博愛主義者チャック・フィーニー

12 9月, 2020
チャック・フィーニーは、信念をもって生きる男性です。非常に裕福な男性ですが、シンプルライフを続け、持っているものの多くを人に与えています。
 

チャック・フィーニーに関し、私達が取り上げることができるのは、実は偶然のできごとのおかげなのです。素晴らしい博愛主義者チャック・フィーニーは、長年財産を人に与え続けてきました。何人の人を救って来たかは誰にも分かりませんが、何千、あるいは何万人もを救ってきたと考えられます。ですが、彼は自らの功績を隠してきました。彼について知ることができたのは、書類の取違いがあったためです。

チャック・フィーニーはドナルド・トランプと正反対だという人がいます。トランプはお金や富が欲しいという気持ちを隠そうとはしない人物です。一方フィーニーは、物質的な裕福さにあまり関心がないようです。彼は、その活動が政治的に不人気であっても、人道的活動を支持するのです。

「質素であることは知的である」

-チャック・フィーニー-

この2人のもうひとつの違いは、トランプは常にスポットライトを求め注目を浴びるために富を利用する一方で、フィーニーはできるだけ話題にならないようにし、また、有名人やお金持ちのリストにのることを避けてきました。フィーニーはお金を稼いでそれを人に与えている一方で、現アメリカ大統領は人のお金を集め自分の物にします。

チャック・フィーニー
 

貧しい育ち

チャック・フィーニーは大きな資産を受け継いだわけではありません。彼にお金があるのは、努力の成果です。1931年4月23日フィーニーはニュージャージー州で生まれました。アイルランド人の貧しい家庭で、当時アメリカに着いたばかりでした。母親は看護師、父親は保険外交員でした。

フィーニーが生まれた当時、アメリカは世界恐慌の真っ只中でした。すべてが足りない状態で、両親が子どもに与えられるものは限られていました。フィーニーが初めて仕事をしたのは10歳の時で、生活の足しになるようにと、家を周りクリスマスカードを売りました。

後に、彼は朝鮮戦争の空軍に招集されました。その後、退役軍人に奨学金を与える国の制度を利用し、ニューヨークのコーネル大学に入りました。そこで、ホテル管理を専攻し、家族の中で初めて学位を取得しました

巨額の富

チャック・フィーニーとロバート・ミラーは1960年デューティーフリーショッパーズ(DFS)を立ち上げました。彼らは免税のパイオニアで、他国にあるアメリカ軍基地に製品を売り始めました。ビジネスは拡大し、すぐに成功をおさめました。

数年後、フィーニーの免税ビジネスは、世界的に最も成功しているビジネスの一つになりました。やがて億万長者となりましたが、変わった行動をとったと言う人もいます。フィーニーは贅沢をしませんでした。危険なことをしてみたり、オークションで何百万を使い、変わった物を手に入れようともしませんでした。非常に質素な生活を送っていたことで、風変りとされたのです

 

高給レストランには行かず、移動も安く済ませました。また、15ドルの時計をもち、大きなイベントに姿を表すこともありませんでした。大金を手に入れても、それは自分と家族に必要な分以上だと思ったのです。そしてひそかに、財団「The Atlantic Philanthropies」を創設し、人に資産を与え始めました。

チャック・フィーニー

素晴らしい人間性

現在、チャック・フィーニーは、アメリカ史上もっとも多くのお金を寄付したアメリカ人です。80億ドル以上寄付したと推定されているのです。もっと多くを寄付した人もいますが、彼らはそれ以上の額を自分のためにおいています。しかし、フィーニーは違います。基本的に彼はすべてを人に与えるのです。

フィーニーが手元に残しているのは、自分と家族が生き残るように必要だと考えられる200万ドルだけです。サンフランシスコでアパートを借りて暮らしています。車は所有しておらず、移動は安く済ませ、普通のレストランに行きます。

チャック・フィーニーは、慈善活動をひそかに行う予定でした。しかし、彼のもつ株に関する書類が漏れ、彼のお金に関するすべてが明るみに出ました。一部は、キューバやベトナムの医療制度、アイルランドの平和活動、南アフリカの経済プログラムの支援に使われていたことがわかりました。

 

なぜ、このような活動をしてきたか聞かれた時、フィーニーは自分のしたことで世界がより平和な場所になっていることに幸せを感じると答えています。寄付をしたとき、特別な計画があったのではなく、ただ人を幸せにしたかったのです。また、彼は自分が自分であること、そして今まで達成してきたことに喜びを感じると語っています。これだけで十分なのです。

 

Panasiuk, A. (2018). El hombre más rico del mundo: Y las ideas que construyeron su patrimonio. Grupo Nelson.