいれんも起こりやすくなります。この症状を、背中にセメントを背負っているようだと表現する人もいます。

もうひとつよくある症状は、靭帯の過可動性です。エーラス・ダンロス症候群の人は、靭帯が調整されていないギターの弦のようになっており、柔軟性に非常に優れています

また、非常に伸びやすく、傷づきやすい皮膚もよくみられます。テーブルにぶつけるなどのちょっとしたことでも、広範囲のあざの原因になります。また、EDSではない人にとって小さな傷になるようなものが、EDSの人には深刻な傷になりかねません。

偏平足も、エーラス・ダンロス症候群の人によくみられます。足がつることがよくあり、そうならないように独特の歩き方をします。これを確かめるために、靴の裏を見てみるといいでしょう。どちらか一方が、摩耗していることがよくあります。また、視力の問題も少なくありません。

エーラス・ダンロス症候群の人でもっとも大きな問題になるのが、関節が外れることです。何度も軟骨が外れるということは、骨が周りを動き過ぎており、深刻な脱臼にもなりかねません。

さらに、EDSの人は、早期関節炎に注意しなければなりません。また、非常に柔らかく滑らかな皮膚もこの病気の特徴です。

エーラス・ダンロス症候群

診断と治療

診断名を得るためには、多くのケースで長期的でつらいプロセスが必要とされます。少なくとも3年はかかります。また、エーラス・ダンロス症候群と言われる前に、線維筋痛症などの病名を聞くことも少なくありません。

線維筋痛症、慢性疲労症候群、漸進性エリテマトーデスとEDSの共通点は、これらすべてリウマチ科に入ることです。同じような症状があり、間違うのも無理はありません。

もうひとつの共通点は、どれも完治しないことです。これらの診断を受けた場合、症状を改善させるための治療を受けることになります。例えば、理学療法などは関節可動性の進みを止めるのに役立ちます。

医師がどのタイプのEDSと診断するかにより、受ける一連の検査が異なります。例えば、心臓弁型EDSには、この種のEDSによく見られるマルファン症候群を調べるために、循環器の医師が検査を行います。治療を受けなければ危険にさらされるケースもあります。

あなたや知り合いがエーラス・ダンロス症候群の疑いがあるのであれば、診断を受けるため、あるいは情報を得るためには、専門家の元を訪れるといいでしょう。