ヘンリー・デイヴィッド・ソロー:意識的に生きる

ヘンリー・デイヴィッド・ソローは、死の床で、自分が目一杯生きなかったことに気づくことほど悪いことはないと言います。私達の多くには、まだ時間があります。意識的に生き、全力で、目的を持ち、自由に、シンプルに存在する努力をすべきです。
ヘンリー・デイヴィッド・ソロー:意識的に生きる

最後の更新: 03 4月, 2021

ヘンリー・デイヴィッド・ソローは、人は意識的に生きる努力をしなければならないと言っています。これはすでに私たちがやっていることではないのでしょうか? その答えはノーです。生きることは、単に存在すること、呼吸すること、情熱をぼやけさせるようなルーティンに従うことではありません。モチベーションや創造的衝動、自由の原則さえも曇らせるものに従ってはいけません。自然主義者で哲学者、環境保全運動家、市民的不服従の擁護者であるソローは、まさにこのトピックに関する考察を残しています

その功績は、有名な著書『ウォールデン』の中に見られます。この本は、多くの人にとってはカルト本であり、空虚な理想主義の概論だという人もいます。いずれにせよ、些細なことと重要なことを区別すべきだと世界に勧めた彼の言葉が、大きな意味を持つことはあまりなかったようです。人々は継続的な絶望のようなものに浸っており、ソローはこれをやめるべきだと言いました。

人間の本質に帰り、ミニマリスト的になり、現在に目を向けることにより、私達ひとりひとりが社会により強いられた苦悩を一層ずつ取り除くことは可能です。意識的に行動するということは、生き、存在し、何よりより良い決断をしようとすることなのです。

「あなたの夢に向かい自信を持って進もう!想像した人生を生きよう。人生をシンプルにすると、世界の法則もよりシンプルになるだろう」

-ヘンリー・デイヴィッド・ソロー-

意識的に生きるとは?

「すべての人が、関係のある物事ではなく、すべきこと、あるいはなるべきものを求める」

ウォールデン池は、マサチューセッツの小さな自然保護区にあります。特別に穏やかな美しさは、多くの観光客が頻繁に訪れる理由の一つになっています。また、ここはヘンリー・デイヴィッド・ソローが、19世紀半ばに隠居した場所でもあります。この哲学者はハーバードを卒業しており、多くの人が彼を超絶主義と理想主義の代表者としています。実際、彼は常に自然や人間の環境との関係を理解しようと努めました。

さらにソローは、人生の多くの分野における原則に逆らって人生の半分を過ごしました。実際、そのために故郷へ戻って実家の鉛筆工場で働くことになりました。彼が社会の決まりに従わず、禁欲的な個人主義の形を提唱したためです。ヘンリーは多くの講義の中で、これに関し語っています。この世に生まれた時、人はすでに豊かであると指摘しました。しかし、それに気づく唯一の方法は、自分の持っているものの多くを手放すことなのです。

そして、これに従って彼はほぼすべてを手放し、森へ引っ越しました。清教徒指導者のウィリアム・エレリ―・チャニングが、魂を守る唯一の方法は森で孤立して身を潜め、小屋を建てることだと指摘したことを受け、ソローは自らへの挑戦のようなものとしてそれを実行したのでした。驚くべきことに、1845年7月4日、彼は森の中にいる友人を訪ねています。

現在有名になっている本『ウォールデン』の中に、彼の目的は意志を持って生きること以外の何でもなかったと記録しています。今日の記事では、彼の最もよく知られた考えを分析します。

物質主義的考えを減らし、存在に注目すること

これはソローの最も特徴的な考えの一つです。確かに、文字にすると矛盾しています。その主な理由は、あなたはあなたの行動でできているとよく言われるからです。考えてみてください。意識的に生きたいのであれば、自分の存在を何に捧げるか、しっかり選択する必要があります。

ヘンリー・デイヴィッド・ソローは、物質主義を放棄し、自分が生き感じることのできる人生に向かうことを提唱しました。

意識的に生きることと今ここを楽しむこと

「どんな天気でも、昼でも夜でも、時間の刻みを改善し、自分の杖にもそれを刻み、過去と未来という2つの無限が交わる、まさにこの瞬間に立ち、その線につま先立ちすることを切望し続けている」

1845年、西洋では、マインドフルネス、瞑想、その他今この瞬間に注意を向ける哲学は知られていませんでした。しかし、ソローは、著書『ウォールデン』の中で、すでに目的や関心を今ここに向けようと誘っています。自然の真ん中にいると、今のこの瞬間で起こっていることほど大切なことはありません。

それは、バランス、平穏、完全性を保つために今何をするかということが、本当に超越したものであるためです。森では、過去や未来は関係ありません。

表面的なものと大切なものを区別する

「シンプル、シンプル、シンプル!物事は100や1000ではなく、2~3にしよう。100万ではなく、半ダースを数え、勘定は小さく保とう。」

有意義な人生は、シンプルさ、表面的なものと大切なもの、重要なものと関係がある程度のものを区別する方法を知ることから始まります。そして、信じがたいかもしれませんが、これは永遠に終わりがありません。過度の心配や自分にとって役に立たない不相応な量の物事に、人は負担をかかえ続けます

しかし、この過剰な荷物を減らすためには、それを置いていくこと、そして人生を楽しむことを自らに許してあげなければなりません。今この瞬間を精一杯経験しましょう。

ヘンリー・デイヴィッド・ソロー

意識的に生きることは、情熱を持ち、自分はすべてを知っているわけでないと覚えておくこと

「生まれた日より賢くなれていないと、私はいつも後悔する」

意識的に生きる上で、情熱と神秘ほどワクワクさせてくれるものは他にあるでしょうか? あまりないでしょう。問題は、多くの場合、こういった精神的な現実を自分に感じさせることができていないことにあります。情熱を重要視することほど、目的や意味を与えてくれるものはありません。それは、これが存在が与えてくれる、すべてを楽しむための唯一の方法であるためです。

その他にも決定的な特徴があります。自分がすべてを知らないことに気づき、生きることは日々学ぶことであると気づけるよう謙虚でなければなりません。こうして、発見や神秘にオープンになることによってのみ、人は幸福感や充足感を得ることができるからです

シンプルさから来るある種の幸せや自由へ、直接的に、刺激的に、あなたを導く本は、『ウォールデン』のほかにあまりないでしょう。これはきっと、社会的不服従を実践し、存在の意味を見出す上での価値ある教訓を残してくれた哲学者によって書かれた、最初で、最も美しい自助本なのかもしれません。

こちらの記事もおすすめです。
『心理学的ユートピア』- スキナーによるユートピア小説
こころの探検
で読むことができます。 こころの探検
『心理学的ユートピア』- スキナーによるユートピア小説

1945年の夏、B・F・ スキナー は『The Sun Is But a Morning Star(太陽は明けの明星に過ぎぬ、の意)』を書き上げます。この ユートピア小説 は最終的に『Walden Two(ウォールデン・ツー、邦題: 心理学的ユートピア )』というタイトルで1948年に出版され...



  • Maynard, W. Barksdale (2005) Walden Pond: A History. Oxford University Press.
  • Thoreau, David (2012) Walden. Madrid: Tregal
  • Richardson, Robert; Moser, Barry (1986). Henry Thoreau: A Life of the Mind. University of California Press