「人と違うということ」はニーズ?重荷?美徳?

人と違うことをどう感じますか? 集団の中で目立ちたくないですか? 人と違うことで、自分や大切な人に悪影響を与えたことはありませんか?
「人と違うということ」はニーズ?重荷?美徳?

最後の更新: 23 11月, 2020

人はユニークな生き物です。同じ人は一人としていません。感情、行動、思考、決断は人それぞれ異なります。遺伝や環境要因、過去、経験、属性、その他の組み合わせにより、人格は決まります。あなたにとって、「人と違うということ」は何を意味しますか?

人と違うことは良いことにも悪いことにもなりえます。それが人生のどの段階にいるか、発達ステージによっても変わります

あなたはユニークで、これからもそうであることは変わませんが、人生の中ではできるだけ人と同じになるよう努力する時があります。一方、正常な認知発達において目立つことが必要な時もあります。今のあなたはどうでしょうか? 自分は人と違うと思いますか?どう違いますか?人と違うことに満足していますか?あなたにとってそれは重要なことですか?

人と違う

人と違うことは人間のニーズ

心理学者マーガレット・マーラーは、人間発達のステージモデルを形成しました。子どもは自分と母親を分別しない状態である共生期の後、分化期に入ります。分化期は、人格を形成し自分はユニークであると認識する重要なステージです

このステージでは2つのプロセスが行われます。ひとつは分離で、子どもは自分と母親とを分けます。そしてもうひとつは個別化で、子どもが自身の存在に気づき、自分の性格を発達し始めるプロセスです。

ルネ・スピッツは、笑顔反応、他人への恐怖、「ノー」という3つの小児心理原則を立てています。「ノー」は、よく知られた2歳のいやいや期です。常に子供は反抗するため親は嫌になりがちですが、成長発達において非常に重要なステージです。

否定的な反応が続くこのステージは、子どもが自身を人と違う独立した存在だと認識し始めていることから起こっています。個人を識別するのに必要なステージです。これは、思春期にもいくらか発生します

「人の限られた感覚により自分を定義されてはならない」

-ヴァージニア・サティア-

10代にとって、人と違うことは重荷になりえる

思春期は、周りと同化し合わせることが中心になります。10代の子どもは、この年代の子どもに「受け入れられない」違いにより、いじめられないか常に心配します。10代にとっては、集団の一員になることが一番のモチベーションです。そして、これは自己概念の形成に大きく影響します

ところが興味深いことに、10代は自分達がユニークだと思っています。エルカインド・デイヴィッドはこれを個人的寓話と呼びます。人に合わせ、人と同じになりたいと思いつつ、自分達の考えや思いは他の人とは違うと考えます。

また、エルカインドは、適応や差異の重要性と関連する他の現象についても語っています。想像上の観衆と呼ばれるもので、自分が人にどう映っているか、人は自分のことをどう思うかに強い関心を持っています。ティーンエイジャーは、周りの人が常に自分を見ているかのように考えます。

いつも人に見られているという思いから、特に自尊心の低い子どもは、必死で人に合わせます。人と違うことは悪いことで、拒絶にもつながるため、気づかれないように、人と違わないように努力します。

「自分が大多数の側にいる時は、立ち止まり、考えよう」

-マーク・トウェイン-

人と違うということ

「人と違うということ」:ニーズでも重荷でもなく、美徳!

若者が、自分は人と違うべきだ、集団の中で目立ちたいという思いを抱えていることは珍しくありません。これは素晴らしいことです形成されつつあるアイデンティティを共有できるということは、自分にとっても人にとってもいいことです。それは、これが正直な本当の自分だからです。また、創造性や決断力の向上にもつながります。

人と違うことで、多様性を大切にし、適合しやすくなります。また、柔軟性を持ち、心を開くことができます。

人と違っても、自分の考えを守ることで、自分の原則に従いつつ成長発展することができます。さらに、自尊心や自信の形成にも役立ちます。ユニークであることは、素晴らしい贈り物であり大切にすべきものです。これは人間が持つことのできる素晴らしい美徳のひとつなのです。

「群衆を追う女性は、多くの場合群衆より前には進まない。ひとりで歩く女性は、まだ見ぬ未開の地を見つける可能性をもっている」

-アルベルト・アインシュタイン-


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